
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)は、男子校生がバンドを組んで80年代の音楽を奏でる青春音楽映画です。
監督はジョン・カーニー。
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞、サンディエゴ映画批評家協会賞 など多くの賞を受賞しました。
音楽はもちろん、兄弟愛も素晴らしい『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)について、結末と考察、つまらないという評価やモデルの解説をしていきます!
項目 | 評価 | 点数 |
知名度 | ★★★★☆ | 85点 |
配役/キャスト | ★★★★☆ | 80点 |
ストーリー | ★★★★☆ | 80点 |
物語の抑揚 | ★★★★☆ | 80点 |
楽曲 | ★★★★★ | 90点 |
青春 | ★★★★★ | 90点 |
目次
- 1 『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の作品情報
- 2 『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の概要
- 3 『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の感想と考察
- 4 『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の見どころを解説
- 5 【実話?】『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の原作や元ネタ・モデルはいる?
- 6 【なぜ?】『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)がつまらないと言われる理由、疑問を解説
- 7 『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の最後は? ラストシーンや結末を解説
- 8 【レビュー】『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の評価・評判
- 9 『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の総合評価:未来への希望がわく青春音楽映画!
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の作品情報
製作年 | 2016年 |
原題 | Sing Street |
製作国 | アイルランド/アメリカ/イギリス |
上映時間 | 105分 |
ジャンル | 青春ドラマ |
監督 | ジョン・カーニー |
脚本 | ジョン・カーニー |
主要キャスト | フェルディア・ウォルシュ=ピーロ(コナー)/日本語吹替:小川ゲン
ルーシー・ボイントン (ラフィーナ)/日本語吹替: 近藤唯 ジャック・レイナー(ブレンダン)/日本語吹替: 金谷ヒデユキ エイダン・ギレン(ロバート)/日本語吹替: 宮崎敦吉 |
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の概要

コナーたち:ⒸThe Weinstein Company
ある日、コナーは家族会議で家計の苦しさから転校を言い渡される。
コナーが転校したシング・ストリート高校は、かなり荒れている学校だった。
転校してすぐに校長から茶色い靴を禁止され、いじめっ子のバリーから因縁をつけられてしまう。
そんな中、ダーレンが声をかけてきて二人は友達になる。
二人が下校しようとした時、コナーはラフィーナという女の子を見つけ一目惚れをしてしまい、まだバンドを組んでもいないのにMVに出演しないかと誘う。
ダーレンはバンドのマネージャーを引き受け、楽器が得意なエイモンを紹介。
コナーを含め三人はバンド結成に向けて動き出す。
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の感想と考察

コナー:ⒸThe Weinstein Company
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の感想
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)は、80年代の音楽が印象的な映画。
デュラン・デュラン、ザ・キュアー、ザ・クラッシュ、ザ・ジャム、ホール&オーツ、a-ha、 スパンダー・バレエなどの80年代ヒット曲が登場します。
もちろんライブシーンもあるので必見!
バンドで音楽を奏でるのは、よくありますが、本作はMVを撮影するというシーンが多々あるので、それが斬新さを感じさせます。
大人の手を借りず、構成も撮影もやるのはバンドメンバーだけ。
ジョン・カーニー監督作の『はじまりのうた』(2013)では、アルバムを制作する際に野外で収録するというシーンがありました。
本作ではそれがMVという形で引き継がれているのではないでしょうか。
また、本作は女の子に一目惚れした男子高生がバンド組むストーリーなので、青春の甘酸っぱさを感じさせます。
初恋や青春時代の恋を思い出す人もいるでしょう。
好きな人と触れ合いたい、好きな人とつながりたい。
そんな青春時代特有の恋が描かれています。
他にも友情や成長、兄弟愛など多くの人間ドラマが詰まった青春音楽映画です。
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の考察
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)のテーマの考察をしていきます。
本作には「未来へのうた」という副題がついています。
この「未来」こそ本作のテーマなのではないでしょうか。
主人公であるコナーは、両親は不仲、家の経済的な理由から転校させられ、転校した先の高校ではいじめられ、校長にも嫌がらせを受けるというどん底ぶり。
しかし、そんな中でも友と巡り合い、バンドを組み、恋をして、夢に向かって未来を突き進んでいくコナーの姿が描かれていました。
彼はどん底でも悲観することなく、未来へ向かって着実に歩んでいたのです。
人間誰しもどん底な時があるでしょう。
そんな時は、「いつまでもこんな状況が続くのでは……」と不安になって、下を向きがち。
今はどん底かもしれないが、明るい未来を信じていけば大丈夫。
本作には、そんなテーマ・メッセージが込められているように感じます。
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の見どころを解説

コナーたち:ⒸThe Weinstein Company
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の見どころ①:登場する音楽とオリジナル楽曲
80年代のブリティッシュミュージックとオリジナル楽曲が倒叙するのが大きな特徴。
デュラン・デュラン、ザ・キュアー、ザ・クラッシュ、ザ・ジャム、ホール&オーツ、a-ha、 スパンダー・バレエなどの80年代ヒット曲が登場します。
一方、オリジナル楽曲は本物の80年代のスピリットを加えるために、 大ヒット曲『Mary’s Prayer』で知られるゲイリー・クラークが制作。
80年代のブリティッシュミュージックに負けず、オリジナル楽曲も最高!
特にライブで演奏される「Drive It Like You Stole It」はノリが良くておすすめの1曲です。
ジョン・カーニー監督自身も、オリジナル曲制作者としてクレジットされています。
80年代のMVも見どころ。
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の見どころ②:名作へのオマージュ
名作へのオマージュと思わせるシーンが登場。
ライブシーンの妄想は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のライブシーン(マーティが魅惑の深海パーティーでギターを弾くシーン)の雰囲気であり、途中で現れる兄ブレンダンは『ウェストサイド物語』ルックで、決闘シーンまで再現されます。
クライマックスの『カッコーの巣の上で』だけではない、名作へのオマージュに注目。
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の見どころ③: 監督ジョン・カーニーが描く青春
本作は青春要素・恋愛やバンドが魅力的です。
初めは一人ぼっちだったコナーに友達ができて、友情を育んでいく姿。
バンドを結成して音楽を楽しんでいく姿。
ラフィーナに恋をして、彼女で頭がいっぱいになる初恋の甘酸っぱさ。
そんな青春要素が詰まったドラマが見どころです。
【実話?】『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の原作や元ネタ・モデルはいる?

ポスター:ⒸThe Weinstein Company
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の原作と元ネタ
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)に原作と元ネタはありません。
ただ、本作は ジョン・カーニー監督のダブリンで過ごした子供時代の体験に基づいて製作されています。
つまり、ジョン・カーニー監督の自伝的な映画です。
転校していじめられ、かわいい女の子の興味を引くためにバンドを組んだのも監督の体験に基づいているのだそう。
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)のモデルとなった人物はいる?
ジョン・カーニー監督の自伝的な映画なので、コナーのモデルはジョン・カーニー監督自身でしょう。
シング・ストリート(バンドの名前)はU2(アイルランドのロック・バンド)をモデルにしていると言われています。
・ダブリン出身
・学校にメンバー募集のポスターを貼ったことから結成
・初ギグは学園祭
・ロンドンに渡って成功
といった点が似ているのです。
シング・ストリートのギタリスト、エイモンのモデルはU2のギタリスト、ジ・エッジでしょう。
エイモンは様々な楽器を扱える万能プレイヤーでしたが、ジ・エッジも同様。
作詞・作曲を担当したコナーとエイモンの関係性は、ボノ(U2のボーカル)とエッジの関係性そのままです。
【なぜ?】『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)がつまらないと言われる理由、疑問を解説

コナーとラフィーナ:ⒸThe Weinstein Company
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の解説①:1985年のダブリンが舞台となっている理由
1985年ダブリン時代の背景
1985年のダブリンは大不況でした。
不況の影響を受け、コナーの父親は失業してしまい、コナーは公立の荒れた学校に転校させられてしまうのです。
またアイルランドでは、1995年の国民投票を受けて改正されるまで、離婚が憲法で禁止されていました。
コナーの両親は離婚ではなく、別居という形をとります。
ロケ地は、実際のシング・ストリート・クリスチャン・ブラザーズ・スクール
ロケ地は、実際のシング・ストリート・クリスチャン・ブラザーズ・スクールで撮影されました。
このシング・ストリート・クリスチャン・ブラザーズ・スクールとはジョン・カーニー監督の母校。
自伝的映画を撮影するため母校を選んだのでしょう。
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の解説②:計画・着想のきっかけは監督の自伝?
計画・着想のきっかけはジョン・カーニー監督の自伝です。
「自分自身を反映した作品を作りたかった。ただの音楽の物語にはしたくなかったんだ」と監督は企画を立ち上げた時に思っていたそうです。
さらにプロデューサーのアンソニー・ブレグマンは、「この映画の要素の多くが、ジョンの子供時代の体験から来ている」と説明。
ジョン・カーニー監督は、自分の人生と向き合うために映画の製作を計画したのです。
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の解説③:コナーがシング・ストリート高校に転向してきた理由とは?
コナーがシング・ストリート高校に転向してきた理由は、父親が失業してしまったから。
父親の仕事がなくなり、母親の仕事は週3回しかなく、家計が苦しい状況。
そこで学費を節約するべく、コナーはシング・ストリート高校に転校させられたのです。
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の解説④:コナーがバンドを始めるきかっけ・理由とは?
コナーがバンドを始めるきかっけとなった理由は、ラフィーナの気を引きたかったから。
コナーとダーレンが下校しようとした時、コナーはラフィーナを見つけ一目惚れをしてしまい、まだバンドを組んでもいないのにMVに出演しないかと誘ったのです。
彼女の電話番号をゲットしたコナーは、すぐバンドを組むことに。
ダーレンはバンドのマネージャーを引き受け、楽器が得意なエイモンを紹介しました。
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の解説⑤:謎多きモデル・ラフィーナとはどんな人物?
ラフィーナは、彼氏のエヴァンとロンドンへ渡り、ロンドンでモデルの仕事を夢見る女の子。
コナーからMVの出演依頼を受け、了承しMV撮影に協力します。
煙草を吸っているふりをしたり、年上の彼氏と付き合ったり、濃いメイクをしたりと少しませた女の子でもあります。
演じたのは、ルーシー・ボイントン。
『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)では、フレディ・マーキュリーの元婚約者、メアリー・オースティンを演じました。
他に『オリエント急行殺人事件』(2017)、『フェブラリィ -悪霊館-』(2015)などにも出演しています。
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の解説⑥:ラフィーナとコナーの恋の行方は?
年上の彼氏がいるラフィーナでしたが、結局、二人は別れてしまいました。
コナーとラフィーナの恋の行方は、付き合うという段階まではいきませんでしたが、ラストでは二人でボートに乗り込みロンドンへ渡ります。
ここまで来れば二人が恋人になるのもそう遠くはないでしょう。
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の解説⑦:ジョン・カーニー監督の中でもつまらない作品なのか?
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)は、『ONCE ダブリンの街角で』(2007)、『はじまりのうた』(2013)と続く音楽映画の3作目。
本作には「つまらない」という評判があります。
なぜ「つまらない」と言われてしまうのでしょうか。
その理由は、登場人物の深堀がされていなかったことがあげられます。
コナーやラフィーナといった重要キャラでさえ表面的な部分しか描かれなかったため、感情移入しにくく、ドラマとして希薄な印象になってしまったのではないでしょうか。
また、バンドをモチーフにした映画は邦画も含めて数多くあるので、他作品に埋もれない工夫が足りなかったのもあるでしょう。
しかし、個人的につまらないとは思いません。
音楽は魅力的でしたし、青春を感じる要素が盛り込まれており、面白いです。
特にラストシーンの兄弟愛と未来に向かっていく船出は感動しました。
もし本作をつまらないと思っている人は本記事で紹介した「見どころ」を参考にして観ていただければと思います。
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の最後は? ラストシーンや結末を解説

コナーとラフィーナ:ⒸThe Weinstein Company
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の結末・ラストシーン
ギグを終えたコナーは帰宅し、兄ブレンダンにラフィーナを紹介しました。
コナーはボートに乗ってロンドンまで行くため、ブレンダンに港まで送って欲しいと頼みます。
その願いを受け入れたブレンダンはコナーとラフィーナを車に乗せて港へ。
コナーとラフィーナはボートに乗って海を渡るというラストになりました。
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の最後の字幕「For Brothers Everywhere」の意味とは?
『シング・ストリート 未来へのうた』(2013)の最後の字幕で「For Brothers Everywhere」と出ており、「すべての兄弟たちに捧ぐ」と訳が出ています。
本作は兄弟愛を描いた作品でもあります。
もしかしたらジョン・カーニー監督が本当に描きたかったのは、「兄弟愛」であり、お世話になった兄に感謝を込めてつくったのかもしれません。
『はじまりのうた』(2013)の完成前に亡くなってしまったジョン・カーニー監督の兄。
ジョン・カーニー監督の右腕には兄の名前のタトゥーが入っているらしく、兄がどれだけ大切な存在なのかが分かります。
「すべての兄弟たちに捧ぐ」とは兄弟の大切さを伝えようとしているのではないでしょうか。
本作は兄ブレンダンのコナーを思いやる気持ちに感動します。
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)のその後はどうなった?
ロンドンへ渡ったであろうコナーとラフィーナ。
コナーは音楽の道へ、ラフィーナはモデルの道へ進んで行くでしょう。
知り合いもおらず、お金もなく、正直彼らの道は前途多難ではあります。
しかし、ラストの航海でみせた二人の未来へ突き進んでいく姿はどんな困難にも負けない力強さを感じました。
二人ならきっと夢をつかむことでしょう!
【レビュー】『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の評価・評判

コナーとラフィーナ:ⒸThe Weinstein Company
【つまらない?】低評価のレビュー
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の低評価はどのようになっているのでしょうか。
映画のレビューサイトをまとめてみると、
という低評価レビューがありました。
「共感できない」「盛り上がらない」という低評価レビューが多いです。
確かにストーリーは淡々とした印象ではありました。
演出に目新しさが無かったため、盛り上がらないと感じたのではないでしょうか。
【面白い?】高評価のレビュー
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の高評価はどのようになっているのでしょうか。
映画のレビューサイトをまとめてみると、
という高評価レビューがありました。
音楽や青春を感じさせるストーリーに高評価が集まっています。
また、「兄弟愛に感動する」というレビューも。
日本の映画レビューサイト映画.comの点数は5点満点中4.1という高評価になりました。
『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)の総合評価:未来への希望がわく青春音楽映画!

シングストリート:ⒸThe Weinstein Company
80年代の音楽と青春要素で魅了した『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)。
甘酸っぱい恋や兄弟愛も素晴らしかったです。
ぜひ若い人には観て欲しい一作。
コナーのように未来を切り開いって欲しいです!
ジョン・カーニー監督のミュージックラブストーリー三部作の1つである『はじまりのうた』(2013)の考察や解説が気になる方はこちら。
https://minority-hero.com/cinema-review/begin-again/19827
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