
『サバイバルファミリー』(2017)は、ある日、原因不明の大停電が起きた東京から脱出していく家族を描いたサバイバルコメディ映画です。
監督は数々のコメディ作品をつくってきた矢口史靖監督。
本作は第1回マカオ国際映画祭・コンペティション部門出品作品となっています。
「もしも地球から電気がなくなったら……」をテーマにしたコメディ映画『サバイバルファミリー』(2017)について、感想・考察、ロケのリアリティなどを解説していきます!
項目 | 評価 | 点数 |
知名度 | ★★★★☆ | 80点 |
配役/キャスト | ★★★★☆ | 75点 |
ストーリー | ★★★☆☆ | 60点 |
物語の抑揚 | ★★★☆☆ | 60点 |
コメディ | ★★★☆☆ | 55点 |
リアリティ | ★★★★☆ | 80点 |
目次
『サバイバルファミリー』(2017)の作品情報
製作年 | 2017年 |
原題 | SURVIVAL FAMILY |
製作国 | 日本 |
上映時間 | 117分 |
ジャンル | コメディ |
監督 | 矢口史靖 |
脚本 | 矢口史靖 |
主要キャスト | 小日向文世(鈴木義之)
深津絵里(鈴木光恵) 泉澤祐希(鈴木賢司) 葵わかな(鈴木結衣) |
『サバイバルファミリー』(2017)の概要

鈴木家:ⓒ東宝
会社員の鈴木義之は妻の光恵、大学生の賢司、高校生の結衣の4人で、東京のマンションで暮らしていた。
そんなある日、謎の大停電が起きる。
電気が使えなくなり、ガスや水道といったライフラインも全て停止し、電車、車やパソコン、携帯電話も使えなくなってしまう。
人々はろうそくを使うなど、自給自足の生活を強いられる。
生活に行き詰まった鈴木家は「西日本へ行けば電力網が活きている」という噂を聞き、光恵の実家である鹿児島へ家族で向かうことに。
東京から鹿児島へ、鈴木家は自転車に乗り、大移動を始める。
『サバイバルファミリー』(2017)の感想と考察

鈴木家:ⓒ東宝
『サバイバルファミリー』(2017)の感想
『サバイバルファミリー』(2017)は、数々のコメディ作品をつくってきた矢口史靖監督ということで、笑える作品かと思っていたのですが、ほとんど笑えないまま終わってしまいました。
笑えるところが全くないというわけではないのですが、かなり少ない。
コメディというよりかは、電気がなくなった世界ではどうなるのかといった社会性メッセージの強い作品、考えさせられる映画だと感じました。
コメディ映画だと期待して観ると、つまらなく感じてしまうかもしれません。
現代は便利な世の中ですが、電気に依存していると言ってもいいでしょう。
電気がなければ何もできない状態です。
そんな中で、本作のような出来事が起こったらどうなるのか。
笑いごとではすまないでしょうし、強盗や殺人、本作よりももっとひどい状況になってしまうのではないかと思います。
本作は、便利な世の中に依存した現代へ警鐘を鳴らしているのかもしれません。
『サバイバルファミリー』(2017)の考察
『サバイバルファミリー』(2017)は「あなたは生き残ることができるか」と問いかけてくる作品です。
高度に構築されたライフラインでの便利な生活に慣れすぎた現代人。
私たちはそれらが全く機能しなくなったときに果たして生き残れるか。
ほとんどの現代人は分からないことがあれば、インターネットやSNSで調べることができますが、それも使うことができません。
一体、どれだけの人が、燻製の作り方、豚や魚のさばき方、野菜の作り方、食べられる野草とそうでない野草を知っているでしょうか。
今では地図もGoogleマップやカーナビで検索できてしまう時代。
一番感じたのは、このネット依存社会です。
本作と同じような状況が全く起こらないとは限りません。
大規模な災害が起きるかもしれないし、映画と同じように太陽フレアによって大規模停電が起きるかもしれない。
結局、最終的に役立つのは、アナログでシンプルな仕組み。
そして、自分の頭の中、つまり、冷静な思考と知識なのです。
【なぜ?】『サバイバルファミリー』(2017)の疑問を解説

鈴木家:ⓒ東宝
『サバイバルファミリー』(2017)の矛盾
『サバイバルファミリー』(2017)では矛盾点が指摘されているようです。
矛盾点として考えられるのは、航空機と車でしょう。
電気が全く使えないという状態であれば、飛んでいる航空機が空から落ちてきてもおかしくはないのですが、何も落ちてきません。
また、電気が使えないということなのですが、電気を使わない車(電気自動車を除く)までも使えなくなってしまっています。
なぜ電気が使えなくなった? 理由を解説
結局、電気が使えなくなった原因は不明とされましたが、有力な説として、太陽フレアによる磁気嵐の影響ではないかと仮説が立てられました。
実際、1989年に北米で大規模停電が起きています。
そのときは、キューバでもオーロラが見えるほどの、過去100年で最大級の太陽フレアによる磁気嵐が原因でした。
磁気異常による空中の電流が送電線へと一気に流れ込み、電力網を破壊して大規模停電へとつながったそうです。
しかし、電池は予備電源として使えていたとのこと。
本作と同じように電池まで使えないということはなかったようです。
『サバイバルファミリー』(2017)のロケ地はどこ? CGを使っていない?
『サバイバルファミリー』(2017)はCGを一切使っていません。
ロケ地は仙台市や山口県を中心に大阪、神戸、静岡、千葉、横浜、羽田空港など日本各地で撮影されました。
東名高速の川崎インターから高速道路に乗って自転車で移動をするシーンでは、警察協力のもと、本物の高速道路を通行止めにして撮影したそうです。
劇中でインパクトのあった蒸気機関車には、SLやまぐち号を使いました。
矢口監督が徹底的にリアルにこだわろうとしたことが分かります。
川の水を飲んではいけない?
劇中では小日向文世演じる義之が川の水を飲んで、後に下痢をしてしまうシーンがありました。
実は川の水は危険なのです。
その理由は、流れてきた生活排水等にウィルスが潜んでいることも多く、川の上流に工場や鉱山、大規模農場などがある場合は、重金属や農薬で汚染されている可能性があるとのこと。
川の水は飲まないようにしましょう。
映画に登場した豚や犬は本物?
劇中で鈴木家が豚を追い掛け回したり、犬に襲われたりするシーンがあるのですが、全て本物。
矢口監督は100kg以上ある食肉用の豚を放し、「とにかく捕まえてください」と役者に言ったそうです。
小日向文世は自己診断ですが、頑張りすぎて振り落とされて、アバラにヒビが入ってしまったのだとか。
役者にとって、豚を追いかけるシーンが一番辛かったようです。
『サバイバルファミリー』(2017)と東日本大震災の関係とは?
矢口監督は2002年から本作の構想を温めていたそうですが、東日本大震災のときに、もうこの企画は二度と作れないと思っていたことを週プレNEWSのインタビューで明かしています。
あまりに痛みが深く、被災者も死者も行方不明者もたくさん出て、当事者の方々のことを考えると、とてもじゃないけど内容が近すぎる気がして…。
しかし、それから2年が経ち、備蓄とか災害に対する準備や意識がものすごいスピードで薄れていると感じた矢口監督は、映画製作に踏み切りました。
『サバイバルファミリー』(2017)の最後は? ラストシーンや結末を解説

鈴木家:ⓒ東宝
『サバイバルファミリー』(2017)の結末・ラストシーン
謎の大停電が起こった2年半後、ある日突然電気が戻りました。
鈴木家は、鹿児島から東京に戻り、再び都会での生活を始めます。
しかし、停電前とは打って変わり、彼らには大きな変化が。
そして、道中で出会った斉藤家に撮ってもらった家族の写真が鈴木家のもとに届くという最後になりました。
災害が彼らをたくましくしたという最後であったと思います。
困難なことや災難は、悪い面だけでなく、何か大切なことを気づかせてくれる良い面もあるのかもしれません。
鈴木家は家族の絆を取り戻しましたし、便利な世の中に依存する生活から脱却しました。
そういった意味ではハッピーエンドであったと思います。
『サバイバルファミリー』(2017)のその後は?
鈴木家はこのままの生活を続けるのではないかと推察できます。
例え、同じような災害にあったとしても、たくましく生き残れることができるのではないでしょうか。
【レビュー】『サバイバルファミリー』(2017)の評価・評判

義之と光恵:ⓒ東宝
【つまらない?】低評価のレビュー
『サバイバルファミリー』(2017)にはどのような低評価があるのでしょうか。
映画レビューサイトをまとめてみると、
という低評価レビューがありました。
「ストーリーにリアリティがない」などストーリーに関しては低評価が多いです。
確かにストーリーは抑揚もなく、あまり面白いとは感じられませんでした。
【面白い?】高評価のレビュー
『サバイバルファミリー』(2017)にはどのような高評価があるのでしょうか。
映画レビューサイトをまとめてみると、
という高評価レビューがありました。
「考えさせられる」という点について、高評価のレビューが多いです。
また、「家族の絆を感じられた」というレビューも目立ちました。
日本の映画レビューサイト映画.comの点数は5点満点中3.3という評価に。
評価点数としては、あまり高くない結果となりました。
『サバイバルファミリー』(2017)の総合評価:考えさせられる!現代に警鐘を鳴らす映画

光恵、賢司、結衣:ⓒ東宝
考えさせらえると評価が高かった『サバイバルファミリー』(2017)。
コメディ色が強い作品が多い矢口史靖監督ですが、本作はどちらかというと、社会性の強い作品になっています。
コメディを期待して観ると、面白く感じられないかもしれません。
ぜひ本作を観て、「もし現実でこんなことが起こったら」なんて考えてみてはどうでしょうか。
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