
『ホテル・ムンバイ』(2018)は2008年、インドのムンバイで実際に起きたムンバイ同時多発テロ事件をもとにした映画です。
本作はインドの五つ星高級ホテル、タージマハル・ホテルを舞台にテロからの脱出劇を映画化。
過激なテロリストから宿泊客を守ろうとするホテルマンを描きます。
生存者のインタビュー、当時の記録を徹底的にリサーチして製作された『ホテル・ムンバイ』(2018)について、あらすじと感想、作品の魅力をネタバレを交えて紹介していきます!
目次
『ホテル・ムンバイ』(2018)の作品情報
作品情報
原題:Hotel Mumbai
公開年:2018年
製作国:インド、オーストラリア、アメリカ
上映時間:123分
ジャンル:ドキュメンタリー
監督とキャスト
監督:アンソニー・マラス
出演者:デーヴ・パテール/吹替: 高橋英則(アルジュン)
代表作:『スラムドッグ$ミリオネア』(2008)『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』(2016)
出演者:アヌパム・カー/吹替:堀越富三郎(オベロイ)
代表作:『世界にひとつのプレイブック』(2012)『ベッカムに恋して』(2002)
出演者:アーミー・ハマー/吹替:星野貴紀(デヴィッド)
代表作:『コードネーム U.N.C.L.E.』(2015)『ソーシャル・ネットワーク』(2010)
『ホテル・ムンバイ』(2018)のあらすじ

給仕するアルジュン:ⓒGAGA CORPORATION
ボートに乗ったイスラーム過激派である若者のテロリストがテロを起こそうしていた。
そんな中、ホテルマンのアルジュンはいつものように妻と子供にあいさつをして、インドの五つ星高級ホテル、タージマハル・ホテルに出勤する。
上陸したテロリストはCST駅を襲撃し、無差別テロの実行を開始。
100名以上の乗客と駅員を射殺していく。
やがてテロリストは飲食店など街中を襲撃し始め、タージマハル・ホテルも標的になってしまう。
テロリストの襲撃に騒然となる中、アルジュンをはじめ、タージマハル・ホテルの従業員は宿泊客を守ろうとするが……。
『ホテル・ムンバイ』(2018)の感想と考察

様子を覗うアルジュン:ⓒGAGA CORPORATION
リアリティを追求した映画
『ホテル・ムンバイ』(2018)は生存者、警察官、犠牲となった家族らのインタビュー、当時の録音記録、裁判記録、新聞記事など1年かけて徹底的にリサーチされているため、リアリティのある映画になっています。
テロリストの言葉や行動、タージマハル・ホテルのホテルマンがいかにして、宿泊客を守り、脱出したのかなど、テロリスト、宿泊客、ホテルマンの視点から描き出される圧倒的なリアリティ感。
襲撃されていく緊迫感、恐怖感、本当に事件を体験しているかのようなリアルな体験ができます。
もちろんストーリーだけでなく、映像もリアルです。
そのため、容赦なく射殺されて血が流れていくという残虐なシーンも多くありますが……。
しかし、それだけテロ事件のリアリティを追求したという証拠でもあります。
本作では圧倒的なリアリティを体感してください。
宿泊客を守ろうとしたホテルマンに感動
『ホテル・ムンバイ』(2018)は宿泊客を守ろうとしたタージマハル・ホテルの従業員を描いた映画でもあります。
突然、テロリストに襲撃され、無差別に射殺が行われていくホテル内。
ホテルマンも人間ですからパニックになって我先にと逃げてもおかしくない中、彼らは冷静さを失わず、宿泊客の安全を優先させました。
しかし、その結果、命を落としてしまう従業員も。
犠牲者の半数は、宿泊客を守るために残った従業員だったそうです。
彼らの勇気ある行動は、これこそ本当のプロだと感じます。
名もなき英雄と言われるのも本当に納得。
もし彼らが宿泊客の安全よりも自分の安全を優先させてしまっていたら、さらに多くの死者を出し、タージマハル・ホテルの状況はもっと悲惨な運命をたどっていたでしょう。
タージマハル・ホテル従業員の勇気ある行動に尊敬と感動です。
【ネタバレあり】『ホテル・ムンバイ』(2018) は実話? 同時多発テロの真実を解説

タージマハル・ホテル:ⓒGAGA CORPORATION
ムンバイ同時多発テロを元にした実話
冒頭でもふれましたが、『ホテル・ムンバイ』(2018)はムンバイ同時多発テロを元にした実話で、舞台となったタージマハル・ホテルも実際にあります。
ムンバイ同時多発テロとは、2008年、インド最大の都市であるムンバイで起きた無差別テロ事件。
ムンバイにあるホテル、駅、レストラン、病院、映画館、複数の場所がターゲットとなり、多くの犠牲者が出ました。
ちなみに映画の舞台となったタージマハル・ホテルの他に、同じく五つ星の高級ホテル、オベロイ・トライデントも襲撃されています。
当初計画を立てていたテロのシナリオは、人質を取って立てこもり、メディアを通してテロ組織の要求を発表する予定だったことが、逮捕されたテロリストの供述で確認されています。
10人のテロ攻撃犯人の中で唯一生き残った、パキスタン人である21才のモハメッド・アジマル・カサブは、2010年に死刑判決、2012年に死刑執行。
これにより、ムンバイ同時多発テロの攻撃犯は全員亡くなったことになります。
犯人の正体や被害者を解説
犯人の正体は?
ムンバイ同時多発テロの犯人と指摘されているのは、「ラシュカレタイバ (ラシュカリタイバ)=ラシュカール」というテログループの犯罪組織です。
実行犯は10人。
彼らは1年以上テロリストとしての特訓を受けており、襲撃予定の施設を警備している警察やセキュリティをどのように突破し侵入するかという、訓練も受けていたことが分かっています。
さらに犯人たちはムンバイの地理をグーグルマップで熟知していたとのこと。
ムンバイ同時多発テロの計画を指示した陰の首謀者(指導者)と見られるのが、ザキウル・レーマン・ラクヴィという人物です。
彼は実行犯にメディア各社の電話番号を教え、メディアに対して伝えるべきテロ組織からの要求を、電話で伝えることがテロ計画の目標でした。
被害者は?
ムンバイ同時多発テロでは多くの被害者が出ました。
このテロ事件による死亡者は174人、負傷者は239人出たことが判明。
ちなみに死亡者のほとんどがインド人ですが、34人は外国人であり、その中には日本人が1人含まれています。
亡くなった方は三井丸紅液化ガスの社員であることが確認されています。
【ネタバレあり】『ホテル・ムンバイ』(2018)の最後は? ラストシーンや結末を解説

アルジュン:ⓒGAGA CORPORATION
『ホテル・ムンバイ』(2018)の最後は、生存者であり、タージマハル・ホテルの従業員であるアルジュンが妻と幼い子供のもとに帰り、抱き合うシーンで幕を閉じます。
アルジュンがバイクに乗って帰っていく、ごく普通の光景(日常)がとても美しく映っていたのが印象的。
家に帰ったあと、愛する家族と抱き合うシーンは家族のありがたみや家族の温かさを感じ、ホッと安堵するシーンでした。
アルジュンは家族の大切さを分かっているからこそ、「生きて家族のもとに帰らせたい」という思いで宿泊客を守っていたのかもしれません。
当たり前のように家族がいて、当たり前のように家族と触れ合える。
そして何事もない日常を送ることができる。
それがどんなにありがたいことなのかを思わせてくれます。
【レビュー】『ホテル・ムンバイ』(2018)の評価・評判

タージマハル・ホテルの従業員:ⓒGAGA CORPORATION
『ホテル・ムンバイ』(2018)はどのような評価がなされているのでしょうか。
映画レビューサイトでのレビューをいくつかまとめると、
・「成熟した作りになっている。リアリズムに徹した演出も見事。大変見応えある作品だ」
・「テロ実行犯の少年たちの不安な心情も描くなど、単純に善悪を図式化せず、多様な人々の言動を通じて人間の本質に迫ろうとする誠実で真摯な姿勢が好ましい」
・「テロの犠牲者の立場だけではなく、テロ側のことも垣間見ることができて、双方の考えていること、心理戦も分かり、なおさら緊迫感が伝わってくる」
など、絶賛のレビュー多数!
日本のレビューサイトの点数は5点満点中4.2という高評価に。
本作のレビューで特に評価されていたのはリアリズムや臨場感でした。
監督のアンソニー・マラスと共同脚本のジョン・コリーの綿密な調査が功を奏した結果と言えるでしょう。
監督のアンソニー・マラスについては本作が長編デビューとあり、「これからが楽しみ」という声も多くありました。
『ホテル・ムンバイ』(2018)のまとめ

ザーラ:ⓒGAGA CORPORATION
追求したリアリティーによりとても臨場感のある映画になっていた『ホテル・ムンバイ』(2018)。
家族や日常の何気ないことがとても幸せで大切であることが分かります。
本作はインドで起こったテロ事件を題材にしていますが、日本でテロが起こる可能性もゼロではありません。
「もし日本でもムンバイ同時多発テロと同じようにテロが起こったら」と考えると恐ろしいです。
テロ事件が珍しいことではなくなった現代だからこそ、テロを考えるきっかけとしても今観ておくべき作品と言えるでしょう。
このような残虐で痛ましいテロ事件が起こらぬよう切に願います。
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