『ショーシャンクの空に』(1994)『グリーンマイル』(1999)を手がけたフランク・ダラボン監督がおくる恐怖のパニックホラー映画『ミスト』(2007)。
原作はモダンホラー小説家スティーヴン・キングの1980年の中編小説『霧』です。
感動の人間ドラマを撮ってきたフランク・ダラボン監督とは一味違ったホラー映画にご注目。
衝撃のラスト15分といわれるほど、ラストには衝撃的な展開が待っています。
霧からあらわれる怪物たちを前にした人間の心理や行動とは?
集団の秩序は崩壊か存続か?
謎の怪物に襲われる人間の恐怖を描き出したホラー映画『ミスト』(2007)について、あらすじと感想、作品の魅力をネタバレを交えて紹介していきます!
『ミスト』(2007)の作品情報とキャスト
作品情報
原題:The Mist
公開年:2007年
製作国:アメリカ
上映時間:125分
ジャンル:ホラー
監督とキャスト
監督:フランク・ダラボン
代表作:『ショーシャンクの空に』(1994)『グリーンマイル』(1999)
出演者:トーマス・ジェーン/吹替:堀内賢雄(デヴィッド・ドレイトン)
代表作:『パニッシャー』(2014)『ザ・プレデター』(2018)
出演者: ローリー・ホールデン/吹替:日野由利加(アマンダ・ダンフリー)
代表作:『マジェスティック 』(2001)『サイレントヒル』(2006)
『ミスト』(2007)のあらすじ

霧にのまれる街:©︎MGM/TWC
デヴィッドは嵐から生き延びる必要な品物を調達するため、息子のビリーと地元のスーパーマーケットへ向かった。
その最中、店外の辺り一面が白い霧に包まれていく。
不安に駆られた客たちは店内へ閉じこもった。
やがて霧の中からあらわれる正体不明の怪物が人々を襲い始める。
パニックと恐怖に陥る住民たち。
デヴィッドと一部の生存者たちは物資をかき集めて店外への脱出を計画した。
なんとか脱出に成功し、デヴィッドたちは車で走り去っていくが……。
デヴィッドたちは生存者に遭うことも無く、崩壊した街の風景や巨大な怪物を目撃。
そして、ついにデヴィッドの車はガス欠を迎えた。
絶望の淵に立たされた彼らの最後の選択とは……。
『ミスト』(2007)の3つの見どころ

パニックに陥る人々:©︎MGM/TWC
見どころ①:衝撃のラスト
映画史上かつてない震撼のラスト15分。
『ミスト』(2007)には衝撃的なラストが待っています。
とても絶望的なものとなっていますが、耐えられるでしょうか?
見どころ②:極限の人間ドラマ
『ミスト』(2007)はホラー映画ではありますが、人間ドラマとしての一面ももっています。
スーパーの密室に閉じ込められ、霧の中から正体不明の怪物が次々に人間の命を奪う。
そんな極限状態の中で人間が起こす心理や行動に注目。
見どころ③:正体不明の怪物が出現
『ミスト』(2007)には見たことのない怪物が人間を襲ってきます。
CGですが、とてもリアル。
霧の中からあらわれる怪物たちへの緊張感がたまりません。
【ネタバレあり】『ミスト』(2007)の考察と感想

スーパーに閉じこもった人々:©︎MGM/TWC
衝撃的なラストはアリか?ナシか?
『ミスト』(2007)には衝撃のラストが有名になっています。
しかし、そのラストには賛否両論の声がありました。
具体的に紹介すると、
・「実に後味が悪い」
・「クライマックスは胸糞でマジで鬱になる」
・「拍手したくなる傑作」
などでした。
ここで『ミスト』(2007)の結末を簡単に説明します。
デヴィッドたちが車で脱出した先に見たものは崩壊した街の風景や巨大な怪物でした。
そこでデヴィッドたちは死を選択し、デヴィッドが息子や一緒に脱出した生存者を銃で殺します。
最後に自分も死のうとしたのですが、弾切れ。
泣き叫ぶデヴィッドの前にあらわれたのは怪物を駆除する軍の姿と護送されていく生存者の姿でした。
もう少し待っていれば、デヴィッドは殺さずに済み、彼らは生き残ることができたという結末。
確かに衝撃ではありますが、後味は悪いです。
「絶望的」の一言しかない。
しかし、こういったバッドエンドもありだと思います。
というのも、バッドエンドを迎える映画は少ないですし、良くも悪くも強烈な印象を残したことは間違いありません。
見てから3、4年経ってもこれほど鮮明にラストシーンを覚えている映画はそう多くはないでしょう。
安易にハッピーエンドで迎えるだけがいい映画ではないはず。
時には絶望につぐ絶望で終わる映画もありではないでしょうか。
賛否両論のラストを迎える『ミスト』(2007)。
あなたはこの衝撃のラストに賛成でしょうか?
それとも反対でしょうか?
怪物より恐ろしいのは人間というメッセージ
衝撃のラストばかりが注目されていますが、『ミスト』(2007)では極限状態におかれた人間ドラマも見ごたえがあります。
スーパーという密室に閉じ込められ、外には霧。
その霧の中からあらわれた怪物が人間を襲い、死者もでる。
携帯電話は通じず、助けもこない。
そんな極限状態の中で繰り広げられる人間ドラマがおもしろいのです。
極限状態のなかで人間はどのような行動をとるのでしょうか?
脱出を図ろうとするもの、自ら死を選ぶもの、神にすがろうとするもの……。
その中でミセス・カーモディという狂信的教祖のような存在がでてきます。
「これは神のお告げだ」「私の予言通りになった」と言い始め、異常な精神状態となった人々は、この妄言とも言うべき、扇動を信じてしまいます。
やがて秩序は乱れていき、集団はカオス状態に。
これを見ると本当に恐ろしいのは怪物よりも人間だと思ってしまいます。
恐怖で弱ってしまった心は救いを求め、“神”(宗教)という存在にすがりついてしまう。
極限状態の中、いかに判断狂わすことなく、“自分”を保ち続けるのが難しいかが分かります。
『ミスト』(2007)では世界の縮図、人間の歴史を垣間見ました。
怪物=災害、戦争、紛争、テロ、核兵器……
霧=未来
私たちにはいつ“怪物”が襲ってくるか分かりません。
もし“怪物”が襲ってきた時、私たちは神にすがることなく、“自分”を保ち続けることができるでしょうか?
適切な判断と処置、行動ができるでしょうか?
『ミスト』(2007)で評価されるべきは衝撃のラストよりも“人間”を描いたことだと思います。
人間がいかに脆弱な存在なのか、人間の心理をうまく描き出した点について注目していただきたいです。
正体不明の怪物にドキドキ

怪物を見るデヴィッド :©︎MGM/TWC
『ミスト』(2007)の肝になっている霧。
その霧からあらわれる正体不明の怪物にドキドキしてしまいます。
霧の中なのでいつ、どこからでてくるのか分からず、視聴者としては緊張。
しかも出てくるのは見たこともない怪物で予測できない攻撃をしてきます。
倒せるのか、やられてしまうのか。
怪物に襲われて死んでしまう者、生き残る者。
次はどんな怪物が出てくるんだ?と好奇心が止まらず。
まったく目が離せません。
しかし、常に緊張していたのでは疲れてしまいますが、『ミスト』(2007)は巧みに計算がなされています。
あるシーンでは緊張感を緩和し、気が抜けた頃に再び緊張感を引き上げるバランス感覚が絶妙でした。
うまく計算されたフランク・ダラボン監督の脚本はさすがです。
おわりに

デヴィッドと息子 :©︎MGM/TWC
賛否両論がうずまく『ミスト』(2007)。
映画レビューサイトでは、5点中、3.4点と評価は決して高いとは言えませんが、“人間”の本質を描き出した点については評価されるべきだと思います。
衝撃のラストが見どころとなっていますが、もっと人間ドラマに注目してみてはいかがでしょうか。
そうすれば『ミスト』(2007)をもっと深く楽しめることができますし、単なるホラー映画という見方も変わってくるはず。
見れば見るほど新しい発見が出てきます。
表面的な部分だけを見てしまえば、怪物に襲われる絶望的な映画になってしまいますが、実は奥が深い。
『ミスト』(2007)は先が見えず、“怪物”ばかりの現代社会を反映しているのかもしれません。
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