
『グリーンマイル』(1999)は泣ける映画や死ぬまでに観たい映画として、必ずと言ってもいいほど名前があがってくる名作です。
またスティーヴン・スピルバーグが観て4回泣いたというコピーにもなっていることからも、非常に良い作品であることは想像できます。
死刑囚と看守というとっつきにくテーマの本作品ですが、どうしてここまでの評価を得ることができたのでしょうか。
本記事では、『グリーンマイル』(1999)の感想・考察・タイトルの意味をネタバレを交えながら解説していきます。
【『グリーンマイル』(1999)の評価】
項目 | 評価 | 点数 |
知名度 | ★★★★★ | 95点 |
配役/キャスト | ★★★★★ | 100点 |
ストーリー | ★★★★☆ | 90点 |
物語の抑揚 | ★★★★☆ | 90点 |
トラウマ度 | ★★★☆☆ | 60点 |
感動 | ★★★★★ | 100点 |
目次
『グリーンマイル』(1999)の作品情報
製作年 | 1999年 |
原題 | The Green Mile |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 188分 |
ジャンル | ドラマ、ファンタジー |
監督 | フランク・ダラボン |
脚本 | フランク・ダラボン |
原作 | グリーン・マイル |
主要キャスト | トム・ハンクス(ポール・エッジコム)/日本語吹替:江原正士
デヴィッド・モース(ブルータス・“ブルータル”・ハウエル)/日本語吹替:石塚運昇 バリー・ペッパー (ディーン・スタントン )/日本語吹替:堀井真吾 ジェフリー・デマン(ハリー・ターウィルガー )/日本語吹替:佐々木敏 |
『グリーンマイル』(1999)の概要

空を見上げるポールとジョン© 2012 Getty Images - Image courtesy
主人公ポールは死刑囚の看守を行なっているが、尿路感染になってしまい苦痛の日々を送っていた。
そんなポールのところに、大男のジョンが入所してくる。
ジョンは少女に暴力をした上に、その少女を殺した罪で死刑になる予定だ。
ある日ジョンは不思議な力を使って、ポールの尿路感染を治してしまった。
それからポールはさまざまなジョンによる不思議な力を体験をしていくのであった。
『グリーンマイル』(1999)の感想と考察

ポール© 2012 Getty Images - Image courtesy
『グリーンマイル』(1999)の感想
これから『グリーンマイル』(1999)の感想を書いていきます。
ラストの命の与えるシーンは必要だったのか?
ラストシーンでジョンが処刑されてから、ポールが生命をジョンから与えられていたというシーンがありましたが、正直あのシーンは必要なかったと感じます。
なにかテーマ性を持たせたかったようにも感じますが、ジョンが処刑されたシーンで、一気に映画に引きつけられるのに、その後のポールの語りがだらだらと続くので熱が覚めました。
生命が与えられたシーンも何の意味があるのだろうかと感じてしまうシーンで、ポールの語りがなかったとしても過去の話だけでも十分完結していたでしょう。
長編作品なのでいらない部分は精査して排除すべきだったと感じました。
ご都合主義の設定が気になった
『グリーンマイル』(1999)はファンタジーとして描かれてはいるものの、話の展開の都合良さや設定の甘さを感じる部分もありました。
例えば、看守と死刑囚に関してです。
看守は死刑囚を興奮させないように、手荒なことをしないようにしていますが、看守がとても優しかったのが気になりました。
死刑囚に対して情や配慮を示す場面が、いくつもあるのです。
また、死刑囚も全員の犯罪歴が語られていないので、作品を観ていると本当は優しい人ではないのかと錯覚してしまうほどでした。
もう少し犯罪歴など凶暴性を示したり、死刑囚と看守との距離感を持たせれば感情移入しやすい作品になったのではないでしょうか。
以上『グリーンマイル』(1999)の感想でした。
『グリーンマイル』(1999)の考察
『グリーンマイル』(1999)はハッピーエンドなのか
『グリーンマイル』(1999)はハッピーエンドで終わります。
最終的に無罪であるジョンは死刑されてしまいました。
このシーンからバッドエンドだと感じる人はいるでしょうが、死刑の2日前ジョンは死にたがっています。
世の中の悪い感情が理解できないジョンは、その事実に対して恐れと苦しみを感じていました。
このことからジョンに関してはハッピーエンドです。
また、ポールに関しても賛否両論あるでしょうが、寿命が伸びているのはジョンからの贈り物だと考えられます。
ポールのその後や感情については、多く語られていませんがミスタージングルスと一緒にこれからいろいろな経験ができるのは間違いないでしょう。
『グリーンマイル』(1999)の主題とは?
『グリーンマイル』(1999)の主題は生命や死でしょう。
具体的にはタイトルであるグリーンマイル、つまり生から死の間の物語です。
死刑囚は自分の死ぬ日を知りながら、死ぬまで牢獄で過ごします。
それを主人公ポールは看守長として見守る役目があり、数多くのグリーンマイルの人生を見てきました。
ポールはジョンから生命を与えられたことにより、気づいたことがあるのではないでしょうか。
ポールはラストシーンで、囚人ではないものの自分は今グリーンマイルに立っていると表現しています。
本作品は死という期限がある人がメインで描かれていますが、人生は常に生から死への道。
私たちは常に生きている時点で、グリーンマイルに立っているということを表現したかったのではないでしょうか。
【なぜ?】『グリーンマイル』(1999)の疑問を解説

処刑前のジョン© 2012 Getty Images - Image courtesy
『グリーンマイル』(1999)のネズミは本物?ミスタージングルスの最後も解説
『グリーンマイル』(1999)のネズミであるミスタージングルス役は、本物のネズミを使っています。
CGほとんど使用されていません。
本作品を制作するにあたって、ミスタージングルス役のネズミは30匹近くいるそうです。
ミスタージングルスはデールの処刑のときに、ジョンから力を分け与えられていました。
最後ではミスタージングルスは年老いたポールに世話をしてもらっていて、60年経った時でも生きています。
ジョン・コーフィの持つ不思議な力、超能力について解説
ジョン・コーフィには不思議な力がいくつかあります。
病気や怪我を治す力
ポールの尿路感染症やパーシーに踏まれたミスタージングルスの怪我、ハルの奥さんの脳腫瘍を治しました。
治したあとは、ジョンの口から黒い虫のような粒子が出てきます。
予知する力
尿路感染症のポールに向かって、ウィリアムが股間を蹴ることを予期したのか、ウィリアムが入所してくる際に気をつけるようにポールに行っています。
また、ハルの奥さんを助けるときも、計画を話していないのになにをするのかわかっていました。
他人に気持ちを感じる、自分のイメージを与える力
ウィリアムに触れられたジョンは感情を読み取って、悪い人だと感じることができました。
ポールに触れたときは逆の反応をしています。
また、ポールに自分が持っているイメージを送ることで、ジョンが濡れ衣を着せられている犯罪の真犯人をイメージで伝えました。
人に悪いものを移す力
黒い粒子を溜め込むことで、相手の体内に入れることもできます。
ジョンはハルの奥さんを治したときの粒子を、パーシーの体内に入れました。
パーシーはその後ボーッとして精神病院に入り、そのさいにはウィルアムを銃殺しています。
ジョンは悪いやつだから報いを受けたと、そうなることがわかっていて意図的に行っていました。
人に生命の力を与える力
ポールとミスタージングルスは60年経った今でも生きています。
ポールはジョンに触れたさいに生命を与えられたと表現しており、実際にミスタージングルスは余命2年に対して60年近く過ぎていました。
トラウマ必至の死刑失敗、乾いたスポンジを使った電気椅子
トラウマになったという声も多い、乾いたスポンジを使った電気椅子の処刑シーン。
これはデールの処刑のときに、パーシーがわざとスポンジに水を濡らさずに処刑を行ったことにより、なかなか命を落とすことがなく、火が上がるまでの残酷な刑になったシーンです。
実は乾いたスポンジを使った例ではありませんが、このシーンに近い事件が実際にもありました。
1983年にアメリカで行われた電気椅子の死刑で、電極がショートしたせいで電圧が足りず脳が焦げて、人体から火が上がるまでの死刑になったそうです。
怖い無慈悲な看守・ブロックパーシー・ウェットモアの涙している?
パーシーは本作品で処刑の際にデールがすぐに死なないように、乾いたスポンジを使ったりミスタージングルスを足で踏みつぶしたリと、さまざまな無慈悲な行動をしました。
本作品では怖い役でしたが、演じた俳優はとても若いことが有名です。
俳優はダグ・ハッチソンというアメリカの俳優で、『アイ・アム・サム』(2001)など有名な映画にも出演しています。
本作品では、性格が悪く臆病者という人として最低な役を演じきっていることにより、物語が抑揚あるものにしてくれました。
『グリーンマイル』(1999)の原題・タイトルの意味とは?
グリーンマイルとはポールが働いていた囚人練から電気椅子までの通路の名称です。
その通路の床が、緑色だったことから名付けられました。
電気椅子までの道、つまり「死ぬまでの道」という解釈もできます。
本作品では、ジョンは何人もの死刑囚のグリーンマイルを目の当たりにし、最後には自分のグリーンマイルを歩み始めました。
このことから本作品のタイトルにふさわしい名称といえるでしょう。
『グリーンマイル』(1999)の最後は? ラストシーンや結末を解説

ネズミのミスタージングルス© 2012 Getty Images - Image courtesy
『グリーンマイル』(1999)の結末・ラストシーン
『グリーンマイル』(1999)のラストシーンについて解説します。
ジョンの無実を知りながら、ポールはどうすることもできずにジョンの死刑は執行されてしまいます。
ポールはジョンの話を女性にしていましたが、女性は信じることができません。
話の証拠として女性を小屋に連れて行き、ミスタージングルスをみせます。
ポールから力の一部を与えられたことで、ミスタージングルスはあれから60年生きていて、ポール自身も108歳でした。
『グリーンマイル』(1999)のその後は?
『グリーンマイル』(1999)の登場人物はポールとミスタージングルス以外は死んでいます。
では、ポールはいつまで生き続けるのでしょうか。
ネズミであるミスタージングルスは、60年たっても生き続けています。
ネズミの寿命が約2年、そして人間の寿命が79歳だとすると、最低でも2370歳まで生きる可能性がある計算です。
体は老いていくので、もしかしたら植物状態に近い形になるのかもしれませんが、ほぼ永久の命に近いのは間違いないでしょう。
108歳のいまでも生きることにポールは苦しんでいるのに、これ以上生きるのはポールにとっては酷なことですね。
『グリーンマイル』(1999)の最後の解釈と考察
ラストシーンでジョンから力を与えられた解釈について考察します。
ミスタージングルスとポールはションから生命が伸びる力を与えられたことにより、死ぬことができず長寿になりました。
作中ではこれがジョンからの贈り物なのか、それともジョンの処刑を止めることができなかった罪なのかという語りで終わります。
ポールは生きているのが辛いと作中語られていますが、これはジョンからの贈り物だと考えられるでしょう。
なぜなら、ジョンはミスタージングルス、ポール共に病気を治したり、怪我を治しているので、好意的に思っています。
それなのに罪を与えるのは話の筋から考えられません。
また、ポールはジョンを使って上司の奥さんの腫瘍を取り除くなど、人を救うような動きをします。
ジョンはその姿を見てかなり信頼をしているようでした。
ポールにジョンは世界を良くしてもらいたいという、期待も込められていたのかもしれません。
【レビュー】『グリーンマイル』(1999)の評価・評判

粒子を吐き出すジョン© 2012 Getty Images - Image courtesy
【つまらない?】低評価のレビュー
良い評価している人も、電気椅子のシーンはショッキングでトラウマになったという方は多くいました。
また本作品の構成についてジョンが死刑されてから、ポールの話が長くいらなかったというコメントもあります。
私も同じくラストのポールの話は長いと思いましたが、語りベースで物語が進むので必要な演出だったのかもしれません。
また、電気椅子のシーンはたしかにトラウマですが、あえて中途半端ではなくショッキングな要素もしっかり映したことで、ジョンのラストシーンが涙なしでは観られないシーンになったのではないでしょうか。
【面白い?】高評価のレビュー
本作品の上映時間に関して、観たらあっという間だったというコメントが多くありました。
物語の進行も基本刑務所で行われるので、あまり映像自体は代わり映えしないのですが、コメディの要素などが途中に挟まれているので、テンポもよく引きつけられる作品でした。
『グリーンマイル』(1999)の総合評価:人生で一番早い188分が体験できる映画

グリーンマイルを歩くジョン© 2012 Getty Images - Image courtesy
不思議な力を持つ死刑囚が起こす奇跡を、体験した看守長を描いた感動の作品『グリーンマイル』(1999)。
本作品は3時間の長編作品ですが、テンポよく物語が進んでいくので、ラストシーンまであっという間に過ぎていきます。
電気椅子の処刑シーンなどショッキングな映像も流れますが、優しい気持ちやほっこりする体験も描かれているので、美しいシーンも多いです。
ショッキングな映像が苦手な方は、最悪処刑シーンは目を瞑っても物語自体は楽しめるでしょう。
気になった方は、ぜひご覧になってみてください。
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