
映画ファンではなくとも一度は観たことがある言わずと知れた名作『タイタニック』(1997)。
本作は、Filmarksの映画レビューサイトでは、7000近い数のレビューでも平均評価4.0という、珍しいほどの高評価を獲得しています。
主演を務めたレオナルド・ディカプリオを一気に世界的大スターにのし上げた、悲しい結末の実話。
決してハッピーエンドとはいえない本作がなぜ世間に受け入れられ、興行的に大成功をおさめ、大ヒット作品になったのか。
本作の成功の要因をあらすじ、感想を交えながらネタバレと共に、ご紹介していきます。
目次
『タイタニック』(1997)の作品情報とキャスト
作品情報
製作国:アメリカ
製作総指揮:レイ・サンキーニ
上映時間:194分
ジャンル:ドラマ、ラブロマンス
監督とキャスト
監督・脚本:ジェームズ・キャメロン
代表作:『アバター』(2009)『ターミネーター2』(1991)
出演者:レオナルド・ディカプリオ/吹替:松田洋治(ジャック・ドーソン)
代表作:『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)『ディパーテッド』(2006)『華麗なるギャツビー』(2013)
出演者:ケイト・ウィンスレット/吹替:日野由利加(ローズ・デウィット・ブケイター)
代表作:『エターナル・サンシャイン』(2004)『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』(2003)
『タイタニック』(1997)のあらすじ
1996年、史上最大の豪華客船タイタニック号が沈没してから84年が経過し、深海から金庫が発見される。
「船と共に沈んだ世界最高峰の宝石が収められているんじゃないか」と調査員達は期待に胸が高鳴る。
しかし、金庫を開けて出てきたのは、裸体女性をスケッチした紙切れだけだった。
調査員達は気落ちするものの、この報道をテレビで見た100歳を超える老女が「その絵のモデルは私」と名乗り出る。
そしてローズと名乗る老女のタイタニック号の思い出の全てを語っていく。
1912年、イギリスのサウサンプトン港からニューヨークに向けて、タイタニック号が出航する。
様々な身分や立場の人々が次々に船に乗り込んで来る中、上流階級の娘のローズだけは仏頂面で乗船。
実家の経済的な事情により、身売りの形で好きでもない相手とニューヨークで政略結婚をすることになっていたのだ。
航海の旅の最中、彼女は船から夜の海に飛び込み自殺を試みる。
しかし、たまたまそこ居合わせた、船の最下位の部屋に泊まる貧しい絵かきのジャックに寸前で助けられる。
その後ジャックと交流を持つようになったローズは、彼に様々なこちを教えられ生きる活力を取り戻し、ジャックと深い恋に落ちた。
とはいえ彼女は婚約者がいる身、二人の恋愛は船内の関係者に波紋を招き、ごたごたが始まる。
そんな時、多くの乗客を乗せるタイタニック号が氷山に衝突してしまう……。
『タイタニック』(1997)の3つの見どころ
この映画の感心すべき点は、タイタニック号が一瞬たりとも”ニセモノ”に見えないことです。
また船内内部の設備や装飾、人々の衣装や振る舞い、話し方すらも当時のものにこだわり抜いています。
徹底してリアルさに追求したことは、それまでのハリウッドが作るパニック恐怖映画、特撮映画にはあまりないものでした。
さらに主役のカップルの描き方のみならず、脇役達の個性や魅力を丁寧に描いたことで、映画に深みと重厚さをもたらしました。
主役のジャックとローズのラブロマンスを中心として描くことは、ロミオとジュリエットさながらの身分違いの恋。
そして、二人を待ち構える悲劇。
これによって涙なしでは観られません。
見どころ①:リアルなタイタニック号再現
リアリティを追求のため、CGに頼りきらず実物大のタイタニックのセットを建造しましたが、撮影用の船は右舷側(スターボード・サイド)しか造れませんでした。
そこで、サウサンプトン出港時の史実では左舷側(ポート・サイド)を接岸していたため、文字を逆さまにするなど、知恵を絞り細かい気配りに務めました。
その結果、映像的には迫力溢れる本物のタイタニック号が蘇ったように感じ、最後の悲しい沈没のインパクトが強く残りました。
これがあからさまにおもちゃや模型の船にしか見えず、チープな内装であったならば、どうだったか。
間違いなく船が夜の深海に消えていくシーンに観客が受ける衝撃は、大したものにならなかったことでしょう。
言葉を失い呆然とし、号泣することは無かったはず。
見どころ②:ジェームズ・キャメロン監督のこだわり
それまでのジェームズ・キャメロン監督といえば『ターミネーター』(1984)、『ランボー/怒りの脱出』(1985)、そして『エイリアン2』(1986)など数々の名作を手掛けています。
どれも大ヒットした大作ですが、いずれも娯楽要素が強い、いわゆる若者が好みそうな作品ばかりです。
しかし本作は、ハリウッド娯楽映画を敬遠する層やシニア世代、インテリ層達も劇場に足を運ばせのは、何故なのでしょうか。
キャメロン監督自身が徹底的にタイタニックの歴史やタイタニック号そのものについて勉強したことがその要因だと思います。
歴史学者の監修も入れ徹底的に映像的にもストーリー的にもリアルさを追求しました。
監督はさらに画面に映る登場人物全員にパーフェクトを求め、エキストラにまで細かい演技指導を施させたといいます。
そして俳優達に当時の衣装髪型、話し方を徹底させ、全てにおいてパーフェクトな再現とリアリティを心がけました。
脇役である乗船員、三等客室、一等客室の乗客達の様々な繊細な心情と覚悟も丹念に描きました。
結果、キャメロン監督のこだわりによって、タイタニックという豪華客船だけという閉鎖空間で展開する物語にも関わらず、多くの観客に共感を抱かせることに成功しました。
それまでのパニック映画といえば、主役以外はただキャーキャー騒いで逃げ回るだけが多かったことを思えば、『タイタニック』の円熟した完成度は目が見張るばかりといえます。
見どころ③:盛り上がるロマンチックな恋愛要素
船が沈むというハラハラドキドキとする中に、若い男女の身分違いの純愛を描いたことは、映画そのものの話にバランスが取れたといえるでしょう。
しかも非常に印象的な独特の恋愛シーンをうまく作り出した功績も大きいです。
その最もたるものが、夕日をバックに、船首でローズが両手を横に広げ、ジャックが後ろから支えるという名シーン。
"I'm flying, Jack!!"(私、飛んでるわ、ジャック!!)という名台詞と、この時に流れるセリーヌ・ディオンが歌う本作の主題歌「マイ・ハート・ ウィル・ゴー・オン」がこれまた雰囲気を盛り上げます。
よくよく思えば、1912年が舞台の映画になぜセリーヌ・ディオン?当時のディテールに徹底的にこだわった映画ならば、昔の歌を使えば良かったんじゃないでしょうか。
しかしこのシーンはタイタニック号の輝かしさと、若い男女の希望と未来の象徴です。
ちなみに言うまでもなく、その後この名シーンと名台詞を多くのメディアでパロディー化され、様々な場所で真似をするカップルが世界中で出現しました。
『タイタニック』(1997)の当時の評判は?
感想について書いていく前に、『タイタニック』(1997)の当時の評判について説明していきます。
映画『タイタニック』(1997)が、アメリカで公開されたのは、1997年12月19日、日本では同年の12月20日。
「クリスマスシーズンに実話をベースにした悲劇映画を」
なんでまたわざわざ公開するのか」
「いまさらタイタニック号なんて」
と決して好意的な前評判ばかりではありませんでした。
しかし、いざ蓋を開けてみれば全世界で18億3500万ドルという驚異的な興行成績を上げました。
批評家達には「映画史上最高の作品」「世紀の大作」と評され、映画『タイタニック』ブームは社会現象になりました。
「『スターウォーズ』(1978年)の初公開の再来」といわれるほど世の中に衝撃と感動をもたらしました。
その結果、1998年のアカデミー賞において作品賞、監督賞、撮影賞など11部門受賞。
この記録は、歴代世界興収記録を塗り替えてギネスブックに名を刻みました。
そんな賞賛を数多く受けた本作の感想を書いていきます。
『タイタニック』(1997)の感想
映画が大ヒットした理由は、タイタニック号のリアルさの再現と、こだわった当時の時代の全ての再現そして重厚な台本とレベルの高い役者達のおかげです。
しかし他にも大成功のをさせる緻密な計算があったのではないでしょうか。
その要素を列挙してみると、
・主役の魅力
・主題歌の存在
・物語の最後が明るさ
などが挙げられます。
計算されている主役の魅力
ジャックを演じた若きレオナルド・ディカプリオは端正な顔立ちで線が細く、控えめな色気と品性がありました。
これがもしワイルド系の俳優がジャックを演じていたら、婚約者のいるイギリス人のお嬢さんを横から奪っただけの粗野で下品な青年に見えていたかもしれません。
ローズ役のケイト・ウィンスレットから初々しさとひたむきさが感じられました。
また二人の間は確かにケミストリーが感じられました。ディカプリオとウィンスレットのコンビだったからこそ、美しいラブロマンスとなったのでしょう。
主題歌の存在感
そしてセリーヌ・ディオンの歌う主題歌「マイ・ハート・ ウィル・ゴー・オン/My Heart Will Go On」は世界的に爆発的ヒットとなり、ビルボード・ホット100エアプレイでは10週間連続1位を記録。
映画の興行的な成功に加え、楽曲そのもののクオリティが高く、世界中のチャートトップを独走。
実際「マイ・ハート・ ウィル・ゴー・オン/My Heart Will Go On」を聴いてから、「タイタニック」の映画を観るために映画館に足を運ぶ人々も大勢いました。
本作の主題歌は間違いなく映画の興行成績に大きく貢献しています。
ちなみに「マイ・ハート・ ウィル・ゴー・オン/My Heart Will Go On」=私の心は生き続けるという意味。
本作の物語にもマッチした歌詞となっていて、本楽曲は、アカデミー歌曲賞を受賞しました。
感動的なエンディング
物語のエンディングが感動的な形になっていることは見事しか言いようがありません。
この記事のあらすじに「船の運命は」と書きましたが、あまりにも世界的に有名な歴史事件なので、タイタニックが沈むことは既に誰もが知っています。
結論が知られている、この事件の悲惨さを誰もが知っている。
理屈ではブームになることが難しいように思えるネガティブな内容の映画にも関わらず、実際は大ヒット映画になりました。
それはなぜなのか。
・タイタニック沈没時で終了させず、その後幸せに逞しく生き抜いたローズを紹介したことによって、単なる悲劇の物語で片付けなかった。
・100歳以上生き延びたローズに、観客は「救い」「希望」「感動」を見出すことができた。
これが良かったのでしょう。間違いなく計算尽くされた脚本であったのではないでしょうか。
『タイタニック』(1997)の惜しい点
超がつく大ヒットハリウッド映画にケチをつけるのもなんですが、あえて言わせてもらえば残念というより惜しい点は3つあります。
・物語のキーワードになるダイヤモンドが、いまひとつパッとしない
・ローズの体型が少々ふっくらしすぎ
・一部の人々にとって生々しいすぎる題材
上記の3点について順番に説明していきます。
惜しい点①:チープな印象のダイヤモンド
この映画の物語の要となるのは“碧洋のハート”のダイヤモンドです。
「希少価値の高いダイヤモンドがタイタニックと共に沈没したらしい」ということで1996年に調査員達が深海へと向かっていきます。
そして“碧洋のハート”の持ち主だった100歳を超えた老女ローズが現れ、タイタニックの話を語り始める。
“碧洋のハート”はジャックとローズの恋愛の象徴でもあったのです。
しかし、どうにもこうにもこのダイヤモンドが安っぽいのです。
「おお」と目を見張るような神秘さ高貴さ神々しさに欠けているように思えました。
惜しい点②:ヒロインがぽっちゃり!?
敢えて言葉を選ばずにいうとヒロインのローズが太いです。
船が沈没してジャックとローズは海に浮いていた船の部品板にしがみつきますが、2人の体重では耐えきれそうにありません。
そこで、それに亀裂が入る前にジャックは自ら手を離し、彼女を助けるために深い海の中に沈んでいくという感動のシーン。
公開当時、シビアな観客が多いヨーロッパやカナダでは「ローズが痩せていれば、ジャックも助かった」という皮肉も寄せられました。
半分ジョークのブーイングとはいえ、ローズを演じたケイト・ウィンスレットの体型が気になったということでしょう。
惜しい点③:生々しいトラウマが蘇る
公開年の1997年には、リアルタイムでタイタニック号沈没のニュースを見ていた高齢者もまだ生存していました。
「当時の悲惨なニュースを思い出す、辛くて映画を観られない」
「テレビで映画『タイタニック』の宣伝を流されるのが苦痛」
という声が欧米の国々ではいくつかあったといいます。
歴史的な大惨事をどのタイミングでどのように映画化するのか、トラウマを抱えている人々へのフラッシュバックやトラウマ問題はどうするのかは非常に繊細で難しい問題といえるでしょう。
『タイタニック』(1997)感想まとめ
現代の人々が初めて観ると「なぜ公開当時そんなに大絶賛されたのか」と疑問に思うかもしれません。
しかし『タイタニック』は本当の真剣な恋と魂、そして生きることの意味を見事に描いた作品です。
激しく美しい恋愛に触れたい時、またタイタニック号の沈没という悲惨な史実を学ぶ意味でも本作を観て欲しいと思います。
鑑賞の際は、大画面がおすすめです!
ちなみに、私はこの映画を見て、「三等客室よりも多少無理をしても一等客室に泊まりたい」と、三等室客達が救助後回しにされている場面を見て、心底そう思いました……。
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