1968年公開後、世界に衝撃を与え、その後のSF映画の礎を築いた映画『2001年宇宙の旅』(1968)。
今でも世界中の多くの著名映画人、映画ファンの好きな映画の上位にランクインしています。
50年以上たった今も全く色褪せないストーリーと映像美。
は視覚と聴覚を大いに刺激するエンターテイメントです。
今回は『2001年宇宙の旅』(1968)の魅力を考察や解説とともに紹介していきます。
目次
『2001年宇宙の旅』(1968)の作品情報とキャスト
作品情報
原題:2001: A Space Odyssey
製作年:1968
製作国:アメリカ、イギリス
上映時間:139分
ジャンル:SF
監督とキャスト
監督:スタンリー・キューブリック
代表作:『時計じかけのオレンジ』(1971)『フルメタル・ジャケット』(1987)
出演者:ケア・デュリア
代表作:『女狐』(1967)『母の旅路』(1965)
出演者:ゲイリー・ロックウッド
代表作:『ラスベガス強奪作戦』(1968)『ヤング・ヤング・パレード』(1963)
『2001年宇宙の旅』(1968)のあらすじ

© Warner Bros. Entertainment Inc.
何百万年も前のアフリカ。
猿人たちは群れを成し、他の動物たちと暮らしていた。
ある日群れの前に不思議な黒い物体「モノリス」が現れる。
それに触発された猿人は骨を道具として使うことを覚え、どんどん進化していく。
その何百年後、人々は自由に宇宙を探検するようになっていた。
月のクレーターで発見された「モノリス」の調査のため、アメリカのフロイド博士は月に向かう。
そこで見つけた「モノリス」は太陽の日を浴び強烈な信号を木星に送る。
その18か月後、アメリカの宇宙船ディスカバリー号は木星の探索に出かける。
そこで隊員たちが目にしたものとは…。
『2001年宇宙の旅』(1968)の3つの見どころ

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見どころ①:全編に使われるクラシック音楽の名曲
『2001年宇宙の旅』(1968)ではSF映画には珍しく、クラシック音楽の名曲が使われています。
オープニングにはリヒャルト・シュトラウスの交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』の導入部分。
宇宙船が月に向かうシーンではヨハン・シュトラウス2世の円舞曲『美しく青きドナウ』。
途中で入る休憩時間にはジェルジ・リゲティの『アトモスフェール』。
ラストには再びシュトラウス2世の『美しく青きドナウ』が使われています。
映画に期待を馳せながら、もしくは映画の余韻を味わいながら、クラシック音楽に浸ることができます。
見どころ②:目を見張るモダンなセットデザインと衣装
監督のキューブリックは映画の全てのセットデザインや衣装にも関わり、宇宙ステーションにはその当時発売されたばかりのハーマンミラーのオフィス机を配置。
宇宙船の乗組員たちが食事するカトラリーは、当時革新的だったデンマークのデザイナーのものを起用しました。
また宇宙船女性スタッフの衣装はシンプルだけどシルエットが美しく、今見ても新鮮に感じます。
見どころ③:科学的に検証された宇宙の表現
この映画にはキューブリックの前作『博士の異常な愛情』(1964)で監督とタグを組んだ視覚効果のプロが起用されたほか、大多数の特撮の専門家を使用して宇宙の表現に至りました。
正確な表現を目指すため、多くの科学者、研究者も検証に参加しています。
その成果もあって映画史上初めて、実物に限りなく近い宇宙の表現を実現しました。
キューブリックはこの映画で視覚効果のアカデミー賞を受賞しています。
『2001年宇宙の旅』(1968)を解説

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解説①:「モノリス」とは何か?
『2001年宇宙の旅』(1968)に登場する黒い一枚岩のような物体「モノリス」。
物語の鍵を握る「モノリス」とは何かと多くの人が疑問に思うところですが、実際何なのかは本編中には説明されません。
原始時代に突如現れたり、紀元2000年代の月に埋没されていたり、木星のあたりに漂っていたりと出現時も意図も不明です。
ただ、「モノリス」によって猿人が急に進化を遂げたり、強力な信号を他の惑星に送ったり、宇宙の中で無限の彼方を作り出すことからして、人間の理解を超えた超絶なるパワーを持った存在といえるでしょう。
解説②:HAL 9000はなぜ反乱を起こしたのか?
木星に向かう宇宙船ディスカバリー号に搭載されている高度AI(人工知能)のHAL 9000。
知能は異様に高く、「失敗や間違いは絶対にない」と本編中に語られていました。
そのHALが途中から人間に歯向い、殺戮マシーンと化すのです。
何故突然反乱を起こしたのかを考えると、反乱は完璧なものというものは存在せず、テクノロジーに過信することは危険だという警鐘と捉えることができます。
『2001年宇宙の旅』(1968)の感想

© Warner Bros. Entertainment Inc.
映画の公開から51年経って見た感想として、全く古さを感じさせない、むしろAIが話題となっている昨今に非常にタイムリーな映画だと感じました。
舞台は2001年となっていますが、この映画で描かれている世界は未だに人類が到達できていないこれから遠い先の世界です。
この映画の翌年1969年、アポロ11号は人類史上初、月面に着陸します。
まだ月や宇宙のことも未知なことが多かった時代に月や宇宙を舞台にし、人間が当たり前に宇宙を遊覧している姿を描いたのは、かなりの挑戦であったと思います。
この映画はSF映画に分類されながら、アート映画だとも言えます。
先述したような凝ったセットデザイン、衣装、大胆な構図、カメラアングルは今の時代でも新鮮。
また音楽の使い方も独特で、SF映画には普通使われない19世紀後半のクラシック音楽などを使用しています。
それ以外には音楽は殆ど使われておらず、セリフも最小限に抑えてあることも特徴的です。
静寂が最も活きるのは宇宙の場面。
音がなく静かで広大な宇宙を一人漂うプール副船長の姿は孤独で脆いです。
またこの映画は哲学的でもあります。
人類は進化し、宇宙を自由に探求するまでに至りました。
テクノロジーも進化を遂げ、人間の不完全さを補うように人工知能が台頭するようになります。
しかしミスが全くない、完璧なものなど存在し得るのでしょうか?
またどんなに人類は進化を果たしても、人類が出現するその遥か昔から存在していた宇宙のように、人間の英知では理解や説明できない存在はあるのではないでしょうか?
映画はそういった問いを投げかけてきます。
また結果的に人体実験として使われた青年たちにも注目したいです。
使命と希望に燃えた美しい若者たちは半ば騙されて木星に向かわせられ、宇宙に散ります。
キューブリック監督の次作『時計じかけのオレンジ』(1971)でも共通して見られますが、まだ無垢な若者たちが年配の輩が握る大きな権力によって利用され消費されます。
それは映画が作れらた当時アメリカが渦中にあったベトナム戦争、若い命を大量に奪いとったあの戦争を思い起こさせる構造となっていることに注目です。
『2001年宇宙の旅』(1968)のまとめ

© Courtesy Everett Collection
キューブリックの鬼才ぶりが遺憾なく発揮される『2001年宇宙の旅』(1968)。
完璧主義で映画のあらゆるところまで徹底的にこだわり、演技が気に入らなければ何度もテイクを繰り返し、俳優と揉めたこともよくあったそうです。
この映画はSF映画の分類に入るかもしれませんが、そのアート性や哲学性から、SF映画が苦手な人にも是非おすすめしたいです。
映像美に感動したり、斬新な音楽と映像のマッチングに思わず唸ってしまうかもしれません。
そして宇宙を舞台にしているこの映画を観ることで、普段の日常から離れ、壮大なスケールで物事を考える機会が与えられます。
人類とは、宇宙とは、テクノロジーとは何なのか?
人間とテクノロジーの関係はどうあるべきか?
50年以上の時を超えて映画に込められた様々なメッセージが届きます。
特にAIが話題となっている昨今、この映画を見て感じたり得られるものは多いのではないでしょうか。
本作の他にもSF映画のおすすめ作品を紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
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