
『ターミナル』(2004)は、空港に閉じ込められさまざまな経験をしていく男を描いたヒューマンドラマです。
監督は『E.T.』(1982)や『ジュラシック・パーク』(1993)と数多くの名作を生んだスティーヴン・スピルバーグ監督。
主演はアカデミー賞を総なめにしているトム・ハンクスです。
最強タッグといっても過言ではないこのコンビですが、予想通り名作となりました。
良い評価ばかりの『ターミナル』(2004)ですが、どうしてここまで良い評価を得ることができたのでしょうか。
本記事では、『ターミナル』(2004)の考察や、あらすじ、結末、モデルとなった人物や元ネタなどネタバレを交えながら解説していきます。
目次
『ターミナル』(2004)の作品情報とキャスト
作品情報
原題:The Terminal
製作年:2004年
製作国:アメリカ
上映時間:129分
ジャンル:ドラマ、コメディ、ラブロマンス
監督とキャスト
監督: スティーヴン・スピルバーグ
代表作:『E.T.』(1982)『ジュラシック・パーク』(1993)
出演者:トム・ハンクス/吹替:江原正士(ビクター・ナボルスキー)
代表作:『ビッグ』(1988)『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)
出演者:キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/吹替:深見梨加(アメリア・ウォーレン)
代表作:『マスク・オブ・ゾロ』(1998)『 幸せのレシピ』(2007)
出演者:スタンリー・トゥッチ/吹替:佐々木勝彦(フランク・ディクソン)
代表作:『プラダを着た悪魔』(2006)『バーレスク』(2010)
『ターミナル』(2004)のあらすじ

困惑するビクター© 2004 Dreamworks LLC. All Rights Reserved.
ある目的のために一つの缶詰を手に持ってアメリカにやってきた主人公のビクター。
ビクターは入国審査の途中、自国のクーデターによりパスポートが失効してしまう。
パスポートが切れたことにより帰国も入国もできない状況でビクターがいれる場所は、法の隙間である空港内だけだった。
国のお金も使えず言葉の壁もあるビクターだったが、自身のさまざまな工夫により空港で生き延びていく。
そんなビクターを中心に、空港内でさまざまな奇妙な出来事が彼に降りかかる。
これは、スティーヴン・スピルバーグとトム・ハンクスのタッグが生んだ笑いあり、感動あり、恋愛ありの名作だ。
『ターミナル』(2004)の感想と考察

アメリア© 2004 Dreamworks LLC. All Rights Reserved.
『ターミナル』(2004)の感想
『ターミナル』(2004)は観ていて「非常に万人受けするな」という印象を受けます。
どのようにしてこのような万人受けするような映画に仕上がっているのでしょうか。
『ターミナル』(2004)がおもしろいと感じる理由を探るべく振り返ってみました。
同じ音楽の繰り返しで分かりやすさを生んでいる
本作ではBGMが繰り返し使用されます。
これにより感動するときにはこの音楽、ビクターが奇妙なことをするときにはこの音楽というようにそのシーン毎の分かりやすさがあります。
ですので、このシーンはどういう感情で見れば良いのだろう、これはどういう意味?といったことがないのです。
ドラマやお笑い番組の笑い声など同じ原理で使われることがありますが、映画ではシリーズものの映画でない限り珍しいやり方でしょう。
また音楽自体も非常によかったので、音楽に注目しつつ視聴してもおもしろいかもしれないです。
王道の曲がりのない真っ直ぐな主人公
ビクターの性格は非常に真っ直ぐで自分の気持ちに正直に生きています。
それを証拠に空港に取り残されているというのに、アメリアに恋に落ち猛アタックするのです。
また恋のアタックの仕方も真っ直ぐでアメリアがナポレオンを好きだという情報を知ると、ナポレオンの本を読んで勉強し、最後にはナポレオンに関する噴水をプレゼントします。
このようの相手の情報を逃さず聞いて口説きに使われるというのは女性からすると、自分の話をしっかり聞いてくれているというので嬉しいでしょうね。
漫画や映画でもこういった裏表がない主人公というのは見ていて気持ちが良いですし、万人受けするポイントになります。
『ターミナル』(2004)の考察
ビクターが空港で生き残るために行ったさまざまな工夫から学ぶべき教訓を紹介していきます。
お金稼ぎの方法
ビクターがディクソンからもらった食べ物券はゴミ箱に捨てられてしまいました。
また、自国の通貨は空港内では利用できません。
そのために空港で使うためのお金を稼ぐ必要がありました。
その一つとしてまず最初にカートを集めてお金に変える方法です。
空港内のカートはカート置き場に返すことでいくつか小銭がもらえるので、ビクターは空港内のカートを回収してお金を集めていました。
しかし途中からディクソンが邪魔をしてお金が稼げなくなります。
ですがエンリケと出会い食べ物を分け与えるのを条件に、トーレスの趣味や恋愛の価値観などの情報を聞き出して欲しいと依頼され食べ物には困らなくなりました。
次にビクターはアメリアへの恋を成就させるために大きなお金を欲するようになります。
そのためにバイトを始めようと考えますが、住所もなく空港に住んでいるビクターを相手にする人はいませんでした。
そんなときに改造中のゲートで作業が途中の壁を見つけたビクターは、不意に壁を修復し始めます。
もともとゲートで椅子を解体しベッドを作るなどしてクリエイティブなことは得意でした。
そのでき前を建築の作業に見られたことにより、建設作業員として時給19ドルで雇ってもらえることになりました。
このようにして、ビクターは空港内を生き残るのです。
やはりこういう姿を見ると手に職はつけておくべきだと感じますね。
言語の勉強をする
ニュースなど読めないことやコミュニケーションが取れないことが、ビクターの空港内では大きく不利になります。
そのためビクターは言語の勉強をし始めるのです。
やり方はシンプルでクラコウジアの言葉が載っている本と英語が載っている同じ本を買い、2つの比較することで言語を覚えました。
またビクターは相手の言葉を言い返すといった特徴があります。
その行動も発音や英語の意味を確認する手助けになっているのかもしれません。
【ネタバレあり】『ターミナル』(2004)は実話? 原作や元ネタを解説

ビクター© 2004 Dreamworks LLC. All Rights Reserved.
『ターミナル』(2004)は実話からインスピレーションを受けた映画です。
モデルはアルフレッド・マーハンというイラン人で本作とは違い、フランスのシャルル・ド・ゴール空港に16年間住み続けている人物になります。
本作は基本的にモデル人物はいるもののインスピレーションを受けているだけで、本作のストーリー自体にはほとんど関与していないようです。
アルフレッド・マーハンはイランで生まれ育ちますが、英国で参加していたデモ活動を理由にイランから国外退去されてしまいます。
英国にそのまま戻りますが英国からも受入されなかったために、ヨーロッパの国の空港を転々とすることになりました。
そうして最終的にたどり着いたのがシャルル・ド・ゴール空港だということです
最後に原作本に関してですが、本作は特に原作の本などはありません。
しかし、アルフレッド・マーハンが自身の半生を執筆している「The Terminal Man」という本はあります。
なぜビクター(トム・ハンクス)は入国できない?疑問を解説

改装中のゲートにいるビクター© 2004 Dreamworks LLC. All Rights Reserved.
ビクターがアメリカに到着したさいに、ビクターの母国であるクラコウジアはクーデターが起きて政府が消滅し国としての機能がなくなりました。
それが起きたためにビクターが持つパスポートは無効になり、入国のビザは取り上げられます。
ビザを作るためにはパスポートが必要で、アメリカに入って良いかを証明しなければなりません。
そのために、ビクターはアメリカの入国はできなくなってしまいます。
そして、パスポートもなく国も機能していないので、クラコウジアに帰ることもできなくなったのです。
唯一いれる場所はその国を繋ぐ中間である空港。
こうしてビクターは空港に閉じ込められてしまったのです。
【ネタバレあり】『ターミナル』(2004)の最後は? ラストシーンや結末を解説

パスポートを渡すディクソン© 2004 Dreamworks LLC. All Rights Reserved.
ここでは『ターミナル』(2004)ラストシーンについて解説します。
クラコウジアの戦争が終わり、ビクターはアメリアから1日だけアメリカに入国できるビザをもらいました。
そのビザはアメリアが既婚者の彼からもらったものでした。
アメリアはビクターではなく最終的に既婚者を選んだのです。
ビクターはビザを持って出国を望みますが、それには空港の最終責任者であるディクソンの署名がいるのでした。
ディクソンはそれを許可せず国に帰るためパスポートと航空券を渡し、このまま大人しく帰らなければグプタなどが不法入国していることを取り締まると脅すのです。
それを聞きビクターは国に帰る決意をしますが、そのことを知ったグプタは捕まることを選びクラコウジアの便が遅れるように飛行機に飛び出すという事件を起こしました。
それを見てビクターはアメリカに行くことを決意します。
途中ディクソンが邪魔しようとしますが、ビクターの味方が多く失敗しました。
多くの空港スタッフに見守られながらアメリカに行くことでき、最後のジャズミュージシャンであるベニー・コールソンのサインをもらうことができエンディングです。
最後あれだけ捕まることを恐れていたグプタが、ビクターを助けるために捕まることを選んだシーンにはほっこりしました。
しかし、ラストシーンあれだけ不法入国をしないとあらがっていたビクターが、最後には簡単に不法入国してしまった結末はガッカリした要素でもあります。
ただ、最後のサインを手に入れタクシーで「家に帰るよ」といったシーンは全ての旅、映画の終わりを表すとても良いシーンだったので個人的にそれで全て許せてしまいました。
【評価・評判】『ターミナル』(2004)が人気の名作である理由

4人で話し合う© 2004 Dreamworks LLC. All Rights Reserved.
『ターミナル』(2004)の興行収入は約2.1億ドルです。
映画感想サイトを探しても良かったというポジティブな意見が圧倒的に多くあります。
今回は映画レビューサイトのFilmarksから、つまらない意見とおもしろいという意見の両方を集めてきました。
【評価】つまらないという意見
「突っ込みどころ満載だった」
「恋が成就せず友達が捕まってハッピーエンドじゃないところもあり煮えきらない」
「内容が薄い」
批判的な意見に関しては映画の細かい描写に現実味がなく、細かいところまで詰められていないと指摘する声が多くありました。
ビクターが空港の洗面所で体を洗ったり、関係者しか入ることのできないスタッフルームに勝手に入ったり、改装中のゲートに住んでいたり現実ではありえないことにリアリティーがないという意見です。
また、ラストシーンでアメリアは最終的にビクターではなく不倫相手を選びビクターの恋は叶いませんでした。
その点にてハッピーエンドにならないのがすごい残念だったという意見です。
私個人的には細かな描写はコメディとしてみると見逃せるかなというのと感じました。
また恋に関してもアメリアは奥さんがいる相手を好きになったり、簡単に男を誘ったりビクターには合わないので良かったと、さらに言えばグプタも人を刺しているので捕まって良かったのではないかと感じます。
しかし、不法入国にならないために最後まで空港に居続けたのに、最後の最後では不法入国でアメリカに入ってしまったシーンに関してはビクターの真っ直ぐさが薄れて魅力が消えてしまったシーンでした。
【評価】おもしろいという意見
「恋もあり笑いもあり感動できる」
「ビクターのお茶目さにほっこりした」
「あったかい気持ちになれる」
おもしろいという意見はビクターの空港に住むための工夫にクスッときた人や、言葉がわからないながらも真っ直ぐに努力するシーンにほっこりした人が多かったようです。
また、ビクターの周りに奇妙な運命がありさまざまな人が助けてくれます。
そのうまくいきすぎじゃないかという設定にも、見ていて気持ちが良かったという意見が多かったです。
全体に的に話が難しくないので映画をみるハードルが低いのと恋、コメディ、感動と色々な要素があるため万人受けしやすいというのは評価が高い要因といえるでしょう。
『ターミナル』(2004)のまとめ

アメリアとビクターの出会い© 2004 Dreamworks LLC. All Rights Reserved.
『ターミナル』(2004)は恋愛あり、笑いあり、感動ありのまさに全てが詰まった映画です。
空港に閉じ込められたビクターが工夫を凝らして、1つひとつ課題をクリアしていき空港でのさまざまな体験をするというのは見ていて飽きません。
難しい内容でもなくさっぱりと観られる映画なので、どんなシーンでもおすすめできる映画です。
スティーブン・スティルバーグ監督が好き、トム・ハンクスが好きな方は両方の魅力を感じることができるので絶対に観るべきでしょう。
『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)のような主人公を中心に奇妙にも人が集まっていき、人生がうまくいっていくというような設定が好きな方はまさに似たような映画ですのでおすすめします。
気になった方はぜひご覧になってみてください。
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