昭和を代表する超娯楽大作であり、未だに語り継がれる不朽の名作『大脱走』(1963)。
音楽やセリフなどで男のカッコ良さが十二分に描かれている映画です。
スティーブ・マックイーンがバイクに乗っている写真は、今も最新男性ファッション雑誌の表紙を飾るほど影響を与えています。
古い映画だからと敬遠している方にこそ、ぜひとも観て欲しい作品です。
それでは『大脱走』(1963)の魅力をあらすじ、ネタバレ、感想を交えて解説していきます。
目次
『大脱走』(1963)の作品情報とキャスト
作品情報
原題: The Great Escape
製作年:1963
製作国:アメリカ
上映時間:172分
ジャンル:冒険、ドラマ、歴史
監督とキャスト
監督: ジョン・スタージェス
代表作:『OK牧場の決斗』(1957) 『荒野の七人 』(1960)『宇宙からの脱出』(1969)
出演者: スティーブ・マックイーン/吹替:宮部昭夫、安原義人(ヒルツ)
代表作:『ブリット』(1968)『ゲッタウェイ』(1972)『タワーリング・インフェルノ』(1974)
出演者: ジェームズ・ガーナー/吹替:家弓家正、菅生隆之(ヘンドリー)
代表作:『グラン・プリ』(1966)『スペース カウボーイ』(2000)『きみに読む物語』(2004)
出演者: チャールズ・ブロンソン/吹替:大塚周夫、銀河万丈(ダニー)
代表作:『 荒野の七人 』(1960) 『さらば友よ』(1968)『レッド・サン』(1971)
『大脱走』(1963)のあらすじ

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第二次世界大戦中のドイツ、国の威信をかけて建設された『第3捕虜収容所』に、脱走を繰り返す連合国の捕虜たちが集められた。
脱走を許さない厳しい監視が行われる中、連合国の捕虜たちは、脱走のプロ『ビッグX』の下、ドイツ国内を混乱させるために、300人近くの大脱走を企てる。
収容所から森の中まで、3つのトンネルを掘ることとなり、トンネル屋、偽造屋、調達屋など脱走のプロが知恵を出し合い、敵ドイツ兵を騙しながら掘り進めていく。
はたして大脱走は成功したのか?
それとも失敗したのか?
誇り高き男たちのスリルとサスペンスの脱走劇が今始まる……!
『大脱走』(1963)の3つの見どころ

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見どころ①:チームワークで挑む大脱走
『大脱走』(1963)では、ドイツ軍の厳しい監視下、長いトンネルをバレないように掘っていきます。
そこで脱走のプロ達は、監視の目を盗みながら備品を調達し、掘った土を捨てるなど、全てを秘密裏に計画を進めていきます。
壮大な脱走計画は、連合国の捕虜すべてのチームワークによって成し遂げられていきます。
豪華オールスターが個性豊かに、監視役、ごまかし役、実行役となり、互いに連携しながら、難問をクリアしていくという展開。
その鮮やかな手口が、前半の見どころになっています。
見どころ②:息を呑む逃走シーン
『大脱走』(1963)は、収容所から脱出するだけの話ではありません。
脱走した後の、逃亡についてもそれぞれ個性的に描かれています。
自転車、飛行機、汽車、船、様々な方法で逃走する捕虜たちと追うナチスドイツ軍。
なかでも、スティーブ・マックイーンの奪ったバイクBMWでの逃走は、映画史に残る名シーンです。
見どころ③:名匠ジョン・スタージェス監督の手腕
ジョン・スタージェス監督は、アクション映画の名手です。
スティーブ・マックイーンと組むのは、『戦雲』(1959)、『荒野の七人』(1960)に続く3作目。
『大脱走』(1963)は、ジョン・スタージェス監督と主演のスティーブ・マックイーン油の乗った、息の合ったコンビによる最高傑作といえるでしょう。
【ネタバレあり】『大脱走』(1963)の感想とキャスト解説

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手に汗を握る展開の脚本
本作の感想を語る上で、欠かすことができないことが、なんといっても見事な脚本でしょう。
これだけのくせのある登場人物を、ワンシーンで見事に性格を表し、脱走の準備、実行、そして逃走後の追跡が分かりやすく描いています。
さらに長尺にも関わらず中だるみすることなく終始、手に汗を握る展開の連続です。
ユーモア溢れるエピソードの数々
本作に登場するエピソードは、どれも印象に残り、作品に厚みを与えています。
具体的なエピソードとして印象的だったことをいくつか紹介すると、
・スティーブ・マックイーン演じるヒルツは、収容所に到着した瞬間から、鉄条網の監視具合を調べて早速独房行き。
・ジェームス・ガーナーは、カモとなるドイツ兵に目星をつけ、チャールズ・ブロンソンは、ロシア捕虜に混じって逃げようとします。
このときにドイツ兵の注意を引かせるために演じるのが、「夫婦喧嘩」という芝居。
・ジェームス・コバーンが自分のコートを盗まれたと仲間内で喧嘩を始めるシーンは、見事なチームワークでワクワクしてきます。
このような作品の随所に盛り込まれるエピソードの数々が作品にユーモアを与え、終始飽きずに鑑賞する上で重要な要素となっているのでしょう。
カッコ良すぎる俳優スティーブ・マックイーン

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『大脱走』(1963)は、スティーブ・マックイーンの代表作で、その名を永遠に残した作品です。
TVドラマ『拳銃無宿』(1958)で人気が出始め、黒澤明の『七人の侍』(1954)をベースにした『荒野の七人』(1960)では拳銃の名手。
そして、ドン・シーゲル監督の『突撃隊』(1962)では、嫌われ者だが、人一倍正義感の強い男を演じていました。
まさにかっこいい役どころを次々にこなし、当時の人気はうなぎのぼりでした。
スター街道まっしぐらの時に出演したのが、本作『大脱走』(1963)。
彼の人気を不動のものにしたのが、映画史に残る名シーンであるバイクでの逃走シーン。
エルマー・バーンスタインが作曲した『大脱走マーチ』を初めとする名曲が流れるなか、スイスに向けて大草原を走る姿に憧れます。
ちなみにスティーブ・マックイーン自身、オートバイが本当に好きで、逃走シーンのほとんどを自分で運転しているそう。
大型バイクで鉄条網を飛び越える名シーンは、スティーブ・マックイーン本人がやりたがっていたけど、保険会社からNGが出て仕方なく、スタントに任されたという逸話が残っているほどです。
豪華過ぎる俳優陣の共演と解説

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他に当時の大スターが、個性豊かに出てきて見せ場を作ります。
『大脱走』(1963)に出演する俳優全てが重要人物で、見た人の好みで、ファンができてしまうことも本作の特徴です。
本作に登場する豪華過ぎる俳優陣を何人か紹介します。
男臭さNO.1チャールズ・ブロンソン

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チャールズ・ブロンソン演じるトンネル屋は、脱走で17個目のトンネルを掘っているプロでありながら、本当は暗く狭い場所が嫌いな閉所恐怖症を患った人物です。
『荒野の七人』(1960)にも出ていたブロンソンは、男臭さでは、群を抜いていました。
本作のヒットで、男性用化粧品マンダムのCMに起用され、日本でも大人気となりました。
『刑事コロンボ/別れのワイン』(1973)ドナルド・プレザンス

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印象的なのが、ドナルド・プレザンスの偽造屋。
偵察写真の分析などをしていた優しい技術屋が、誤って落とされ捕虜になったという役ですが、実際プレザンス自身、第二次大戦中に捕虜になり、ドイツの収容所に収監されていたという人物。
『大脱走』(1963)で有名になった後には、『007は二度死ぬ』(1967)でスペクターの首領ブロフェルドを演じ、『ミクロ決死圏』(1966)の博士、そして『刑事コロンボ/別れのワイン』(1973)でワイン醸造家という名演を見せてくれました。
彼が偽造のために使うカメラを「35ミリ、F2.8 フォーカルプレーンシャッター」という言葉は、子供ながらにカメラにそのような機能を表す言葉があるんだと知るきっかけになりました。
アカデミー監督 リチャード・アッテンボロー

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ビッグX演じるリチャード・アッテンボローは、映画『ガンジー』(1982)でアカデミー監督賞を受賞した巨匠監督ですが、当時は俳優が主な仕事でした。
監督作品としては、『遠すぎた橋』(1977)、コーラスライン(1985)、チャーリー(1992)など名作揃いです。
俳優としては、『ジュラシック・パーク』(1993)の園長役として出演していました。
家族で楽しめる戦争映画としての演出

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悲惨な出来事をユーモラスに描く巧妙さ
本作は、戦争映画にも関わらず、悲惨なシーンは少なく、脱走を試みる囚人たちの行動をコミカルに映すシーンが多く、家族で楽しめる映画です。
実際に”脱走あるある”のような細かなエピソードを積み重ねられています。
1つ目は、ヒルツがトンネルを支える支柱を調達するため、3段ベッドの木を数本抜いていたシーン。
耐久値が低くなった3段ベッドに部屋の主が飛び乗ると、一気に床まで落ちてしまうシーンがあり、「当然そうなるだろ」と思わず突っ込みを入れてしまいます。
2つ目は、脱走をするために収容所を囲っている柵の下の土をモグラのように掘って潜り抜けるという”モグラ作戦”を決行するシーン。
「明らかに見つかる」と視聴者も感じるこの作戦は、捕まったシーンすら描かれず、即独房行き。
あたかも当然の出来事かのようにテンポ良く描かれていることも笑える部分でした。
史実に基づく悲惨さを印象的に描く
笑えるシーンもあるなか、血が流れる時は一転して印象的になります。
脱走に向けてトンネル掘りが順調に進み、あと一歩のところで、ドイツ軍に1本のトンネルを見つけられるシーン。
ここで絶望に打ちひしがれたヒルツの友人は、収容所を囲う柵に駆け上り、看守に撃たれて命を落とします。
このシーンは、ヒルツの気持ちが大きく動くという重要な意味がありました。
そしてもう1つは、ゲハイメ・シュターツポリツァイ(ゲシュタポ)の悲惨さを描くシーン。
逃走後捕まったビックXなど主要メンバーの50人は、収容所に戻る途中で殺されます。
これは史実に基づいて作られている部分であり、映画のラストには「この映画を50名に捧げる」という字幕が表示されます。
なぜ本作が名作として愛されるのか

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スティーブン・スピルバーグ監督の『プライベート・ライアン』(1998)以降、リアルで悲惨な殺戮を描く戦争映画が格段に増えた印象を受けます。
戦争の恐怖を描くという意味で素晴らしい感動作ではありますが、家族で楽しめるという視点とは、かけ離れていると言わざるをえません。
それに対して本作は、史実に基づきながら戦争の惨劇をスリルとサスペンスを盛り込み、ユーモアを交えた冒険活劇のように完成。
決して重くなく、年齢問わず楽しめるストーリーなので、構えずに家族でも楽します。
これこそ本作が名作といわれる理由の一つといえるでしょう。
本作の他にも、幅広い年齢層に受け入れられるような名作映画のおすすめを紹介しているので、気になる方はチェックしてみてください。
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