
『パルプ・フィクション』(1994)は時系列がバラバラないくつかの短編ストーリーが絡み合う、ギャングを描いた映画です。
監督・脚本はクエンティン・タランティーノ。
本作はアカデミー賞で7部門にノミネートされ、脚本賞を受賞。
さらにカンヌ国際映画祭ではパルム・ドールを受賞しました。
なぜ本作はそれほど評価される映画になったのでしょうか。面白いところはどこなのでしょうか。
クエンティン・タランティーノの見事な脚本・構成が光った『パルプ・フィクション』(1994)について、感想、作品の魅力をネタバレを交えて紹介していきます!
【『パルプ・フィクション』(1994)の評価】
項目 | 評価 | 点数 |
知名度 | ★★★★★ | 90点 |
配役/キャスト | ★★★★★ | 90点 |
ストーリー | ★★★★☆ | 80点 |
物語の抑揚 | ★★★★☆ | 70点 |
バイオレンス | ★★★★★ | 95点 |
構成 | ★★★★★ | 95点 |
目次
『パルプ・フィクション』(1994)の作品情報
製作年 | 1994年 |
原題 | Pulp Fiction |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 154分 |
ジャンル | コメディ |
監督 | クエンティン・タランティーノ |
脚本 | クエンティン・タランティーノ |
主要キャスト | ジョン・トラボルタ(ヴィンセント・ベガ)/ 日本語吹替:鈴置洋孝
サミュエル・L・ジャクソン(ジュールス・ウィンフィールド)/ 日本語吹替:大塚明夫 ブルース・ウィリス(ブッチ・クーリッジ)/ 日本語吹替:山寺宏一 ユマ・サーマン(ミア・ウォレス)/日本語吹替:勝生真沙子 |
『パルプ・フィクション』(1994)の概要

ヴィンセントとミア:ⓒMiramax
とあるレストランで柄の悪いカップル、パンプキンとハニー・バニーが強盗について相談していた。
パンプキンはこのレストランで強盗しようとハニー・バニーに提案。
ハニー・バニーは賛成し、2人は拳銃を手に取ると、大声を上げて強盗であることをアピールする。
ギャングの2人組ヴィンセントとジュールスは話をしながら車を運転していた。
とあるマンションに着くと、トランクから銃を取り出し、建物の中に入っていく。
ヴィンセントとジュールスは組織を裏切った青年らの部屋を訪ね、銃で青年らを脅す。
『パルプ・フィクション』(1994)の感想

ヴィンセントとジュールス:ⓒMiramax
『パルプ・フィクション』(1994)の感想 見事な脚本・構成力!
『パルプ・フィクション』(1994)で脚本・監督を担当したクエンティン・タランティーノがアカデミー賞で脚本賞を受賞したように、脚本・構成が独特なセンスを光らせています。
何が見事かというと、時系列の異なるストーリーを上手く絡めて組み合わせたこと。
本作ではヴィンセントとジュールスのギャング、落ち目のボクサーであるブッチ、強盗カップルのパンプキンとハニー・バニーという、大きく分けて3つのストーリーに分かれています。
その中の時系列の異なる短編ストーリーが絡み合う構成が見事!
全体的な構成を観ても面白いですが、もちろん、それぞれの短編ストーリーも面白くなっています。
短編としても、長編としても楽しめる。
クエンティン・タランティーノの独特な脚本にハマります!
『パルプ・フィクション』(1994)の感想 センスのある音楽とセリフ
クエンティン・タランティーノの脚本の上手さは構成だけではありません。
音楽のチョイスとユニークなセリフも見どころとなっています。
オープニングの『ミザルー』から始まり、センスの光る選曲。
後半は楽曲が少なくなってしまいますが、前半は多いので注目です。
特にヴィンセントとミアが陽気な音楽に合わせてダンスするシーンは印象的で、音楽のチョイスが光った名シーンなのではないかと思います。
また、ユニークなセリフの応酬も魅力的でした。
基本的にギャング映画なので、口は悪いのですが、セリフは独特で惹きこまれます。
字幕でしか分からないのが、残念。
英語が字幕なしで理解できれば、さらに本作を楽しめるのではないでしょうか。
本作では楽曲とセリフにも注目してください!
デビュー作から才能を光らせていたタランティーノ監督のセンスを感じることができる作品『レザボア・ドッグス』(1992)の考察はこちら。
https://minority-hero.com/cinema-review/reservoir-dogs/10703/
なぜ『パルプ・フィクション』(1994)はすごいのか? 名作と言われる理由を考察

パンプキンとハニー・バニー:ⓒMiramax
『パルプ・フィクション』(1994)は名作と言われるほど評価が高いのですが、それはなぜなのでしょうか。
まずすごいのが、時系列をバラバラにした巧みな構成です。
ヴィンセントとジュールスのギャング、落ち目のボクサーであるブッチ、強盗カップルのパンプキンとハニー・バニー、これらの物語の時系列がバラバラに進行していくことで、ある物語では主人公だったものが、ある物語では脇役だったりしています。
今でこそこういった手法の映画はよくあるのですが、当時としては、かなり斬新な手法でした。
いわゆる先駆け的な映画だったわけです。
本作は様々な作品に影響を与えました。
代表的なのは、クリストファー・ノーラン監督の『メメント』(2000)、ガイ・リッチー監督の『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998)、『スナッチ』(2000)などではないでしょうか。
興味がある方はぜひ観てみてください。
この斬新な手法が評価され、本作はアカデミー賞で脚本賞、カンヌ国際映画祭ではパルム・ドール、ゴールデングローブ賞で最優秀脚本賞を受賞しました。
また、本作は遊び心たっぷりなセリフやジョーク、クセの強い音楽も評価されています。
『パルプ・フィクション』(1994)の疑問と魅力を解説

ブッチ:ⓒMiramax
『パルプ・フィクション』(1994)のタイトルの意味とは?
「パルプ・フィクション」はアメリカの三文雑誌(パルプ・マガジン)から転じて「くだらない話」「意味のない話」というような意味があります。
ちなみに「パルプ」の意味は
パルプ=1.柔らかく、湿った形状のない物体
2.質の悪い紙に印刷された扇情的な内容の出版物
という意味があります。
タランティーノ映画の特徴はどうでもいい話をダラダラするので、その特徴がタイトルに表われているのだと思います。
また、映画にはメッセージ性が込められたりするものですが、「この映画にそんなものない、ただのくだらない話だ」という意味を込めたのかもしれません。
『パルプ・フィクション』(1994)の突然のダンスシーンの意味とは?
『パルプ・フィクション』(1994)ではジョン・トラボルタ演じるヴィンセントとユマ・サーマン演じるミアがツイストダンスをする印象的なシーンがありました。
このシーンにはタランティーノの『サタデー・ナイト・フィーバー』(1977)で一世を風靡したジョン・トラボルタへのリスペクトがあると言われています。
ちなみに『サタデー・ナイト・フィーバー』(1977)は、ジョン・トラボルタの出世作であり、ダンス映画です。
ジョン・トラボルタは本作を機に再ブレイクを果たしました。
なぜ『パルプ・フィクション』(1994)の食事シーンは印象に残るのか?
『パルプ・フィクション』(1994)ではジュールスがハンバーガーを食べたり、ヴィンセントとジュールスがレストランでパンケーキを食べたりするシーンがありました。
なぜ本作の食事シーンは印象に残るのでしょうか。
きっとそれは生活感むき出しの食事だからでしょう。
ハンバーガーもパンケーキもアメリカではごく一般的な食事。
しかし、そのような外国の生活感のある食事にこそ、好奇心と食欲を刺激されるのだと思います。
逆に外国人から見れば、日本人がラーメンやおにぎりなど、生活感むき出しの食事に好奇心と食欲を刺激されているのではないでしょうか。
ジュールスが唱える聖書の一節が間違っているのはなぜ?
『パルプ・フィクション』(1994)で、ジュールスが聖書を唱えるシーンがあるのですが、間違っています。
ジュールスが劇中で唱える聖書の一節はエゼキエル書25章17節ですが、セリフの後半部分しか合っていません。
これは、監督のタランティーノが独学で映画を学んだ時に観た、千葉真一の映画『ボディガード牙』(1976)に、アメリカの供給会社が勝手に付けた文を引用したもの。
つまり、『ボディガード牙』の全米公開版の冒頭に登場する解説文を引用したというタランティーノ流のジョークだったのです。
『パルプ・フィクション』(1994)の音楽・楽曲や挿入歌を解説

ミア:ⓒMiramax
ここでは『パルプ・フィクション』(1994)を彩った楽曲について紹介していきます。
2. Royale With Cheese [Dialogue] - Jackson, Samuel L
3. Jungle Boogie - Kool & The Gang
4. Let's Stay Together - Green, Al
5. Bustin' Surfboards - Tornados
6. Lonesome Town - Nelson, Ricky
7. Son of a Preacher Man - Springfield, Dusty
8. Zed's Dead, Baby [Dialogue]/Bullwinkle Part II - Medeiros, Maria De
9. Jack Rabbit Slims Twist Contest [Dialogue]/You Never Can Tell - Hoban, Jerome Patri
10. Girl, You'll Be a Woman Soon - Urge Overkill
11. If Love Is a Red Dress (Hang Me in Rags) - McKee, Maria
12. Bring Out the Gimp [Dialogue]/Comanche - Green, Peter
13. Flowers on the Wall - Statler Borthers
14. Personality Goes a Long Way [Dialogue] - Travolta, John
15. Surf Rider - Lively Ones
16. Ezekiel [Dialogue] - Jackson, Samuel L
以上の楽曲が使用されました。
中でもMisirlou(ミザルー)は『TAXi』シリーズなど、映画に限らず様々なものに使われています。
ぜひ聴いてみてください!
サウンドトラックはこちら。
『パルプ・フィクション』(1994)の最後は? ラストシーンや結末を解説

ヴィンセントとジュールス:ⓒMiramax
『パルプ・フィクション』(1994)の最後はヴィンセントとジュールスがパンプキンとハニー・バニーの強盗を止めて、レストランを後にするというラストになっています。
しかし、本作は時系列がバラバラなので、本当のラストではありません。
このシーンは冒頭のシーンに繋がっていきます。
ラストシーンなのにラストではない。
本作、独特の最後となりました。
【レビュー】『パルプ・フィクション』(1994)の評価・評判

ブッチとファビアン:ⓒMiramax
【つまらない?】低評価のレビュー
『パルプ・フィクション』(1994)はどのような低評価レビューがあるのでしょうか。
映画レビューサイトをまとめてみると、
という低評価レビューがありました。
本作はギャングを中心にしたバイオレンス映画なので、銃をバンバン撃ちますし、死人も出ます。
ドラッグもやります。
そういった暴力的な描写が苦手な人は楽しめないかもしれません。
【面白い?】高評価のレビュー
『パルプ・フィクション』(1994)はどのような高評価レビューがあるのでしょうか。
映画レビューサイトをまとめてみると、
などの高評価がありました。
「何度観ても面白い」というレビューも多数!
タランティーノを絶賛する声もあり、タランティーノ監督の魅力が存分に詰まった作品と言えるのではないでしょうか。
日本の映画レビューサイト映画.comの点数は5点満点中3.9という高評価に。
低評価レビューがほとんどない結果となりました。
『パルプ・フィクション』(1994)の総合評価:タランティーノ監督の傑作!

ヴィンセントとミア:ⓒMiramax
タランティーノ監督の独特なセンスが光った『パルプ・フィクション』(1994)。
作品の構成やセリフ回し、楽曲が魅力的でした。
暴力的な描写が苦手な人にはおすすめできませんが、そうでない人にはぜひ観ていただきたい作品。
タランティーノ監督の独特なセンスを堪能してみてください!
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https://minority-hero.com/cinema-recommend/mafia+gang/movie/7800/
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