
りりこ演じる沢尻エリカの息を飲むほどの演技力と蜷川実花の世界観がマッチした『ヘルタースケルター』(2012)。
今回は、そんな『ヘルタースケルター』(2012)の名言・名セリフをまとめていきます。
胸に響く名セリフと名場面を振り返っていきましょう。
『ヘルタースケルター』(2012)の名言・名セリフを紹介

『ヘルタースケルター』(2012)©Asmik Ace, Inc
これから『ヘルタースケルター』(2012)の名言・名セリフを1つずつ紹介していきます。
『ヘルタースケルター』(2012)の名言1.「最初に一言。笑いと叫びはよく似ている。」

りりこ©Asmik Ace, Inc
『ヘルタースケルター』(2012)の最初のセリフです。
この言葉は『ヘルタースケルター』の原作者でもある岡崎京子さんの描いた漫画での冒頭の一節になっています。
この言葉の解釈はとても個人差が出ると思います。
りりこという人間像を考えると、喜びも叫びという悲しさもいつも対極のようで近しい存在と解釈出来る言葉であります。
『ヘルタースケルター』(2012)の名言2.「私の中で音がする。カチコチカチコチ音がする。早くしろよと音がする。それは私の中で何かが終わる音。」

りりこ©Asmik Ace, Inc
りりこの言葉です。
りりこは他の場面でも、
「わたし、カメラのシャッター押されるたびに、どんどん空っぽになってく気がする。」
と発言したり、度々カメラを用いた言葉を発します。
切り取った写真の世界は永遠にそこに存在できるとても美しい存在。
ですが、自分の一部たちを切り取られる感覚というのは想像するだけでも現実世界に帰った来れなくなるような悲しさと誰にも理解出来ない葛藤があるでしょう。
『ヘルタースケルター』(2012)の名言3.「表面は美しい。けれど中身は虫に食い散らされている果実。だからこそ引きつけられるのか?いつか朽ち果てるのをみんな知ってるから。」

多田©Asmik Ace, Inc
美容クリニックの脱税を調べていた麻田検事が言った言葉。
『ヘルタースケルター』(2012)は普段目にしている何気なく目にしては、知らず知らずのうちに消耗している世界について考えさせられる言葉が多いですね。
麻田検事の言葉の通りどんどんと朽ち果ててくりりこの姿と、カメラのシャッターを押される度にりりこの人生のリミットを感じるようなシーンたちは、映像美の中に都度感じる悲しいセレナーデのようです。
『ヘルタースケルター』(2012)の名言4.「もう終わっちゃうんだ。でもいいんだ。全部分かってたことだから。」

りりこ©Asmik Ace, Inc
りりこは次第に幻聴が聞こえ出します。
りりこは何百人何千人何万人もの憧れでしたが、彼女自身はまるで空っぽのような人間でした。
「そりゃあ女は美しい方が何か便利ですけど。でも…美しさと幸せってまた別の話じゃないですか。」
と、りりこの所属事務所社長多田も語っていましたが、美しいと幸せは近いようで対局な存在なのではないかとりりこを見ていると感じます。
『ヘルタースケルター』(2012)の名言5.「綺麗になれば強くなれるんだよ。」

りりことりりこの妹©Asmik Ace, Inc
久々に妹と再開したりりこは妹に、
「お姉ちゃんは強いから綺麗になったんだよ。」
と言われた妹にりりこが言った言葉です。
それはどこか弱い自分に強く強く言い聞かせたような言葉でした。
弱いからこそ、美しくなって、自分を肯定していき強い存在の「りりこ」という存在を作りあげたことが分かる悲しい名言です。
『ヘルタースケルター』(2012)の名言6.「でもこれはね...3人の秘密だからね。」

りりこと南部©Asmik Ace, Inc
りりこの指示で南部と婚約した女性を襲ったりりこのマネージャーの羽田と肌の彼氏の伸一の行動に対し、
「私はそんな女会ったこともないし、ただそういうことが起きれば面白いかなって言っただけだよ。」
と言いました。
バレれば2人は犯罪者になってしまいます。
見事にりりこは自分のしたいことを他人にさせ、さらに犯罪者にまでさせるるりりこの巧妙さは凄いですね。
リリこは周りにいる人間を思いのままには操りますが、誰1人として自分の思う通りにはならないという悲しい現実も背負っていました。
『ヘルタースケルター』(2012)の名言7.「みんなを楽しませるために必死で羽を散らしている。」

麻田検事とりりこ©Asmik Ace, Inc
りりこの元に麻田検事は現れ、りりこが通う美容クリニックの不適切な医療行為について証言を法廷をして欲しいと頼みました。
知らないするりりこにに嘘が下手だねと麻田は言いますが、
「何が嘘かあなたに分かる?」
とりりこは言い、それに対して麻田は、
「君のことは分かる。」
田舎から勇気を持って飛び出してきたりりこの翼は一体いつまで持つのでしょうか。
『ヘルタースケルター』(2012)の名言8.「やれば?みんなすぐ忘れる。私たちはどうせただの欲望処理装置。無責任な欲望だけあって、名前と顔だけがただすり変わっていく。」

こずえ©Asmik Ace, Inc
りりこの指示で羽田はこずえを八つ裂きにしようとしましたが、こずえは冷静にこの言葉を言い放ちました。
忘れられることは死ぬのと同様だと考えているりりこと対極な考えを持っていることがこの名言から分かります。
こずえの強さを示すように思えますが、人生の意味を見いだせず自分の存在価値を否定しているようにも受け取れ、りりこと同様の悲しさも感じられる言葉です。
『ヘルタースケルター』(2012)の名言9.「だから私は自分を壊すの。」

りりこ©Asmik Ace, Inc
りりこは記者会見でそこ言葉の通りの行動を起こしました。
ここで気になるのが、りりこの部屋で違法クリニックの資料を見つけた羽田がその資料をマスコミにリークしたことです。
まるでざまあみろと言わんばかりに資料を送る様に、復讐心からくる行為とも取れますが、この行為に関しては、りりこを救うためや、命令に従えなくなったからなど様々な意見があります。
ですが、りりこの為なら犯罪にも手を染める羽田にとってりりこは絶対的な存在だと思うので、復讐の為の行為とは考えづらいのかなと私は思いました。
ここに関してのなぜ?は十人十色でいろんな視点での解釈をしていただける点だと思います。
『ヘルタースケルター』(2012)の名言10.「どうして神様は私たちにまず若さと美しさを与え、そして奪うんでしょう?」

りりこ©Asmik Ace, Inc
鈴木杏演じる保須田の言葉です。
それに対して、
「その2つはイコールじゃない。若さは美しいけれど、美しさは若さじゃない。美はもっと深くて複雑であらゆるものを豊かに含んでいる。」
と麻田は言いました。
美は一言では語れません。
様々な位相の美があり、相違の美もあります。
人によってそれぞれの捉え方や考え方が出来る言葉で奥が深い言葉です。
そして、麻田がりりこの唯一の理解者であり、彼女を崇拝していたように思えるのも、彼の感じる美をりりこに見出していたからではないかと考えられます。
この美に関しての解釈も、人それぞれの解釈が出来る名言・名セリフですね。
『ヘルタースケルター』(2012)の名言・名セリフまとめ
蜷川実花監督はインタビューで、
「人が何かを批判するときって、自分が持っている常識やルールから逸脱するものを見たときだと思うんですね。『写真家はもっとこうあるべきだ』とか『プロならこういうものを撮るべきだ』とか、要は価値観の押し付けです。私はそういうものから一番遠いところにいるから、批判されやすいところもあるのかもしれません。でも、『こうあるべき』という凝り固まった考え方から離れたところにいる私が撮る写真だからこそ、普段写真なんて全然興味のない人の心にも何かを届けられるのかもしれない。
と語っていました。
『ヘルタースケルター』(2012)は、原作者岡崎京子の世界観もさることながら、インタビューで語られた蜷川実花監督の持つ独特な価値観とそこに秘められた強いメッセージ性があります。
だからこそ、何度見ても感動させてくれる作品。
学生の時に観た際は映像美ばかりに注目していましたが、改めて観るととても悲しい作品だなと感じました。
そして私たちが消費している物は、所詮物でしかありませんが、人を消費していることも感じさせられます。
その寂しさや不安は一般的には分かりかねる部分ではありますが、綺麗というのはどこか悲しいことであるなとも思う映画でした。
『ヘルタースケルター』(2012)、自分だけにしかないいろんな問いを持ちながら、名言も踏まえた上で、ぜひご覧になってください!
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