上下の黒いスーツに、サングラス、ガジェットを持ち歩く人たちといえば、映画ファンには、お馴染みのメン・イン・ブラック(MIB)。
シリーズ興行収入は世界で15億ドルを超える大ヒット作品であり、過去に3作品製作されています。
これだけの人気シリーズの続編ともいえる4作目ということで、ファンの期待度は跳ね上がっていました。
中には「吹き替えがひどい」というマイナスな評価も見受けられますが、実際のところどうなのでしょうか?
『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)の感想と解説、評価についてネタバレありで書いていきます。
目次
- 1 『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)の作品情報とキャスト
- 2 『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)のあらすじ
- 3 『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)の3つの見どころ
- 4 【ネタバレあり】『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)の感想
- 5 『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)の過去作へのリスペクト
- 6 【ネタバレあり】『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)の評価は?
- 7 【ネタバレあり】『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)の主題とは?
- 8 『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)のまとめ
『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)の作品情報とキャスト
作品情報
原題:Men in Black International
製作年:2019年
製作国:アメリカ
上映時間:115分
ジャンル:SF、アクション
監督とキャスト
監督: F・ゲイリー・グレイ
代表作:『ミニミニ大作戦』(2003)『ストレイト・アウタ・コンプトン』(2015)
出演者:クリス・ヘムズワース/吹替:杉田智和(エージェントH)
代表作:『マイティ・ソー』(2011)『アベンジャーズ』(2012)
出演者:テッサ・トンプソン/吹替:今田美桜(エージェントM)
代表作:『アナイアレイション -全滅領域-』(2017)『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)
出演者:リーアム・ニーソン/吹替:磯部勉(エージェント ハイT)
代表作:『バスターのバラード』(2018)『96時間』(2008)
『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)のあらすじ

エージェントMとエージェントH:© 2019 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.
NYに本部を置く最高機密機関「メン・イン・ブラック」(MIB)。所属するエージェントたちは、ブラック・スーツとサングラスに身を包み、地球に生息するエイリアンが犯罪や侵略行為を行わないように取り締まっている。
エリート新人女性エージェントM(テッサ・トンプソン)は、エージェントOに命じられロンドンへ。
ロンドン支部での初ミッションは、MIB内部に潜伏するスパイを摘発すること。
上司のハイT(リーアム・ニーソン)の司令に従い、イケメンチャラ男だが、敏腕のエージェントH(クリス・ヘムズワース)とチームを組み捜査を始めるのだった。
『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)の3つの見どころ

対エイリアン用の武器を使うHとM:© 2019 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.
メン・イン・ブラックの仕事は、地球にやってくるエイリアンを管轄し、人間とエイリアンの生活に支障が無いように統制することです。
どれもトミー・リー・ジョーンズが演じる捜査官エージェントKとウィル・スミスが演じるエージェントJのバディムービーとなっていました。
『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)の見どころを3点紹介していきます。
鑑賞する際は、意識すると一層楽しめるはずです。
見どころ①:ガジェットの造形美
これまでのシリーズでも登場してきたニューラライザーや、予告編にもあったホバーバイクを初めとした対エイリアン用の武器が次々に使用されます。
そして、極め付けは星を一つ破壊する最強の武器!
銀色に輝くガジェットの数々にテンション上がること間違いなしです。
見どころ②:過去作へのリスペクト
『メン・イン・ブラック』シリーズそのものが多くのファンがいる大人気作品ということで、随所に過去作へのリスペクトを感じるシーンがあります。
監督は変更されましたが、プロデューサーはこれまでのシリーズに携わってきた人物ということも関係しているかもしれません。
見どころ③:テンポ良く進むストーリー
『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)の魅力として一番評価できるのがストーリーのテンポ。
とんとん拍子に進むストーリーは、頭を使う要素を削ぎ落とし、アクションや派手さに注力した展開です。
これが本作の最大の見どころといっても過言ではないでしょう。
【ネタバレあり】『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)の感想

エージェントHとハイt:© 2019 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.
これまでの『メン・イン・ブラック』シリーズを全て視聴し、新たなコンビで再度製作された本作は期待と不安を入り混じった感情で、公開を待っていました。
というのもこれまでのシリーズが非の打ち所のない傑作であり、主演のウィルスミス演じるエージェントJ、トミーリージョーンズ演じるエージェントKが最高すぎたからです。
メン・イン・ブラックは1,2だけでも満足。
それから10年ぶりに製作された続編『メン・イン・ブラック3』(2012)は「蛇足ではないだろうか」という予想に反して高評価。
正直ファンの心理としては「歴代のシリーズを越えられるのだろうか?」と思っていました。
このことを前提としたうえで、本作の感想を書いていきます。
MIBである必要性を感じない
まず、結論から言って、『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)が歴代のシリーズを越えることはありませんでした。
最大の原因は、メンインブラックである必要性を感じなかったからです。
MIBは自らスカウト制という組織の伝統となるルールを破り、テッサ・トンプソン演じるMを組織に入社させることになるのですが、完璧すぎる彼女は、新人ならではの愛嬌や誰もが認めてあげたくなる素質は皆無。
Jが入社試験で魅せたような型破りな行動も何もありません。
彼女を応援したくなる唯一のエピソードとなるのが、「20年間、組織を追い求めてきた」という熱意。
熱意は確かに認めますが「特例を許してしまうほど緩い組織だったのか」と落胆。
20年間1つのことに向けて努力をしている人は確かにすごいですが、正直そういう人は探せば結構居ます。
堅いしきたりに守られた組織であれば、このような特例を許すはずも無く、組織に落ち度がある失態を正当化しているようにすら思えました。
周囲に目撃者が居ないかどうかの確認が疎か過ぎて、人間社会から存在を消すというMIBのポリシーから程遠い印象を受けます。
この点に関しては、シリーズを愛してきた観客が新人エージェントとなるMの試験官であり、彼女の素質を見ているように自然となってしまうので、もっと感情移入、応援したくなるエピソードや行動を見せて欲しかったです。
シリーズを知らなかったとしても主人公の挫折や努力が見せられないことには、感情移入も何も無いと思いました。
ストーリー説明の欠如が凄まじい
本作を視聴した後は、山のような数の「なぜ?」「なんで?」の疑問符が湧き出てきます。
もはやつっこみ始めたらキリが無いほどですが、特に気になったものが登場人物。
核となる人物であるMについては前述の通りですが、バディを組むことになるクリス・ヘムズワース演じるエージェントHも上司のリーアム・ニーソン演じるハイTのバッググラウンドの説明も皆無。
彼らがどのような人物で、なぜ慕われるのか、MIBという組織との関わりなどの説明が限りなく少ないため、彼らのことも応援する気にもなれません。
HもハイTも序盤で映したヒドラを倒した功績は「地球を滅ぼす危機」という想像しがたい内容にも関わらず、説明が全くされていないので、他人事のように思えて仕方がないです。
疑問点はまだ尽きず、Hの良いところが本編終了まで1つもなく、新人で右も左も分からない研修期間中であるはずの新人Mが全てを1人で解決。
さらに、キャッチコピーにもなっている「地球は、ド派手に裏切られる!」というのも全くのうそで、途中で80%以上の人がハイTの裏切りに気づくように撮られていたことも疑問。
前述の通りハイTの人物背景に迫っていないので驚きもなしです。
「へぇ~、やっぱりそうなんだ」くらいの他人事にしか感じない構造が非常に勿体無くもあり、過去のシリーズを愛する身としては悲しくて仕方ありません。
他にも本作で、残念だった点や理解しにくかった点を整理しました。
・特例を簡単に認めてしまう
・新人に事件の全てを解決させる
・組織内部に敵がいることに気づかない管理体制の甘さ
・いきなり仲間に加わるポーニィ
・HとハイTの見せ場が一切なし
MIBは洗練された組織だと思っていたからこそ上記の全ての点に心底落胆しました。
主演俳優を楽しむならアリ
ここまで良いところなしで、本作の感想を述べてきましたが、主演俳優を目的として、全くのこれまでのMIBを期待せずに観るなら楽しめるのではないかと思いました。
クリス・ヘムズワース、テッサ・トンプソン、リーアム・ニーソンという豪華キャストの掛け合いは一見の価値ありです。
ヴァルキリーとソーがバディを汲んで共闘していく姿はMCUファンには嬉しいのではないでしょうか。
また、登場人物の背景、ストーリーの根幹を担う説明がほぼ皆無のまま進行していくので、テンポが非常に良かったです。
そして、エイリアンのグロテスクさも、過酷過ぎるミッションで命を落とすようなことも無いので、シリーズとしての持ち味は消え失せたものの、ファミリーで楽しめるポップコーンムービーとして転化しているように思いました。
『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)の過去作へのリスペクト

MIBの移動手段となる乗り物:© 2019 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.
他にもこれまでのシリーズのリスペクトを感じさせるシーンが随所に盛り込まれていたことは良かったです。
私が見つけた部分は下記の3つの通り。
リスペクト①:これまでのシリーズにも登場したキャラクターの登場
メンインブラックシリーズに登場してきた毒舌とお調子者なキャラクターが魅力の喋るパグ、フランクが登場したこと。
他にも喧嘩腰だけど、頼れる情報綱である3匹のエイリアンも登場したことなどは良かったです。
これは確実にいえることではないですが、エージェントMが触れた瞬間に散らばってしまった獣のようなエイリアンはMIB2で登場した地球を壊滅させかねないスーパーボールのような暴れ玉に近い印象を受けました。
リスペクト②:シリーズの出来事が伝説として記録
ハイTの部屋にある偉大な功績として額縁に飾ってある写真には、エージェントKとエージェントJが死闘を繰り広げたエイリアンのバグとの戦いの模様がありました。
ゴキブリ似のエイリアンであるバグは『メン・イン・ブラック』(1997)に登場したラスボスで同族のゴキブリを殺されることに激怒するという特徴があります。
リスペクト③:大物ゲストのカメオ出演
MIBといえば大物ゲストのカメオ出演しています。
これまでもマイケル・ジャクソン、レディー・ガガ、ジャスティン・ビーバー、ビル・ゲイツなどがカメオ出演。
本作では、下記の人物が出演しています。
・アリアナ・グランデ
・J・J・エイブラムス
・ドナルド・グローヴァー
日本語版では下記の通り。
・今田美桜
・主題歌も担当している吉本坂46のメンバー全員
吹き替え版の賛否はさておき、このようにこれまでのシリーズの要素を本作でも受け継いでるというのは良い点だったと感じます。
【ネタバレあり】『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)の評価は?

エージェントHとエージェントM:© 2019 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.
多数を占めた低評価の意見
「メン・イン・ブラックを期待してみると裏切られます」など期待外れというレビューが多数を占めています。
Rotten Tomatoesの批評家からの評価は100%中で23%支持するという評価です。
非常に辛口な評価ですが、これまでのシリーズと比較すると妥当な点数とも言えるかもしれません。
しかし、日本の大手映画レビューサイトFilmarksでは5点満点中3.4点と奮闘。
それでは本作の高評価の意見はどのようになっているのか見ていきます。
高評価の意見を紹介
Filmarksでは、SFのガジェットや出演者を評価する声が多数見受けられました。
様々なレビューを見ても「内容はさておき、SF感や出演者の活躍が見れただけでも満足」という意見が多数を占めています。
ポップコーンムービーを期待して観るのが正解かもしれません。
【ネタバレあり】『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)の主題とは?

エージェントMとエージェントH:© 2019 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.
監督は「これまでのメンインブラックに新しい仲間が加わったという気持ちで観てほしい」と述べていました。
なので、既存のシリーズとしのて路線を活かしつつ、新しい物語として展開していくという狙いがあったのでしょうが、完全に失策という印象を受けました。
現代的なメッセージとしての男女平等も本編中に強調されすぎていて逆効果です。
メン・イン・ブラックという名前が女性差別を助長しているように感じるというのも過剰過ぎるし、そんなに気に留めていないと思うので、一回触れれば十分。
具体的にはエージェントMとエージェントOとのやり取りで一度、「メン・イン・ブラックというネーミングには抗議をした」と言っていたのでもうそれ以降は触れなくて良かったと思います。
男女平等を表現する描写があまりに過剰過ぎて「もう誰も気にしてないから」と逆に不快感すら覚えました。
コメディ要素としても、バディムービーとしても男女平等のような社会的テーマへの言及のどれを取っても中途半端と言われて仕方ないでしょう。
『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019)のまとめ

エージェントMとエージェントH:© 2019 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.
今後続編あるかは分からないけれど、完全にいままでのメンインブラックではない別の物語だということを前提にしないと期待を大きく裏切られます。
テッサとクリスが今後どのように事件を解決し、コンビネーションを魅せてくれるのかということに期待です。
これまでのシリーズのおさらいはこちらをご覧ください。
https://minority-hero.com/cinema_recommend/MEN+IN+BLACK/3409/
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