『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)は、「貯金ゼロから年収49億円 ヤバすぎる人生へ、ようこそ。」のキャッチコピーで知られるコメディ映画です。
監督は『シャッター アイランド』(2009)『アイリッシュマン』(2019)を手掛けたマーティン・スコセッシ監督。
主演のレオナルド・ディカプリオと共演するのはこれで5回目の作品になります。
この映画は3時間上映時間があるにもかかわらず、金とセックスとドラッグだけで構成されているお馬鹿なコメディ映画として話題になりました。
しかしアカデミー賞も5部問ノミネートしている本作品には一体どのような魅力があるのでしょうか。
本記事では、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)の考察や、あらすじ、結末、モデルとなった実話や人物などネタバレを交えながら解説していきます。
目次
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)の作品情報とキャスト
作品情報
原題:The Wolf of Wall Street
製作年:2013年
製作国:アメリカ
上映時間:179分
ジャンル:ドラマ、コメディ
監督とキャスト
監督:マーティン・スコセッシ
代表作:『シャッター アイランド』(2009)『アイリッシュマン』(2019)
出演者:レオナルド・ディカプリオ/吹替:加瀬康之(ジョーダン・ベルフォート)
代表作:『タイタニック』(1997)『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002)
出演者:ジョナ・ヒル/吹替:桜井敏治(ドニー・アゾフ)
代表作:『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)『マネーボール』(2011)
出演者:マーゴット・ロビー/吹替:白石涼子(ナオミ・ベルフォート)
代表作:『スーサイド・スクワッド』(2016)『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)のあらすじ

パーティ中のジョーダン・ベルフォート© 2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
22歳で既婚のジョーダン•ベルフォートは自分のリッチになりたいという野心を満たすために、ウォール街の投資銀行に入社した。
しかし、晴れてブローカーになった当日ブラックマンデーに襲われ会社は倒産。
職を失ったジョーダン•ベルフォートは妻のすすめで小さな会社で株式仲介人となった。
そこでは上場しない企業のペニー株を取り扱っていて、手数料が50%も取れるのだ。
前職の経験を生かしたジョーダン•ベルフォートは瞬く間に売り上げを伸ばしていき、そのとき出会ったドニー•アゾフと2人で会社を設立する。
ジョーダン•ベルフォートは地元で雇った従業員に営業のノウハウを教え、会社は次第に大きくなっていく。
そして彼は26歳で49億円の年収にたどり着いた。
金を持つジョーダン•ベルフォートの日常はドラッグとセックスのオンパレード。
しかし成長しすぎたジョーダン•ベルフォートの会社はFBIに目をつけられてしまうのであった。
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)の感想と考察

ジョーダンベルフォートとナオミ© 2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)の感想
とにかく豪快で中身がないがそこが良い
本作品は主に金とセックスとドラッグで構成されています。
この作品の凄いところは3時間という長丁場でありながら見たあとに何も残らないことです。
「観たあとはなんかすっきりしたけど、金とセックスとドラッグだらけの話だったな」という感想しかありません。
実際に口コミサイトのほとんどのコメントでこの3要素が話題に上がっています。
しかし、そこがいいのではないでしょうか。
たまには思いっきり馬鹿になって頭を空っぽにして馬鹿なことをしている映画を観る、それだけでもなんだか活力に溢れた気持ちになっていきます。
これで実話だから凄い
本作品はコメディとして描かれていますが、作品としては実話に基づいている自伝なのです。
普通自伝であればその人の経験をひたすら辿るだけなので退屈になるのがよくある映画の失敗パターンですが、本作品はなんと3時間もありますが全く退屈な要素がありませんでした。
映画を見ている人もこれが完全なフィクションだと思っている人は多いみたいです。
マーティン・スコセッシ監督の凄いところがその絶妙なストーリーのバランス。
おそらくストーリーの中にいつくかあるコメディ要素のシーンは、自伝の中の時系列がバラバラな部分をかいつまんでいることでしょう。
普通なら各シーンの切り替えが激しくストーリーと逸脱した部分に浮いたコメディ要素が入りそうですが、本作品はその要素がきれいにつながっていて見事にストーリーに入れ込みながら映画が進行していくのです。
実際3時間ですが、あっという間に映画がおわっていました。
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)の考察
本作品の登場人物は本当にクズです。
違法薬物に手を出し、女性を買いセックス三昧、浮気三昧でしまいにはその金は金持ちから違法な手で騙し取っていたお金です。
しかし何故かクズなのに面白く観れてしまう、むしろ愛着が湧き可愛くさえ見えてきます。
これは何故なのでしょうか。
おそらくこれはジョーダン•ベルフォートの人柄の良さ、一人ひとりが自分に正直に生きているからでしょう。
現実の世界はこうも金とドラッグ、セックスなんて周りの目が気になってできないです。
日本人は特に理性が邪魔してストップしてしまいます。
それを本作品では惜しげもなくしかも悪びれもせず行っているのです。
これは一種の憧れの感情に近いのかもしれません。
旅行とかもそうですが普段できないことをすると、一種の開放的な気持ちになりストレスがなくなり清々しい気持ちになります。
本作品を見たあとはその気持ちよさが残るのです。
だんだんとジョーダン•ベルフォートたちが、男子校の男子生徒たちが放課後群がってワイワイしているような可愛さに見えてきます。
【ネタバレあり】『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013) は実話? モデルとなった人物について解説

金魚を食べるドニー© 2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
前述したとおりですが、このはちゃめちゃな映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)ですが、なんと実話だというのですから驚きです。
本作品は「ウォール街狂乱日記 - 「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生」という原作に基づいて描かれています。
また、この著書であり本作品の主人公ジョーダン•ベルフォートは実在する人物です。
ジョーダン•ベルフォートは元ブローカーで資金洗浄と証券詐欺により22ヶ月間服役したのち現在は講演家として活躍しています。
なお本作の原作は刑務所の中で知り合ったカナダ人のコメディアンに自伝を書くべきだと進められ書いたそうです。
約2年間捕まったことによりこうして講演家としても有名になり彼の破天荒な人生を何億人という人が見ることができたのでよかったかもしれませんね。
なおジョーダン・ベルフォート本作品のラストシーンで、講演会の司会者としてカメオ出演しています。
他の登場人物についても名前は違うものの実在した人物です。
主要な人物を紹介していきましょう。
ジョーダン・ベルフォートの1番の相棒のドニー・アゾフですがダニー・ポルッシュという人物がモデルとなっております。
基本的には本作品のストーリー通りの人物ですが、金魚を食べるなど数々の破天荒に関してはダニー・ポルッシュが全て行ったわけではなく、何人かの会社員が行った逸話を集めてすべてドニー・アゾフに集約しているそうです。
次にジョーダン・ベルフォートの2番目の妻となったナオミですがナディーヌ・カリディという人部がモデルとなっております。
彼女も基本的に本作品のストーリー通りでジョーダン・ベルフォートと結婚し2子を出産し14年後離婚にしています。
ジョーダン•ベルフォートからナオミ号という船をプレゼントされていたのは、非常にインパクトのあるシーンでしたが、あの話に関しても実話でナディーヌ号という船プレゼントされたそうです。
靴ブランドの創始者のスティーブ・マデンやジョーダン・ベルフォートが、勤めていたロスチャイルド社の先輩のマーク・ハンナも実在した人物になります。
最後に数々のはちゃめちゃなエピソードについての真偽ですが、小人でダーツをしたり、ストリッパーを会社に呼んだり、セックス禁止の張り紙を会社に貼ったりする行為は実際にあったエピソードだそうで衝撃です。
【ネタバレあり】『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)のラストシーンと結末を解説

ジョーダン・ベルフォート© 2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
培った営業スキルを活かす
ジョーダン・ベルフォートは証券詐欺で警察に捕まりました。
手口としては、まずジョーダン・ベルフォートの会社であるストラットン・オークモント社がある企業のペニー株を大量に保有しておき、そのあと金持ちに詐欺まがいな方法でペニー株を売り付けます。
そのあとストラットン・オークモント社が持っていたその株が急騰した瞬間に一気に売り切り株価を急落させるという手口です。
前々からFBIに目をつけられていたジョーダン・ベルフォートは逮捕され20年近く服役するはずでしたが、盗聴器をつけ仲間を売るという協力をすることで3年服役することとなります。
ジョーダン・ベルフォートは刑務所から出たあと講義を開いているシーンに変わります。
その講義でジョーダン・ベルフォートはペンを差し出して
「このペンを私に売れ」
と言って物語は終了です。
これは冒頭にジョーダン・ベルフォートがドニー・アゾフたちに営業の仕方を教えるのに言った印象的なセリフですね。
2時間前に見た風景のはずですが何故か非常に懐かしい気持ちになります。
ジョーダン・ベルフォートの強みはなんと言っても育成能力、周りを巻き込む力じゃないでしょうか。
悪いことをした経験があっても、最後に自分の強みである能力を活かして講演をしている姿を見てなんだかほっとしました。
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)の評価

ナオミとジョーダンベルフォート© 2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)は興行収入が3.92億ドルで第86回アカデミー賞(2014)も受賞しております。
その他アカデミー賞では主演男優賞など5部門のノミネートがされていて、まさに総勢力で出来上がった映画と呼べるでしょう。
そんな本作品ですが口コミサイトを見ていると「時間」に対してコメントが2極化していました。
良い評価としては、「約3時間ある映画ですが全く退屈ではなく気づいたら終わっていた」という意見。
悪い評価としては、「最初は話がポンポン進んでいくが途中の2時間経ったくらいで話がグダグダしてきて退屈だった」という意見。
全体的には良い評価の方が多かったように感じます。
悪い評価をつけていた人に関してはおそらく映画に大きな結論を求めていたためこの様な評価になったのではないでしょうか。
確かに3時間の前半は金、セックス、ドラッグなど勢いのある要素でめちゃくちゃにしている分、結末もきっと納得できる様な思い切った終わり方をするのではないかと見ていた鑑賞者は多かったはずです。
しかし、あくまで自伝。
最後はジョーダンが講演をしんみりやって終わっていました。
ただあくまで自伝なのでこれはしょうがないでしょう、むしろよくこの壮大なドラマを綺麗にしめられたなと褒めても良いぐらいです。
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)のまとめ

従業員に営業を教えるジョーダンベルフォート© 2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
金・セックス・ドラックのはちゃめちゃで豪快なストーリーで楽しめる『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)。
3時間に及ぶ長編作品ですがレオナルド・ディカプリオの迫真の演技もあり全く飽きずに楽しむことができます。
内容としては細かく見ていくと難しい言葉とかが出てくるのでしっかり理解しながら見たいという人には大変かもしれませんが、とにかく馬鹿を豪快にやっているのがみたいという方にとってはなにも考えずにおもしろく観られるでしょう。
また仕事で営業に携わっている方も面白く観られるかもしれませんね。
下ネタの要素が強いので家族やパートナーと見るときは気をつけてください。
気になった方は是非ご覧になってみてください。
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