みなさんはタバコが登場する映画と聞いて、どんな作品を思い浮かべますか?
洋邦問わず、サスペンス、探偵もの、ヒューマンドラマ、アクション映画や戦争映画など、様々なジャンルの作品でタバコが登場し、名作も少なくありません。
中には物語に欠かせない重要な小道具としてタバコが登場する作品もあり、映画には欠かせない演出の1つとなっています。
魅力的な登場人物が煙をくゆらせる姿は、愛煙家でなくとも心惹かれるものがありますよね。
本記事では様々なジャンルの中からタバコが登場する映画のおすすめ10本を厳選し、映画とタバコにまつわる歴史とあわせてご紹介していきます。
おすすめのジャンルや選び方もご紹介しますので、ぜひ好みに合う作品を探してみてください!
編集部おすすめ3作品を紹介!
順位 | 作品名 | おすすめ度 |
1位 | グラン・トリノ | ★★★★★ |
2位 | グッドフェローズ | ★★★★★ |
3位 | レザボア・ドッグス | ★★★★☆ |
目次
- 1 タバコが登場する映画とは? 歴史も解説
- 2 タバコが登場する映画のおすすめな選び方
- 3 タバコが登場する映画の比較一覧
- 4 『グラン・トリノ』イーストウッド美学の境地!号泣必至のラストは必見
- 5 『グッドフェローズ』デ・ニーロの不穏な雰囲気を堪能する!
- 6 『レザボア・ドッグス』 駄話とタバコが似合う男達
- 7 『新幹線大爆破』 高倉健の抑えた演技にタバコが映える!
- 8 『グロリア』 タフなヒロインの優しさが胸を打つ名作
- 9 『アトミック・ブロンド』 タフで美しいシャーリーズ・セロンに魅せられる!
- 10 『夏の終り』 昭和の雰囲気と小林薫の渋さに酔う
- 11 『ロング・グッドバイ』 ハードボイルド不朽の名作!
- 12 『劇場版 MOZU』 真の黒幕は?謎が謎を呼ぶ 和製ハードボイルド
- 13 『レジェンド 狂気の美学』 1人2役の演じ分けが秀逸!
- 14 タバコが登場する映画のおすすめな楽しみ方を紹介
- 15 まとめ
タバコが登場する映画とは? 歴史も解説
歴史を紹介。映画でタバコを吸うシーンは減った?
白黒映画の時代から、映画にはタバコが数多く登場してきました。
特に1950~60年代の作品に数多くみられますが、この背景には当時は公共の場で喫煙することが一般的だったことに加え、タバコ産業が広告の手段として映画に出資していたことも要因の1つと考えられています。
その後この活動が社会批判の的となり、さらに近年ではタバコの健康被害が問題視されていることもあり、映画へのタバコの露出は徐々に減少しています。
アメリカの大手制作会社6社のうち3社が喫煙シーンを削減する方針を明らかにしており、Netflixも同様の見解を示しています。
一方、残る大手3社と独立系の映画では喫煙シーンが10倍も多いと報告されており、観る側にとっても賛成派と反対派で意見が分かれているのが現状です。
タバコが登場する映画のおすすめな選び方
ギャング・マフィア映画から選ぶ
タバコはギャング・マフィア映画に欠かせない小道具のひとつ。
世間に背き、独自のルールと美意識を貫いて生きるアウトロー達。
荒々しい抗争の一方で、仲間内での義理や人情に熱い一面も。
タバコの煙をくゆらせる時のふとした表情には、時にやりきれない哀しみや寂しさが漂います。
タフな女性が登場する作品を選ぶ
洋邦問わず、1本筋の通った生き方をする女性が登場する作品には、男性顔負けのカッコよさがあります。
信念を持って生きるタフな女性たちがタバコを扱う所作は美しく、ゆったりとした静かな雰囲気が漂うのも女性ならでは。
キャラクターを引き立てる衣裳や小物も見どころの1つ。
ハードボイルド映画から選ぶ
ハードボイルド映画に登場する渋い男達にはタバコが良く似合います。
どんな状況でも感情に流されず、権力や恐怖に屈しない。
飄々と、あるいは苦み走った表情で煙をふかす彼らの仕草は、男性なら1度は真似してみたくなるのでは?
タバコが登場する映画の比較一覧
作品名 | 監督 | 作品時間 | おすすめ度 |
グラン・トリノ | クリント・イーストウッド | 117分 | ★★★★★ |
グッドフェローズ | マーティン・スコセッシ | 145分 | ★★★★★ |
レザボア・ドッグス | クエンティン・タランティーノ | 100分 | ★★★★☆ |
新幹線大爆破 | 佐藤純彌 | 152分 | ★★★★☆ |
グロリア | ジョン・カサベラス | 121分 | ★★★★☆ |
アトミック・ブロンド | デビッド・リーチ | 115分 | ★★★★☆ |
夏の終り | 熊切和嘉 | 114分 | ★★★☆☆ |
ロング・グッド・バイ | ロバート・アルトマン | 111分 | ★★★☆☆ |
劇場版MOZU | 羽住英一郎 | 116分 | ★★★☆☆ |
レジェンド 狂気の美学 | ブライアン・ヘルゲランド | 131分 | ★★★☆☆ |
各ジャンルから、タバコが登場するシーンのカッコよさ、ストーリーの面白さを重視してピックアップしました。
それでは、それぞれの作品のおすすめポイントもあわせてご紹介していきます!
『グラン・トリノ』イーストウッド美学の境地!号泣必至のラストは必見
製作国 | 監督 | 作品時間 | 配給 | おすすめ度 |
アメリカ | クリント・イーストウッド | 117分 | ワーナー・ブラザーズ | ★★★★★ |
【あらすじ】
元自動車工のウォルトは妻に先立たれ、孤独な日々を送っていた。
ある事件をきっかけに隣家に住む少年タオと心を通わせ始めたウォルトだったが、不良グループがタオを仲間に引き入れようとすることで2人の関係に変化が起きはじめる。
【キャスト】
監督 | クリント・イーストウッド |
キャスト | クリント・イーストウッド |
ビー・バン | |
アーニー・ハー |
『グラン・トリノ』のおすすめポイント!
タバコが物語に欠かせない重要な小道具として登場する本作。
後半、ウォルトが愛犬に話しかけながらバスタブでタバコを吸うシーン。
そしてラスト、タバコを片手に不良グループと対峙するシーンは胸に迫ってくるものがあります。
ぜひハンカチのご用意を!
『グッドフェローズ』デ・ニーロの不穏な雰囲気を堪能する!
製作国 | 監督 | 作品時間 | 配給 | おすすめ度 |
アメリカ | マーティン・スコセッシ | 145分 | ワーナー・ブラザーズ | ★★★★☆ |
【あらすじ】
幼い頃から憧れていたマフィアの世界に飛び込んだヘンリーは、徐々に手荒い仕事に手を染めていく。
やがてファミリーの一員として認められたヘンリーだったが、麻薬に手を出し、徐々に立場が危うくなっていくのだった。
【キャスト】
監督 | マーティン・スコセッシ |
キャスト | ロバート・デ・ニーロ |
レイ・リオッタ | |
ジョー・ペシ |
『グッドフェローズ』のおすすめポイント!
とにかくタバコを吸うシーンが多い本作ですが、中でも目を惹かれるのがロバート・デ・ニーロ演じるジミーの只者ではない雰囲気。
タバコを吸う時の微妙な間や表情で、内心は何を考えているかわからない不穏なキャラクターを見事に演じています。
とんでもない展開が次々と繰り広げられ、ジェットコースターに乗っているかのような感覚を味わえる作品。
『レザボア・ドッグス』 駄話とタバコが似合う男達
【作品情報】
製作国 | 監督 | 作品時間 | 配給 | おすすめ度 |
アメリカ | クエン・タランティーノ | 100分 | ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画 | ★★★★☆ |
【あらすじ】
大がかりな宝石強盗を成功させるため、コードネームで呼ばれる6人の男達が集まった。
しかし当日、襲撃現場に警官が待ち伏せていたことで計画は失敗に終わる。
次第に仲間たちへの不信感が募り、男達は取り返しのつかない状況に陥っていく。
【キャスト】
監督 | クエンティン・タランティーノ |
キャスト | ハーベイ・カイテル |
ティム・ロス | |
スティーブ・ブシェーミ |
『レザボア・ドッグス』のおすすめポイント!
黒スーツの男達がカフェで延々とくだらない話をしている冒頭の一場面。
雑談シーンが多用されるタランティーノ作品の中でも、ダントツにしびれるシーンではないでしょうか。
時間軸を行き来する構成も見どころで、その後タランティーノ症候群とも呼ばれる多くのフォロワーを生みだしたのも納得の面白さです。
『新幹線大爆破』 高倉健の抑えた演技にタバコが映える!
【作品情報】
製作国 | 監督 | 作品時間 | 配給 | おすすめ度 |
日本 | 佐藤純彌 | 152分 | 東映 | ★★★★☆ |
【あらすじ】
ある日、国鉄本社に走行中の新幹線に爆弾を仕掛けたという電話が入る。
その爆弾は時速80キロ以下に減速されると自動的に爆発するというものだった。
【キャスト】
監督 | 佐藤純彌 |
キャスト | 高倉健 |
宇津井健 | |
千葉真一 |
『新幹線大爆破』のおすすめポイント!
スピードを落とせない新幹線という緊張感も相まって、最後まで目が離せない展開が続く本作では、高倉健が言葉少なにタバコを吸う姿が印象的。
特に冒頭の回想を挟むシーンは、燃えつきかけたタバコで時間の経過を描くのと同時に、逡巡や緊張感がにじみ出るヒリヒリするような場面です。
物語が進むにつれ犯人グループが犯行に至るまでの背景も明らかになり、単なる勧善懲悪ではない余韻が残る作品になっています。
鮮烈で切ないラストも必見!
『グロリア』 タフなヒロインの優しさが胸を打つ名作
【作品情報】
製作国 | 監督 | 作品時間 | 配給 | おすすめ度 |
アメリカ | ジョン・カサベテス | 121分 | コロンビア・ピクチャーズ | ★★★★☆ |
【あらすじ】
組織からの報復で殺された父親から息子フィルを預かったグロリア。
詳細を記した手帳を手にしている2人は、組織から追われる身となってしまう。
子供嫌いのグロリアに反発していたフィルだったが、やがて自分を守ろうとするグロリアを母のように慕っていく。
【キャスト】
監督 | ジョン・カサベテス |
キャスト | ジーナ・ローランズ |
ジョン・アダムス | |
バック・ヘンリー |
『グロリア』のおすすめポイント!
タバコを吸う仕草が加わることで、本来は一緒にいるはずのない2人のちぐはぐさが際立つと同時に、不器用ながらフィルを守ろうとするグロリアの優しさも垣間見える愛おしいシーンになっています。
『アトミック・ブロンド』 タフで美しいシャーリーズ・セロンに魅せられる!
【作品情報】
製作国 | 監督 | 作品時間 | 配給 | おすすめ度 |
アメリカ | デビッド・リーチ | 115分 | KADOKAWA | ★★★★☆ |
【あらすじ】
東西冷戦末期、極秘文書の奪還と裏切者の二重スパイを見つけ出すため、諜報員のロレーンはベルリンに潜入。
各国のスパイが入り乱れ、敵か味方かわからない状況の中、リストをめぐる争奪戦が始まる。
【キャスト】
監督 | デビッド・リーチ |
キャスト | シャーリーズ・セロン |
ジェームズ・マカボイ | |
ソフィア・ブテラ |
『アトミック・ブロンド』のおすすめポイント!
女性の主人公ながら、これでもかと泥臭いアクションシーンの緊張感と、80年代の音楽を使ったテンポの良いストーリー運びで最後まで飽きさせません。
様々な角度からのアングル、画面の色づかいで東西のドイツを描き分けるなど、工夫が凝らされた色彩やカメラワークを見ているだけでも楽しめる作品です。
『夏の終り』 昭和の雰囲気と小林薫の渋さに酔う
【作品情報】
製作国 | 監督 | 作品時間 | 配給 | おすすめ度 |
日本 | 熊切和嘉 | 114分 | クロックワークス | ★★★☆☆ |
【あらすじ】
瀬戸内寂聴の同名小説を映画化。
染色家の知子は妻子ある年上の作家・小杉と長年暮らしていた。
ある日知子のもとに、かつて駆け落ちをした青年・涼太が現れたことで、それぞれの関係にひずみが生じていく。
【キャスト】
監督 | 熊切和嘉 |
キャスト | 満島ひかり |
綾野剛 | |
小林薫 |
『夏の終り』のおすすめポイント!
登場人物が3人ともタバコを吸っており、それぞれに個性が表れた喫煙シーンになっています。
小林薫演じる作家が書斎や料理屋でタバコをくゆらせる時のくたびれた雰囲気が何とも渋い!
昭和の雰囲気を感じさせる建物や小物にも注目。
知子が吸っているタバコは「みどり」で、当時の図柄をデータから起こして作られたものだそう。
『ロング・グッドバイ』 ハードボイルド不朽の名作!
【作品情報】
製作国 | 監督 | 作品時間 | 配給 | おすすめ度 |
アメリカ | ロバート・アルトマン | 111分 | ユナイテッド・アーティスツ | ★★★★☆ |
【あらすじ】
私立探偵のフィリップ・マーロウは友人テリーを車で送った翌日、警察に連行されてしまう。
やがて妻殺しの容疑がかかっていたテリーが自殺したと伝えられ、マーロウは釈放されるが…。
【キャスト】
監督 | ロバート・アルトマン |
キャスト | エリオット・グールド |
スターリング・ヘイドン | |
ニーナ・バン・パラント |
『ロング・グッドバイ』のおすすめポイント!
猫好きでどこへ行くにもスーツにネクタイの私立探偵・マーロウは朝から晩までタバコを手放さない、かなりのヘビースモーカー。
お人好しな表情にくわえタバコ、気の抜けたユーモアが魅力的なキャラクターです。
『劇場版 MOZU』 真の黒幕は?謎が謎を呼ぶ 和製ハードボイルド
【作品情報】
製作国 | 監督 | 作品時間 | 配給 | おすすめ度 |
日本 | 羽住英一郎 | 116分 | 東宝 | ★★★☆☆ |
【あらすじ】
妻子の死の真相を追っていた公安警察官の倉木は警察内部に巣食う闇にたどり着く。
ある時、高層ビルの占拠、ベトナムの大使館が襲撃されるというテロ事件が同時発生。
その裏には日本の犯罪史を裏で操ってきた「ダルマ」と呼ばれる存在があった。
【キャスト】
監督 | 西島秀俊 |
キャスト | ビートたけし |
西島秀俊 | |
真木よう子 |
『劇場版 MOZU』のおすすめポイント!
次から次へと苦境に立たされても信念を曲げずに行動する倉木の姿にしびれます。
バーでひと時の休息を求めて吸うタバコはJPS。
武骨な仕草に、無造作に置かれたタバコがよく似合います。
『レジェンド 狂気の美学』 1人2役の演じ分けが秀逸!
【作品情報】
製作国 | 監督 | 作品時間 | 配給 | おすすめ度 |
イギリス・フランス | ブライアン・ヘルゲランド | 131分 | アルバトロス・フィルム | ★★★☆☆ |
【あらすじ】
1960年代のロンドンに実在した双子のギャング・クレイ兄弟。
レジーとロンは裏社会をのし上がり、絶大な影響力を及ぼしていくようになる。
そんな中レジーは部下の妹フランシスと結婚し、足を洗うことを決意するが…。
【キャスト】
監督 | ブライアン・ヘルゲランド |
キャスト | トム・ハーディ |
エミリー・ブラウニング | |
デビッド・シューリス |
『レジェンド 狂気の美学』のおすすめポイント!
冷静で時に優しい面を見せるレジーと、何をしでかすかわからないロンを1人2役で演じているトム・ハーディの演技力が見事で、2人が一緒にいるシーンでもまったくの別人に見えます。
スーツ姿で紅茶を片手にタバコを愉しむといった、イギリスらしい演出も見どころの1つ。
タバコが登場する映画のおすすめな楽しみ方を紹介
タバコが出てくるシーンでは、火の付けかたやタバコをどう扱っているか、吸うペースなどにも登場人物のキャラクターが表れています。
たとえば『アトミック・ブロンド』で主人公ロレーンがバーで1人、タバコを吸おうとするシーン。
ふいに見知らぬ人物から火を差し出されますが、まったく動じず一瞬視線を向けるだけ。
ゆったりと煙をくゆらせる姿からは、切れ者でどんな場面にも動じない彼女のタフな内面が垣間見えてきます。
タバコが登場する映画では、登場人物の細かい仕草にも注目してみてはいかがでしょうか。
まとめ
奥深いタバコ映画の世界。
ぜひお気に入りの1本を見つけてみてください!
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