
『ジョーズ/JAWS』(1975)は、サメの脅威に翻弄される人間たちの行動を描いたパニック映画。
監督は『ジュラシック・パーク』(1993)など、数々の名作を生み出した巨匠・スティーヴン・スピルバーグ。
近年、再び注目されるようになっているサメ映画の原点であり、パニック時における地域の対応や人々の混乱を描いた秀逸な人間ドラマでもある……。
パニック映画にはとどまらないドラマ映画『ジョーズ/JAWS』(1975)について、感想と考察、評価を交えて紹介していきます。
項目 | 評価 | 点数 |
知名度 | ★★★★★ | 95点 |
配役/キャスト | ★★★★☆ | 70点 |
ストーリー | ★★★★★ | 90点 |
物語の抑揚 | ★★★★☆ | 80点 |
パニック性 | ★★★★★ | 90点 |
テーマ曲 | ★★★★★ | 100点 |
目次
- 1 『ジョーズ/JAWS』(1975)の作品情報
- 2 『ジョーズ/JAWS』(1975)の概要
- 3 『ジョーズ/JAWS』(1975)の感想
- 4 『ジョーズ/JAWS』(1975)の考察
- 5 【なぜ?】『ジョーズ/JAWS』(1975)の疑問を解説
- 6 『ジョーズ/JAWS』(1975)の原作や元ネタとは? 映画版との比較
- 7 『ジョーズ/JAWS』(1975)のテーマ曲・楽曲を解説
- 8 『ジョーズ/JAWS』(1975)の最後は? ラストシーンや結末を解説
- 9 【レビュー】『ジョーズ/JAWS』(1975)の評価・評判
- 10 『ジョーズ/JAWS』(1975)の総合評価:組織の対応を描いた社会派ドラマ
- 11 この作品を見た人におすすめ
『ジョーズ/JAWS』(1975)の作品情報
製作年 | 1975年 |
原題 | Jaws |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 124分 |
ジャンル | パニック |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ |
脚本 | ピーター・ベンチリー、カール・ゴットリーブ |
主要キャスト | ロイ・シャイダー(マーティン・ブロディ)/日本語吹替:谷口 節
ロバート・ショウ(クイント)/日本語吹替:内海 賢二 リチャード・ドレイファス(マット・フーパー)/日本語吹替:堀内 賢雄 ロレイン・ゲイリー(エレン・ブロディ)/日本語吹替:佐藤 しのぶ |
『ジョーズ/JAWS』(1975)の概要

人間を襲うサメ 写真:Album/アフロ
人気観光地であるアミティ海岸で女性の遺体が発見された。
彼女の死因が「サメによる襲撃」であることをいち早く察知した町の警察署長・ブロディは、海岸の閉鎖を提案。
しかし、観光による収入を優先する市長のボーンによって、願いもむなしく、海岸の海開きは決定してしまう。
多くの観光客が集まる中、ついに、最悪の事態が発生してしまい……。
『ジョーズ/JAWS』(1975)の感想

所長と市長 Kobal/UNIVERSAL/TheKobalCollection/WireImage.com
『ジョーズ/JAWS』(1975)は、ただのパニック映画ではない
『ジョーズ/JAWS』(1975)の魅力は、ただのパニック映画ではない点といえるでしょう。
なぜなら、本作には、危機的状況に置かれた人々のリアルな行動が反映されているからです。
例えば、本作の登場人物の一人・市長のボーンは町の観光利益を最優先するため、サメが現れた海を閉鎖することなく、いつも通り営業を続ける決断をします。
地域のトップである彼が人命ではなく、自分の地位や名誉を守るために保身へと走る姿は、現代社会にも重なる部分があるのではないでしょうか。
また、サメに息子を奪われてしまった親が敵討ちを果たすために懸賞金をかける展開など、実話に基づいた設定も多い本作。
有名なテーマ曲や、サメが襲いかかるイメージが先行してしまいがちな作品だからこそ、単なるパニック映画におさまらない人々のリアルな行動にも注目してほしいです。
『ジョーズ/JAWS』(1975)の考察

サメに襲われる女性© Copyright 1995 - Universal City Studios, Inc. - All rights reserved.
『ジョーズ/JAWS』(1975)が名作と言われる理由
『ジョーズ/JAWS』(1975)が名作と言われる理由は、娯楽作でありながら、誰もが共感できる人間ドラマを描いている点にあるでしょう。
本作ではパニックにおける集団心理の怖さや、家族や町の人々を守りたい一方で組織の意向に板挟みにされてしまう男のドラマがしっかりと描かれています。
これ以降も宇宙人やゲームの世界といったSF要素を描き続けている監督ですが、実生活や実体験とリンクするような描写を常に入れている部分が魅力なのかもしれません。
【なぜ?】『ジョーズ/JAWS』(1975)の疑問を解説

『虎鮫』場面写真
『ジョーズ/JAWS』(1975)はサメ映画の原点なのか?
『ジョーズ/JAWS』(1975)は、厳密にいうと、サメ映画の原点ではないです。
なぜなら、映画史を遡ると、それ以前にもサメが登場する作品は数多く存在してきたからです。
その一つにハワード・ホークス監督の『虎鮫』(1932)があります。
こちらの作品はマグロ漁船の船長・マイクの恋が物語の中心でありながら、サメとの格闘シーンが登場するなど『ジョーズ/JAWS』(1975)の原点ともいえます。
ちなみに、劇中で登場したリチャード・ドレイファスの台詞「tiger shark」は、『虎鮫』(1932)へのオマージュとも言われています。
なぜクイントは無線を壊した?
クイントが無線を破壊した理由、それは、サメ退治の手柄を横取りされたくなかったからに違いないでしょう。
劇中、彼が語る過去のサメとの因縁や、そこに至るまでの言動や行動を見ていると、彼が「自分の手でサメを退治すること」にこだわっていることが分かるはずです。
無線を呼び、やって来た救助人たちがサメを退治するという形だけは、どうしても避けたかったというわけです。
ジョーズに登場するサメの種類は?
ジョーズに登場するサメの種類はイタチザメとホオジロザメです。
イタチザメは、劇中で金稼ぎのハンターが仕留める鮫で比較的小柄ですが、対するホオジロザメは、とても巨大で凶暴……。
また、劇中で主人公たちの天敵となるホオジロザメは、撮影中、ブルースと呼ばれていたとのこと。
(この名前は、スピルバーグの知人である弁護士を由来としていたそうです。)
スピルバーグ監督も出演している?
本作で監督を務めたスティーヴン・スピルバーグはクイントが無線交信する相手として、声だけのゲスト出演を果たしています。
また、原作者であるピーター・ベンチリーも、海水浴場から人食いザメ出現のニュースを伝えるレポーター役として少しだけ出演しています。
『ジョーズ/JAWS』(1975)の原作や元ネタとは? 映画版との比較

JAWS 原作表紙
『ジョーズ/JAWS』(1975)の原作と元ネタ
本作の原作となったのは、1974年にピーター・ベンチリーさんによって出版されたフィクション小説『ジョーズ』。
(日本での出版タイトルは『ジョーズ―顎』)
出版後、ベストセラーリストに44週間もの期間ランクインする大ヒット作品になりました。
さらに、こちらの本は、実際にあった事件「ニュージャージーサメ襲撃事件」が基となって作られたと言われています。
この事件は1916年にアメリカ・ニュージャージー州で起きたもので、大西洋湾岸とマタワン川で計4人もの死傷者を出しました。
現地の観光に大打撃を与えたことや少年の犠牲が出てしまったこと、サメ退治に懸賞金があてられたことなどは、映画でも再現されています。
【比較】『ジョーズ/JAWS』(1975)の原作と映画版の違いは?
原作と映画版の違いをざっくりまとめると、以下のようになります。
このように大きな違いとして鮫学者・フーパーの描き方が異なっている部分が挙げられます。
これは原作の物語に納得のいかなかったスピルバーグ監督が友人の脚本家・カール・ゴットリーブに依頼し、娯楽性を重視するように変更したためです。
『ジョーズ/JAWS』(1975)のテーマ曲・楽曲を解説
『ジョーズ/JAWS』(1975)の音楽といえば、やはり、一度聴いたら忘れられない有名なテーマ曲でしょう。
本作で使われている楽曲は以下の通り。
2. からのゴムボート (Previously unreleased)
3. 埠頭での事件 (Previously unreleased)
4. 檻の用意!
5. サメの襲撃 (Previously unreleased)
6. 夜の大追跡
7. 海開き
8. 父と息子 (Previously unreleased)
9. 入り江へ (Previously unreleased)
10. サメ狩り
11. 一番銛!
12. 軍艦インディアナポリス号の惨劇
13. パニック (Previously unreleased)
14. 浮き上がるバレル (Previously unreleased)
15. ブイを追え
16. 3つのバレルの元で (Previously unreleased)
17. 攻撃の合間に (Previously unreleased)
18. サメに接近
19. 最後の闘い
20. エンド・タイトル
その中でも最も有名な楽曲は『メイン・タイトル~最初の犠牲者』です。
(『ジョーズ~テーマ』といわれることもあります。)
観客の不安感を煽る見事な音楽は、スピルバーグ監督作品の楽曲を数多く手がける作曲家・ジョン・ウィリアムズが担当。
ちなみに、本作の有名なテーマ曲が使われているのは実際にサメが登場するシーンに限られており、それ以外のシーンでは異なる音楽が使われています。
『ジョーズ/JAWS』(1975)のサントラはこちら。
『ジョーズ/JAWS』(1975)の最後は? ラストシーンや結末を解説

逃げ惑う観光客© 1975 - Universal Pictures. All rights reserved.
『ジョーズ/JAWS』(1975)の結末・ラストシーン
サメの被害によって、数多くの犠牲者を出してしまった田舎町・アミティ。
繰り返す悲劇を食い止めるため、警察署長・ブロディ、海洋学者・フーパー、地元の漁師・クイントはサメ退治に名乗り出る。
最初こそいがみ合う3人の男たちだったが、海上でサメを追い続けるうち、少しづつ意気投合。
巨大ザメとの死闘の末、クイントは犠牲となってしまうが残りの2人は、無事に退治を成功させ、浜辺へと向かうのだった……。
『ジョーズ/JAWS』(1975)のその後、現在は?
『ジョーズ/JAWS』(1975)は、その後、シリーズ化され、『ジョーズ'87 復讐篇』(1987)まで4本のシリーズが製作されました。
続編となる『ジョーズ2』(1978)では、本作の主人公・ブロディ保安官が続けて登場し、それ以降の物語では彼の息子であるマイケル・ブロディが主役となりました。
ちなみに、現在は本作のパロディとなる『ダブルヘッド・ジョーズ』(2012)シリーズほか、『床ジョーズ』(2012)など、個性豊かなタイトルのパロディ作品が量産されています。
『ジョーズ/JAWS』(1975)の最後の解釈と考察
『ジョーズ/JAWS』(1975)のラストでは、サメ退治に向かった3人が全員生き延びるのではなく、1人が犠牲となることでサメの脅威が強く印象づけられました。
また、ラストでサメを退治したことによって、アミティの町には平和が訪れたように見えますが、後に作られる続編では再び町にサメの脅威が襲いかかることになります。
【レビュー】『ジョーズ/JAWS』(1975)の評価・評判

サメと闘うブロディ© Corbis. All Rights Reserved.
【つまらない?】低評価のレビュー
様々なレビューサイトを確認したところ、本作の批判意見には以下のようなものがありました。
これらの感想をみたところ、パニック映画を期待しすぎた方が、予想外にドラマ重視な展開に困惑しているようにも思われます。
【面白い?】高評価のレビュー
一方、本作を絶賛する意見には以下のようなものがあります。
これらの意見をまとめると、単なるパニック映画に終わらず、危機的状況における人々の混乱を丁寧に描いたことが、高く評価されている所以と言えるのかもしれませんね。
『ジョーズ/JAWS』(1975)の総合評価:組織の対応を描いた社会派ドラマ

サメの死体を確認するフーパー© Copyright 1995 - Universal City Studios, Inc. - All rights reserved.
ここまでの記事で『ジョーズ/JAWS』(1975)が単なるパニック映画ではなく、深いドラマ要素も面白い作品であることを述べてきました。
とりわけ、序盤で描かれる組織のトップの対応と、それに振り回される主人公の姿は現代の日本にも重なる部分があるのではないでしょうか。
本作では、序盤こそフラストレーションの溜まる展開に観客側も、かなり辛い思いをするかもしれません。
しかし、だからこそ、クライマックスの爽快感は格別ともいえます。
先が見えない近年の状況だからこそ、改めて評価されてほしい名匠・スピルバーグ監督の代表作でした。
この作品を見た人におすすめ
『シャークネード』(2013)
近年のサメ映画ブームを代表する一作。
B級トンデモ映画だと思われがちな本作ですが、実は『JAWS/ジョーズ』の忠実なオマージュも……。
映画ファンなら、ぜひ合わせて観ていただきたい一作です。
『MEG ザ・モンスター』(2018)

近年のサメ映画の中では珍しく、劇場でヒットしたメジャー大作。
人気俳優・ジェイソン・ステイサムがサメと闘うという展開が何ともアツい一作。
『デビルシャーク』(2015)

サメ映画界に燦然と輝く大傑作。
本作を観たあと、筆者は映画の向き合い方が大きく変わりました。
映画ファンならずとも、ぜひ、人生で一度は観ていただきたい一作。
とにかく必見です。
サメ映画の人気おすすめランキングが気になる方はこちら。
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