
『トゥルーマン・ショー』(1998)は、生まれたときからTV製作者が作った舞台で、生涯を放映され続けている男を描いたヒューマンドラマです。
監督は『いまを生きる』(1989)『グリーン・カード』(1990)などの作品を残すピーター・ウィアー監督。
主演は『エターナル・サンシャイン』(2004)『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)を務めたジム・キャリーです。
コメディ映画などで知られるジム・キャリーですが、ゴールデングローブ賞で男優賞を受賞するなど、間違いなく彼を代表する作品でしょう。
また、本作品は20個以上の賞を受賞している名作です。
本記事では、『トゥルーマン・ショー』(1998)の考察や、ラストシーンについてネタバレを交えながら解説していきます。
『トゥルーマン・ショー』(1998)の作品情報とキャスト
作品情報
原題:The Truman Show
製作年:1998年
製作国:アメリカ
上映時間:103分
ジャンル:ドラマ、コメディ、SF
監督とキャスト
監督:ピーター・ウィアー
代表作:『いまを生きる』(1989)『グリーン・カード』(1990)
出演者:ジム・キャリー/吹替:堀内賢雄(トゥルーマン・バーバンク)
代表作:『エターナル・サンシャイン』(2004)『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)
出演者:エド・ハリス/吹替:納谷六朗(クリストフ)
代表作:『ゼロ・グラビティ』(2013)『崖っぷちの男』(2012)
出演者:ローラ・リニー/吹替:佐々木優子(メリル・バーバンク/ハンナ・ジル)
代表作:『ラブ・アクチュアリー』(2003)『ハドソン川の奇跡』(2016)
『トゥルーマン・ショー』(1998)のあらすじ

いつもの挨拶をするトゥルーマン© 1998 Paramount Pictures. All rights reserved.
シーヘブンという島に住むトゥルーマンは、生まれたときからTV会社によって「トゥルーマン・ショー」というドラマに、生涯を生中継されている。
シーヘブンという島は番組が製作したもので、そこに住む人々、親友、婚約者までもがエキストラだ。
太陽や月天候までも作り物でできている。
トゥルーマンは番組の監督である、クリストフによって人生をコントロールされていた。
ある日、トゥルーマンはラジオとTV製作者のインカムが混線したために自分をつけている、監視している者がいると気付く。
そしてその事実を確認するためにさまざまな行動をするのであった。
『トゥルーマン・ショー』(1998)の感想と考察

鏡に向かって喋るトゥルーマン© 1998 Paramount Pictures. All rights reserved.
『トゥルーマン・ショー』(1998)の感想
脚本は『ターミナル』(2004)『TIME/タイム』(2011)で知られるアンドリュー・ニコルが務めていたので、アンドリュー・ニコルの世界観が全開の作品で面白かったです。
彼の作る作品は、もしこうだったらと現実世界でもありえそうなこと題材にして描きます。
SF的要素が強いですが、毎回なにかメッセージ性があり、考えさせられることが多く、しかし前向きな気持ちになれる作品が多いです。
今回は、「もし自分の人生が偽物の人生だったら」という設定で話が進みます。
本作品もまた偽物の人生で生きながら、真実はなんだろうと疑う主人公を観ていると、勇気が湧いてきました。
音楽も良くクラシックが流れるのですが、ジム・キャリーのコメディタッチと見事にマッチしているのと、オープニングとエンディングでは期待感が溢れる、ワクワクする音楽が流れていて映画を観ている気分になりました。
『トゥルーマン・ショー』(1998)の考察
『トゥルーマン・ショー』(1998)のタイトルの意味や、主題について考察していきます。
『トゥルーマン・ショー』(1998)の意味を解説
『トゥルーマン・ショー』(1998)の原題はThe Truman Showと書きます。
最初trueman(真実の人)だと思っていたのですが、そうではないみたいです。
Trumanとは、特に単語自体に意味はありません。
英語圏の固有の名前であり、発音はトルーマンではなく、トゥルーマンになります。
つまり、トゥルーマン・ショーそれ自体には意味はなく、シンプルに主人公の名前を示したものです。
『トゥルーマン・ショー』(1998)の主題
『トゥルーマン・ショー』(1998)の主題はいくつか考えられますが、一つはトゥルーマンの世界観は私たちにも起こっているということです。
トゥルーマンは偽物の、つまりコントロールされている世界で生きます。
それが本物の世界だと思って生きるわけです。
しかし、トゥルーマンはその常識を疑い始めます。
そして最後には真実にたどり着くのです。
私たちの周りにも、そうしたコントロールされた偽物が周りにあるかもしれません。
よくある固定概念というのがそれにあたるかもしれませんが、その概念は実は社会や誰かが意図して作ったものです。
それは本当に真実でしょうか。
もしかしたら、視聴者、製作者と同じように誰かが作ったものかもしれません。
だとしたら、トゥルーマンのように真実に立ち向かえということでしょう。
『トゥルーマン・ショー』(1998)と都市伝説
『トゥルーマン・ショー』(1998)の考え方は陰謀論と似ていると言われています。
陰謀論とは、広く知れ渡っている公的な組織や事実が、裏である組織によって操られていることだとするものです。
トゥルーマンはTV局によって、自分の人生を裏で操られていました。
周りに言っても、周りは違う考えだったため変人扱いされていると、トゥルーマンは感じたでしょう。
陰謀論も同じく、唱えるには常識を疑うわけですから変人扱いされます。
本作品はそうした、陰謀論者からの共感を強く得られたようです。
また、陰謀論者の特徴としてなんでもない事柄を根拠として、陰謀論と結びつけるのが得意ですが、トゥルーマンも作られた世界に対して、さまざまな根拠を提示していました。
本作品はこのように陰謀論者的な視点で観てもおもしろいかもしれません。
【ネタバレあり】『トゥルーマン・ショー』(1998)の最後は? ラストシーンや結末を解説

壁にたどり着いたトゥルーマン© 1998 Paramount Pictures. All rights reserved.
『トゥルーマン・ショー』(1998)のラストシーンとその続編についてあるのかなどを解説していきます。
ラストシーンの意味を解説!最後はどうなった?
父との感動的な再会をトゥルーマンは果たし、いつもの鏡に向かって変なことを言うトゥルーマンに戻っていました。
製作者側も父と再会し、親友とも感動的な話をしたので、トゥルーマンがこの世界を信じたと安心します。
その日、トゥルーマンは地下室の片付けをしたまま寝てしまいました。
なにかが気になるクリストフは、地下室で寝る前の映像を巻き戻しさせます。
すると隠しカメラの隅に、トゥルーマンが抜け出した映像が残っていました。
ローランや街中のエキストラを総動員しましたがトゥルーマンは見つかりません。
トゥルーマンは海に出ていたのです。
なんとかこの偽物の世界をバレるわけにはいかないクリストフは、天候を嵐にしてトゥルーマンの船を沈没させようとしますが、トゥルーマンが死にかけてしまったので仕方なく中断します。
トゥルーマンは出航を続け、舞台の壁際まで到着しました。
その空模様の壁を歩き始めたトゥルーマンは階段を見つけます。
そこを登るとドアがあり、出口と描かれていました。
取手に手をかけた瞬間クリストフが喋りかけていきます。
「外に真実はありはしない、私の世界こそが真実だ、嘘や偽善はこの世界にはない。君はこの世界を出られない」と引きとめました。
なにも反応しないトゥルーマンに「どうした、なにかいってくれ、世界中が君をみている」と言います。
トゥルーマンは
「会えないときのために、こんにちは こんばんは おやすみ それじゃあ」
と笑顔でお辞儀をして去るのでした。
視聴者は感動して喜びます。
そして、砂嵐の画面になると、観ていた視聴者が「チャンネル変えろよ」と言って物語が終わります。
最後に壁を見つけたときの音楽と、全ての真実を確信した怒りと喜びを表す演技が非常に感動的でした。
また、衝撃の事実に対してきっと怒りや悲しみもあるでしょうが、トゥルーマンが最後に視聴者に向けて、いつもの挨拶をしたときはトゥルーマンの強さに救われました。
きっと、こんなに明るくトゥルーマンがドアを出なければ、この映画はもっと評価されないものになっていたでしょう。
ラストシーンのその後は?続編はあるのかを考察
『トゥルーマン・ショー』(1998)は1998年に放映されましたが、現在でも続編の話は上がっていません。
おそらくトゥルーマンのその後は、視聴者に考えさせる楽しみとして残しているのでしょう。
トゥルーマンの、その後の予想としては3パターンくらい考えられるのではないでしょうか。
1つ目はトゥルーマンが外の世界でうまくやっていき、シルビアにも会い幸せな生活を送るパターン。
2つ目はクリストフが作った世界とのギャップを感じて、外の世界で悩むパターン。
3つ目は外の世界が合わずに、もう一度クリストフが作った世界に戻るパターンです。
おそらく2つ目であげたギャップは少ないと感じます。
なぜなら、ストーリーこそエキストラが演じていましたが、全て生身の演者が行っていたため人とは関わっていたわけです。
また、トゥルーマンショーを観ている人が多いことから、彼の性格などは外でも通用するように出来上がっていると思われます。
3つ目についても考えにくいです。
彼は元から冒険家志向が非常にあり、なににでも興味をもつ好奇心があります。
新しいことを恐れない性格から、もとの生活に戻ることは考えにくいです。
【レビュー】『トゥルーマン・ショー』(1998)の評価・評判

クリストフ© 1998 Paramount Pictures. All rights reserved.
『トゥルーマン・ショー』(1998)の興行収入は2.641億ドルです。
受賞歴もゴールデングローブ賞など含め全20個以上の賞を受賞しています。
名作ともいえる本作品を、今回はレビューサイトの低評価の意見と高評価の意見、両方から分析してみましょう。
低評価の意見:『トゥルーマン・ショー』(1998)はつまらない?
・サイコホラーだと思った、気持ち悪く二度とみたくない
・主人公のことを考えると悲しくなるし胸糞悪い
・設定が無理すぎた
トゥルーマンを舞台に監禁し、常に演技の中の人生を送らせるという設定に、人権的にも非道で、それを良しとしている世界観に嫌悪感をおぼえた方が低評価をつけていました。
また、30年間トゥルーマンを一つの舞台で騙し続ける、万里の頂上に匹敵する巨大な舞台という全体的な設定に対して、無理があると意見を言っている人もいました。
たしかに、現実でこのようなことがあれば大問題ですが、だからこそ映画でSFとして描いているのではと感じました。
また、本作品はコメディタッチで描かれているのと、暗い表現は一切なかったので、明るい気持ちで観られるのですが、それと題材に対するギャップを感じて、気持ち悪さを感じる人がいたのかもしれません。
高評価の意見:『トゥルーマン・ショー』(1998)は面白い?
・斬新な設定でおもしろいし、最後には感動した。
・ジムキャリーの演技力にポジティブな気分になった。
・細かい設定までの気遣いが見ていておもしろい
斬新な設定に対して、考えさせられおもしろいと感じた人や、ジムキャリーの明るいキャラクターに関して、コメディ要素やポジティブな気持ちになった人が多かったようです。
また、本作品にはCMが途中入るなど細かい設定まで、気遣いがされています。
それを確認するのにもう一度観たいという人も多かったようです。
『トゥルーマン・ショー』(1998)のまとめ

フィジーに向かうトゥルーマン© 1998 Paramount Pictures. All rights reserved.
『トゥルーマン・ショー』(1998)は生まれてからの生涯を撮影され続けた男が、自由を求めて奮闘する物語です。
脚本は『ターミナル』(2004)『TIME/タイム』(2011)で知られるアンドリュー・ニコルが行っているので、このような独特の世界観が好きだという方なら、きっと気にいるでしょう。
観た後は開放されたような清々しい気持ちになりますが、感情移入しすぎる人は設定に恐怖を感じる人もいるので注意が必要です。
少しだけ内容が分かっていても、細かい設定やジム・キャリーの演技だけでも十分楽しめる作品ですので安心してください。
気になった方はぜひご覧になってみてください。
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