『ウォーターボーイズ』(2001)は、さえない男子高生5人組が男のシンクロに挑戦する青春コメディ映画です。
監督は数々のコメディ作品を作っている矢口史靖監督。
本作は日本アカデミー賞優秀作品賞、 毎日映画コンクール日本映画優秀賞など数々の映画賞を受賞しました。
続編としてドラマ版が作られるなど男子シンクロブームを巻き起こした傑作青春コメディ『ウォーターボーイズ』(2001)について、感想・考察、キャスト一覧やロケ地を解説していきます!
項目 | 評価 | 点数 |
知名度 | ★★★★★ | 95点 |
配役/キャスト | ★★★★★ | 100点 |
ストーリー | ★★★★★ | 100点 |
物語の抑揚 | ★★★★★ | 90点 |
コメディ | ★★★★★ | 100点 |
シンクロ演技 | ★★★★★ | 90点 |
目次
- 1 『ウォーターボーイズ』(2001)の作品情報
- 2 『ウォーターボーイズ』(2001)の概要
- 3 『ウォーターボーイズ』(2001)の感想と考察
- 4 【なぜ?】『ウォーターボーイズ』(2001)のキャスト一覧のまとめ
- 5 『ウォーターボーイズ』(2001)の疑問を解説
- 6 『ウォーターボーイズ』(2001)の原題・タイトルの意味とは?
- 7 『ウォーターボーイズ』(2001)の原作や元ネタとは? 映画版との比較
- 8 『ウォーターボーイズ』(2001)とシリーズの繋がりを解説
- 9 『ウォーターボーイズ』(2001)の最後は? ラストシーンや結末を解説
- 10 【レビュー】『ウォーターボーイズ』(2001)の評価・評判
- 11 『ウォーターボーイズ』(2001)の総合評価:青春コメディの傑作!
『ウォーターボーイズ』(2001)の作品情報
製作年 | 2001年 |
原題 | ウォーターボーイズ |
製作国 | 日本 |
上映時間 | 91分 |
ジャンル | 青春コメディ |
監督 | 矢口史靖 |
脚本 | 矢口史靖 |
主要キャスト | 妻夫木聡(鈴木智)
玉木宏(佐藤勝正) 金子貴俊(早乙女聖) 三浦哲郁 (太田祐一) 近藤公園(金沢孝志) 平山綾(木内静子) |
『ウォーターボーイズ』(2001)の概要
唯野高校水泳部、ただ一人の部員である鈴木は、高校最後の大会をビリという成績で終わり、水泳部を引退しようとしていた。
廃部寸前の中、新任教師としてやって来た美人の佐久間が水泳部の顧問を名乗り出ると、佐久間目当てに部員が殺到して水泳部は一気に大人数となる。
威勢よく水泳の練習に励む部員たちであったが、実は佐久間が本当にやりたかったのは水泳ではなく、シンクロだったのである。
大勢いた部員たちは一気にやめてしまい、残ったのは鈴木、佐藤、太田、金沢、早乙女という、さえない5人のメンバーだった。
残されたメンバーで練習を始めるが、顧問の佐久間が突然産休に入ってしまい……。
『ウォーターボーイズ』(2001)の感想と考察
『ウォーターボーイズ』(2001)の感想
『ウォーターボーイズ』(2001)は、キャラクター、ストーリー、笑い(コメディ要素)どれをとっても面白い傑作映画です。
さえない高校生5人がシンクロを通して、友情を育み、そして成長していく。
恋もあり、笑いもありで青春映画の全てが詰まっていると言っても過言ではないでしょう。
中でも注目していただきたいのは、キャラクター。
鈴木、佐藤、太田、金沢、早乙女という、さえない5人の主要メンバーはもちろん、脇役である美人教師の佐久間、水族館で働く磯村、オカマバーのママなど、個性あふれるキャラクターが登場します。
当時まだ無名だった妻夫木聡や玉木宏らがキャスティングされていますが、彼らの初々しい演技にも注目。
そして、ラストにあるシンクロ演技も見どころ。
撮影の1ヵ月以上前から、過酷なシンクロの練習をしてきたボーイズの団結したシンクロ演技はダイナミックですし、面白い!
さらに、彼らの若々しく、溌溂した演技にパワーをもらえます。
とにかく観ていて元気がもらえる映画。
毎年、夏には観たくなる最高の1本です。
『ウォーターボーイズ』(2001)の考察
なぜ『ウォーターボーイズ』(2001)は社会現象を起こすほどヒットしたのでしょうか。
それは「男がシンクロをする」という意外性、斬新さがあったからだと考えられます。
シンクロナイズドスイミングと言えば、女性がやるイメージしかないでしょう。
そんなシンクロを男がやる。
それだけで興味を惹きます。
感想で書きましたが、本作のストーリーは、友情を育み、成長し、恋もあり、笑いもありという青春の王道ストーリーです。
しかも、主要キャラである5人のボーイズは、妻夫木聡や玉木宏など今では人気俳優ですが、当時はまだ無名。
これらの設定で、例えば、野球やサッカー、バスケをやってもヒットにはつながらなかったでしょう。
「ありきたり」で終わっていたかもしれません。
もちろんヒットした理由は一つだけとは言えませんが、「男がシンクロをする」という意外性、斬新さがヒットの大きな要因であると言えます。
【なぜ?】『ウォーターボーイズ』(2001)のキャスト一覧のまとめ
ここでは、『ウォーターボーイズ』(2001)の個性的なキャストを紹介していきます。
シンクロメンバー
鈴木 智( 妻夫木聡)
唯野高校水泳部、唯一の部員。
ひっそり引退しようとしていたが、シンクロをやることになってしまう。
気が弱く優柔不断な性格。
キャストは、妻夫木聡。
本作が映画初主演となりました。
佐藤 勝正(玉木宏)
元バスケ部員。
鼻のホクロとアフロヘアーが特徴だったが、髪が燃えて坊主になる。
性格は明るいムードメーカー。
キャストは、玉木宏。
本作の佐藤勝正役で注目を浴びました。
早乙女聖(金子貴俊)
女の子っぽい性格や仕草が特徴。
幼稚園の頃から、佐藤のことが好きだった。
後に教員免許を取得し、高校教師となる。
キャストは、金子貴俊。
太田 祐一(三浦哲郁 )
貧相な体を鍛えるため水泳部(シンクロ部)に入る。
ダンスがうまく、家では動画を観ながら筋トレで体を鍛えている。
キャストは、三浦哲郁。
金沢 孝志(近藤公園)
カナヅチのガリ勉。
カナヅチを直すために水泳部(シンクロ部)に入る。
計算が得意だが、頭が良い分、論理的な考えをしゃべるというややこしい面がある。
キャストは、近藤公園。
女子生徒
木内 静子(平山綾)
空手が得意な桜木女子高の生徒。
予備校で鈴木と出会い、交際する。
キャストは、平山綾。
伊丹 弥生(秋定里穂)
桜木女子高の文化祭実行委員長。
唯野高校のプールの水がなくなった時、女子高のプールの貸し出しを申し出て、シンクロ部のピンチを救う。
キャストは、秋定里穂。
教師・先生
佐久間 恵(眞鍋かをり)
唯野高校に新しく赴任してきた美人教師。
水泳部の顧問になると、彼女目当てで部員が殺到する。
男子シンクロ部の発起人となるが、すぐに産休でいなくなってしまう。
キャストは、眞鍋かをり。
杉田(杉本哲太)
水泳部の顧問をする厳しい先生。
当初は部員のシンクロに難色を示していたが、応援するようになる。
キャストは、杉本哲太。
磯村(竹中直人)
水族館のイルカ飼育員。
唯野高校にはプールに釣り堀を作るため業者として来ていた。
練習のため水族館を訪れたメンバーに最初はタダ働きさせようとしていたが、シンクロを教えるようになる。
キャストは、竹中直人。
『ウォーターボーイズ』(2001)の疑問を解説
『ウォーターボーイズ』(2001)でキャストは実際にシンクロをしている?
『ウォーターボーイズ』(2001)でキャストは実際にシンクロをしています。
彼らは元平泳ぎの日本記録保持者、不破央の指導のもと、撮影の1ヵ月以上前から合宿をして、シンクロの練習をしました。
撮影開始後も千葉県内の学校のプールで連日シンクロの練習を続け、シンクロ漬けの日々を送ったのです。
彼らの体脂肪のない鍛え抜かれた体が、過酷なトレーニングを物語っています。
ちなみに、撮影はラストのシンクロ演技シーンから。
当初3日間の予定でしたが、全100カット以上を撮り、シンクロシーンの撮影がすべて終わった時には7日が経過していたそうです。
感動のシンクロシーンには、ボーイズ、スタッフの妥協のない熱意から来ているのでしょう。
『ウォーターボーイズ』(2001)の舞台・ロケ地は?
ロケ地は静岡県と千葉県です。
静岡県では牧之原市、御前崎市、焼津市、藤枝市で撮影。
唯野高校の校舎とプールは別々の学校で撮られており、校舎は牧之原市立相良中学校、プールは静岡県立榛原高等学校で撮られました。
ちなみに、シンクロ演技をする桜木女子高校のプールは、牧之原市立相良中学校で撮られています。
千葉県では、鴨川市にある鴨川シーワールド、館山市の千葉県立安房高等学校で撮影しました。
『ウォーターボーイズ』(2001)の楽曲や挿入歌とは? サントラを紹介
『ウォーターボーイズ』(2001)では、楽曲が効果的に使われており、映画をより楽しいものにしてくれました。
挿入歌で最も印象に残っているのは、青江三奈の『伊勢佐木町ブルース』でしょう。
また、ダンスゲームのBGMとして流れるスピードのカバーされた『ウェイク・ミー・アップ』もノリが良くて印象的。
シンクロ演技では、ザ・ベンチャーズの『ダイヤモンドヘッド』、PUFFYの『愛のしるし』、フィンガー5の『学園天国』、ビゼーの『カルメン』など、J-POPからクラシック、洋楽などあらゆるジャンルの音楽が流れました。
ここでは、そんな楽曲・サントラを紹介していきます。
本作はカラオケや替え歌という小ネタの楽曲もあるので、ぜひ聴いてみてください。
『ウォーターボーイズ』(2001)の評価・受賞歴は?
『ウォーターボーイズ』(2001)は高い評価を受け、数々の映画賞を受賞しました。
作品としても、個人としても受賞しています。
ここでは本作(個人も含む)の受賞歴を紹介します。
『ウォーターボーイズ』(2001)の原題・タイトルの意味とは?
『ウォーターボーイズ』は英語にすると『WATER BOYS』。
タイトルの意味はそのままではないでしょうか。
つまり、『水の男たち』というわけで、シンクロで水と一体になる彼らを表現したのだと思います。
『ウォーターボーイズ』(2001)の原作や元ネタとは? 映画版との比較
『ウォーターボーイズ』(2001)の元ネタ・モデル
『ウォーターボーイズ』(2001)の元ネタ・モデルになっているのは、埼玉県立川越高校の水泳部が実際に1988年から文化祭「くすのき祭」に披露している男のシンクロ公演です。
大学受験を控えた3年生部員が曲構成や振り付けを考え、夏休みに後輩を指導しながら毎年演技を披露し、人気演目に。
矢口監督が彼らのドキュメンタリーをニュースで観て、モデルにした映画を作ろうと思い立ったそうです。
2003年には、矢口監督が小説化した『ウォーターボーイズ』がワニブックスより刊行されました。
【比較】『ウォーターボーイズ』(2001)の原作(現実)と映画版の違いは?
文化祭でシンクロ公演をするという趣旨は同じです。
ちなみに小説は映画をそのまま小説にしたような感じなので、違いはありません。
『ウォーターボーイズ』(2001)とシリーズの繋がりを解説
『ウォーターボーイズ』(2001)は続編がドラマとして製作され、シリーズ化されました。
以下がその一覧です。
2003年の『WATER BOYS』の舞台は映画版と同じ唯野高校で、映画の2年後を描きます。
つまり、鈴木たちの後輩になります。
この作品では、杉田と佐久間が先生を、佐藤が水泳部OBとして出演。
他にも磯村やオカマバーのママも映画に引き続き出演しました。
2004年の『WATER BOYS2』は姫乃高校が舞台であり、前作とは関係がなくなります。
しかし、映画版のボーイズだった早乙女が世界史担当の臨時高校教師として出演しました。
『WATER BOYS 2005夏』は二夜連続で放送されたドラマで、高校ではなく島が舞台。
ドラマ『WATER BOYS』に出演していた田中が高校を卒業して、東大生となり、農業実習のために訪れた島での出来事を描きます。
そのため、いずれのシリーズとも関係はありませんが、島の夏祭りイベントである「シンクロ公演」を一緒につくっていくストーリーになっています。
『ウォーターボーイズ』(2001)の最後は? ラストシーンや結末を解説
『ウォーターボーイズ』(2001)の結末・ラストシーン
海パンがなくなりピンチになった鈴木のもとに、静子から手製の海パンが投げられます。
鈴木はそれをはいてタワーを完成。
無事、シンクロ公演を成功させたボーイズは、拍手と歓声に包まれながら、退場しました。
ダイナミックなシンクロ演技が終わったあとの感動が心地良く、ラストのタワーで、ちょっとした演出があったのも良かったです。
拍手に包まれながら退場していくボーイズの「やりきった感」のある誇らしそうな表情が印象的でした。
『ウォーターボーイズ』(2001)のその後や現在は?
水泳部は復活し、彼らのシンクロ公演は後輩に受け継がれました。
卒業後、鈴木は東京の大学へ行き、静子とは遠距離恋愛に。
佐藤は二浪し、主婦に水中エアロビを教えるアルバイトを、早乙女は高校で教師をすることになります。
【レビュー】『ウォーターボーイズ』(2001)の評価・評判
【つまらない?】低評価のレビュー
『ウォーターボーイズ』(2001)はどのような低評価レビューがあるのでしょうか。
映画レビューサイトをまとめてみると、
という低評価レビューがありました。
ご都合主義な点が低評価につながっているようです。
確かにご都合主義な点はありますが、コメディなのでそこらへんはあまり気にするべき点ではないかと思いますし、そこまで気にはなりません。
【面白い?】高評価のレビュー
『ウォーターボーイズ』(2001)はどのような高評価レビューがあるのでしょうか。
映画レビューサイトをまとめてみると、
という高評価レビューがありました。
青春を感じさせる点に高い評価を得ています。
また、ストーリー・脚本を評価するレビューも多くあり、「邦画の中で一番好き」というレビューもありました。
日本の映画レビューサイト映画.comの点数は5点満点中3.6という評価に。
点数としてはあまり高くない結果になりました。
『ウォーターボーイズ』(2001)の総合評価:青春コメディの傑作!
キャラクター、ストーリー、笑いで楽しませてくれた『ウォーターボーイズ』(2001)。
最後のシンクロ演技も見事でした。
何度観ても飽きない、まさに青春コメディの傑作だと思います。
青春映画が観たいならぜひ、本作を観てください!
\独自の調査で徹底比較/