
2019年4月19日に劇場公開されたDCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)/DCフィルムズ・ユニバース(DCFU)最新作の『シャザム!』(2019)。
日本でも新たなアメコミ映画である本作への期待値は日本でも高く、本国アメリカの映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では、100%中、93%高得点を記録しました。
これまでの作品でも類を見ない高評価を記録した『シャザム!』(2019)の感想と評価をあらすじとネタバレを交えながら紹介していきます。
目次
『シャザム!』(2019)の作品情報とキャスト
作品情報
原題:SHAZAM!
製作年:2019年
製作国:アメリカ
上映時間:132分
ジャンル:アクション、コメディ
監督とキャスト
監督:デイビット・F・サンドバーグ
代表作:『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)『ライト/オフ』(2016)
出演者:ザカリー・リーヴァイ/吹替:菅田将暉(シャザム)
代表作:『塔の上のラプンツェル』(2010)『Z Bull ゼット・ブル』(2018)
出演者:アッシャー・エンジェル/吹替:緒方恵美(ビリー・バットソン)
出演者:マーク・ストロング/吹替:子安武人(Dr.<ドクター>サデウス・シヴァナ)
代表作:『グリーン・ランタン』(2011)『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017)
『シャザム!』(2019)のあらすじ

シャザムとフレディ:©2019 Warner Bros.
幼い頃に親と離れ離れになり、里親の元を転々とする生活を続けている少年・ビリー。
彼はなかなか家族と打ち解けることができず、家出を繰り返しながら実の母親を探している。
ある日、新しい里親の元へと引っ越したビリーは、いじめっ子から同じ家に住むフレディを助け、追っ手を巻くために地下鉄へと逃げ込む。
彼は、純粋な心を持つ少年であることから魔術師にヒーローとしての才能を見出される。
世界の救世主へと選ばれた彼は「シャザム!」と叫ぶことで、見た目も大きく変化し、スーパーヒーローへと変身する能力を得た。
圧倒的な力を持て余す彼だったが、同じ里親を持つ養兄弟であるフレディをさらい、世界を危機に陥れるDr.シヴァナとの戦い、力を正義の為に使うことを決意する……!
『シャザム!』(2019)の3つの見どころ

強盗に遭遇するシャザムとフレディ:©2019 Warner Bros.
見どころ①:アメコミ史上最年少ヒーロー
純粋な心を持った少年が手に入れた圧倒的なパワー。
まだ中学生の少年・ビリーが、手に入れた力を子どもらしく使う破茶滅茶な展開に注目です!
見どころ②:大満足のアクション
対象年齢などは特に制限は設けておらず、家族で楽しめる雰囲気を強く感じる本作。
しかし、ファミリー向けだからと侮ることはできないド派手なアクションに満足させられます。
見どころ③:映画ファンが心を掴む演出
音楽を初めとして、内容やカットに到るまで映画ファンの心を掴む演出が随所に施されていました。
実際どのようなものがあったのかを後ほど詳説していきます。
【ネタバレあり】『シャザム!』(2019)の感想

フレディと一緒に自分の力を試すシャザム:©2019 Warner Bros.
アメコミ映画史上“最年少”ヒーロー感想本作を視聴してこれまでのDCシリーズとしてもヒーロー映画としても新しい風を吹かせてくれた作品だと思いました。
内容としても安心して観ることができ、随所に笑える要素が盛り込まれています。
さらに、これまでにヒーローが多数登場してきたことを現実の世界線として回収した内容となっていたことも笑いに繋がっていたと感じました。
具体的な感想を書いていきます。
『シャザム!』(2019)が魅せた革新的な”面白い”ヒーロー
DCシリーズは、これまでバットマンやスーパーマン、ワンダーウーマンといった容姿端麗で力や頭脳もある文句無しにカッコいいヒーローを輩出してきました。
今回の『シャザム!』(2019)は、上記の作品と比較するとコメディ要素が強く、”見た目は大人、中身はコドモ”というキャッチコピーからも分かる少し頼りない少年ヒーロー。
純粋な心を持っていたということでヒーローの力を得た少年ビリー。
自分と同じ里親を持つ養兄弟を不良から体を張って守ったことはありましたが、
・雷で他人のスマホを充電させる
・大人の体を得たことをいいことに大人の店に入る
・ヒーローのパワーを使って小遣い稼ぎ
・ATMを破壊し、お金を取る。
など基本的に彼はヒーローとしての自覚も緊張感もまるでありません。
中身はコドモをということをツッコミどころ満載の笑える内容になっていました。
このような点からもヒーローというよりはやはり少年の気持ちが圧倒的に強い。
これまでにないチャレンジングな作品になっていたと思います。
ヒーロー映画に広がるダイバーシティ意識

ビリーを迎えてくれた新しい家族:©2019 Warner Bros.
本作のテーマは家族や友情という人間関係にフォーカスしたもの。
普遍的なテーマであるように感じますが、ビリーの境遇とともに、ダイバーシティ(多様性)が強調して描かれていました。
彼は、実の両親と幼少期に離れ離れになり、里親の元を家出を繰り返し、本当の親を探し求めて孤独な気持ちを克服していきます。
ここで家族とは何かということを学んでいくわけです。
ビリーの新しい家族は、アジア系からアフリカ系まで幅広く、黄色人種や黒色人種、白色人種で身寄りのない子どもたちが集まった家族でした。
親も孤児であり、自分自身が感じてきた孤独を埋める立場になりたいという気持ちから孤児を受け入れて「家」と呼んでもらうことを目指している心優しい家族。
このようなダイバーシティを意識した展開は、全く突飛な発想というわけではなく、現代の映画で多く観られるようになってきています。
DCシリーズ前作にあたる『アクアマン』(2018)でも、アクアマンを演じたジェイソン・モモアがハワイにルーツを持ち、海中生物を仲間としていくことがその一例。
本作でも人種も年齢も関係無く、ヒーローになれるということが描かれており、「分かち合えない力なんてつまらない」と言っていた通り、家族と力を共有できることがシャザムの最大の特徴。
これによって足が悪いフレディも自在に動けるようになり、ヒーローへの憧れも叶えてあげることになるわけです。
自身の力を共有し、仲間である家族全員に力を与えるということが今までのヒーローになかった能力。
一人のヒーローに助けを求めるのではなく、誰もがヒーローになれるということを強く打ち出していた部分でもあると思います。
『シャザム!』(2019)の笑える場面
上述のような重要なメッセージを伝えつつも、やはり笑える場面が圧倒的に多い本作。
ビリーの家族であるフレディがヒーローオタクという設定によって、アクアマンもバットマンもスーパーマンもいじる様子に映画ファンも共感できて笑いを誘います。
シャザムに変身する能力を得たビリーがフレディとともに能力を探る場面では、「スーパーマンみたいに飛べる?」「目からビームは?」などと研究していく。
いきなり超人的な能力を得たら初めは、どんな能力で、何ができるのかということを研究するというリアリティがヒーロー映画として現実離れしない世界観を創り上げていたと思います。
そして、最後のDr.シヴァナとの戦闘で、シヴァナが摩天楼の間の空中で決め台詞を言っているのに全く聞こえないというシーンは、これまでのヒーロー映画の定番を踏襲した展開。
他にも真っ先に大人の店に入ってしまったり、ヒーローのコスチュームをダサいと言われてしまったり、YouTubeで人気者になったりと笑える要素が盛りだくさんでした。
シャザムの裏話と補足情報

対峙するシャザムとドクターシヴァナ:©2019 Warner Bros.
シャザムの意味とは?
彼の能力は、以下の6つの能力の頭文字に由来します。
・H=ヘラクラスの強さ
・A=アトラスのスタミナ
・Z=ゼウスのパワー
・A=アキレスの勇気
・M=マーキューリーの飛行力
これによってギリシア神話(ギリシャ神話)の英雄たちから得た能力ということが分かります。
力の源といった細かい点については不明な部分も多いです。
映画ファンに嬉しい小ネタが満載
ヒーロー映画やヒーローあるあるを言うだけでもこれまでのDCシリーズを踏襲していて笑える本作。
しかし、それだけでなく、映画ファンの心掴む小ネタも満載でした。
まず本作の内容は、12歳の少年が突然30歳の大人に変貌し、右往左往するトム・ハンクス主演の映画『ビッグ』(1988)に近いものを感じたのは私だけではないはず。
さらに本作の舞台は名作『ロッキー』(1976)と同じフィラデルフィア。
他にも『ハリー・ポッター』や『ロード・オブ・ザ・リング』なども取り入れられており、往年の名作の集結に映画ファンの心をがっちり掴んでいたことが印象的でした。
現代的でありながらも過去作へのリスペクトもあるというのが現代では主流ともなってきているようです。
海外ドラマファンにも嬉しいキャスティング
ちなみに海外ドラマは映画の登竜門にもなっているので、海外ドラマを積極的に観ている方にはお馴染みのキャスティングがありました。
主演のシャザムを演じたザッカリー・リーヴァイは『CHUCK』。
ビリーの父親となる里親でありグループホームの家主であるビクターを演じたクーパー・アンドリュースは『ウォーキング・デッド』(TWD)。
ユージーンがシャザムの力で変身した姿であるスーパーユージーンを演じたロス・バトラーは『13の理由』。
メアリーがシャザムの力で変身した姿であるスーパーメアリーを演じた ミシェル・ボースは『HAWAII FIVE-0』。
顔が知っているキャストの登場は親近感を覚えます。
映画挿入歌音楽に注目
本作内で使用されていた音楽を列挙すると、
「I Don't Want to Grow Up」
「Feels (feat. Pharrell Williams, Katy Perry & Big Sean)」
「Don't Stop Me Now」
「The Real Slim Shady」
「Humble」
などが絶妙に使われていました。
特にヒーローの能力を研究する場面で流れたQUEENの「Don't Stop Me Now」は『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)でも馴染み深く、興奮した方も多かったのではないでしょうか。
『シャザム!』(2019)の評価

フレディと口論になるシャザム:©2019 Warner Bros.
私としては『シャザム!』の完成度に大満足でしたが、吹替版についてSNSに寄せられた意見を中心にまとめていきます。
吹替版を監修した福田雄一監督に賛否!?
福田監督「脚色と演出を引き受けてから本編を見たのですが、つまらなかったらどうしようと思ってました笑 本当に面白かったのでホッとしました笑 そこから吹き替えのキャストを考えました。」 pic.twitter.com/sOZRX0uVTi
— DC公式 (@dc_jp) March 26, 2019
まずはDC公式からの引用を載せておきます。
公開前の福田監督の発言に「どれだけ上から目線なんだ!」と非難が集中しました。
確かに、受け取り方によっては、DCがつまらないものを作ってくる可能性を疑っているように感じます。
結果として福田監督は菅田将暉を主人公の声優として抜擢するわけですが、ここでも非難が殺到。
「なぜ、声優という職業の人がいるのに俳優を起用するのだ」と。
プロモーションもあるとは思いますが、俳優は自身の芝居で売っているのに、声を仕事にする人の仕事を奪うのは、いかがなものかと思います。
吹替版を観た人からは、
「菅田将暉の声がまるでキャラクターに合ってない」
「違和感だらけの声」
などの意見も寄せられていました。
そして『シャザム!』のパンフレットに記してある福田監督の発言にまたも非難が集中。
「吹替のコンセプトは菅田将暉と銀魂の愉快な仲間達」。
「だから菅田将暉とアニメ版銀魂の声優を使った」。
まずDCと銀魂は別物ですし、菅田将暉とそれ以外のような構図とも取れる発言です。
このように上映前から上映後まで炎上尽くしで、吹替版への否定的な意見が多数寄せられていました。
ちなみに「菅田将暉自体は声優が上手」で、「声も観ているうちに慣れる」という意見も。
字幕版に賞賛の声
私は字幕版で観たのですが、字幕版の監修は、アンゼたかし。
限られた文字数で笑いを的確に表現しつつ、現代の若者言葉まで忠実に再現する素晴らしい翻訳だったと思います。
「初めに観るなら絶対に字幕!」
「安心、安定のアンゼさん」
といった意見が大半を締めていました。
賞賛意見から見ても当然の流れになると思いますが、楽しみにしている方にこそ字幕版での鑑賞を推奨します。
まとめ

シャザムに変身するビリー:©2019 Warner Bros.
家族愛や友情という人間関係をテーマにしながらダイバーシティとしての言及もあった『シャザム!』(2019)。
里親となる父はアジア系であり、子どもたちは黒人や白人など多くの人種も取り入れたダイバーシティを意識しており、分けあえる能力で関わる全員を対等にするという構図が非常に現代的でした。
そんな重要なテーマを掲げつつも、終始溢れ出るコメディ要素とユーモア、ギャグによって暑苦しいメッセージではなく、気軽にファミリーで楽しめる内容となっていたことも評価できるポイント。
ラストシーンではスーパーマンが登場し、エンドロールが終わった後には、アクアマンとのクロスオーバーを匂わせる内容もありました。
続編はもちろんですが、ジャスティスリーグでの登場や今後のDC作品でシャザムとDCヒーローの共闘が観られる日も近いです!
『シャザム!』(2019)を観た人におすすめの作品
ジャスティスリーグを初めとして、着実に盛り上がりを見せているDCシリーズ。
『ワンダーウーマン』の続編の撮影も進んでおり、MCUもひと段落するということで、今後の展開からますます目が離せません。
DCEUシリーズの時系列とあらすじのおさらいはこちら。
https://minority-hero.com/cinema_recommend/DC+Heroes/3597/
DCEUの前作に当たる『アクアマン』(2018)の記事はこちら。
https://minority-hero.com/cinema_review/Aquaman/810/
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)の考察と解説、伏線やつながり、評価や結末が知りたい方はこちら。
https://minority-hero.com/cinema-review/batman-v-superman/17547/
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