『ジェミニマン』(2019)は、ウィル・スミスVSウィル・スミスのキャッチフレーズ話題になったアクション映画です。
伝説の凄腕スナイパーのウィルスミスが過去の自分と戦うというストーリーですが、見どころは何といっても映像技術でしょう。
監督は『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」』(2012)や『ハルク』(2003)を手掛けたアン・リー監督。
革新的な映像技術や、新しい試みを何度も行なっている監督なだけに今作の映像技術もさすがといった感じです。
しかし今作品期待された作品ではあったものの、大赤字を出してしまったのです。
なぜ『ジェミニマン』(2019)は大コケしてしまったのでしょうか。
本記事では、『ジェミニマン』(2019)の考察や撮影方法、あらすじ、結末などネタバレを交えながら解説していきます。
目次
『ジェミニマン』(2019)の作品情報とキャスト
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作品情報
原題:Gemini Man
製作年:2019年
製作国:アメリカ
上映時間:117分
ジャンル:アクション
監督とキャスト
監督:アン・リー
代表作:『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(2012)『ハルク』(2003)
出演者:ウィル・スミス/吹替:江原正士(ヘンリー・ブローガン)
代表作:『アラジン』(2019)『スーサイド・スクワッド』(2016)
出演者:メアリー・エリザベス・ウィンステッド/吹替:菅野美穂(ダニー・ザカウスキー)
代表作:『スイス・アーミー・マン』(2016)『ダイ・ハード/ラスト・デイ』(2013)
出演者:クライヴ・オーヴェン/吹替:井上和彦(クレイ・ヴァリス)
代表作:『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』(2017)『ボーン・アイデンティティー』(2002)
『ジェミニマン』(2019)のあらすじ

狙撃するヘンリー© 2019 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
現在51歳のヘンリーは年齢から自分の仕事が段々と衰えてきていることと、以前から自分が殺しをすることに対し疑問もっていたため引退を決めていた。
その矢先自分を雇っていた政府とGEMINIという組織から襲われてしまう。
暗殺部隊を次々と倒すヘンリーだが、そこに超人的な暗殺者が単独で戦いを挑んで来る。
その暗殺者は若い頃の自分の姿(ジュニア)だった。
その自分によく似た20代若者は実はヘンリーの遺伝子からGEMINIが作り出したクローンだったのだ。
ヘンリーとジュニアの戦いの末、ヘンリーは自分のクローンであるジュニアを説得し、正しい行いをするためにGEMINIを掃討しに共闘するのであった。
『ジェミニマン』(2019)の感想と考察

バイクで戦闘するヘンリー:© 2019 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
『ジェミニマン』(2019)の感想
『ジェミニマン』(2019)の見どころといえば「映像技術×アクション×クローン」です。
しかし、今回非常にもったいなかったのが映像技術に力を入れたことに加え、クローンという大きなテーマを入れてしまったばかりに、両方ともインパクトの薄いまま進んでしまったということ。
それぞれ解説していきます。
映像技術が超ヌルヌル
『ジェミニマン』(2019)では4K3D60fsp(120fps)で観ることが可能です。
実は4K3D60fsp(120fps)の映像で撮った映画は世界初になります。
では、映像技術について解説していきましょう。
そもそも4K3Dとは簡単にいうと4K映像を3Dで観ることができる技術。
参考までに2K2Dが一般的の映画になります。
そして今回注目すべきは60fps(120fps)です。
fpsというのは1秒間に何枚の写真が入っているかだと思ってください。
つまり60fpsとは1秒間に60枚の写真が流れているイメージになります。
通常の実写映画は24fpsの映像になりますが、本作品は60fps(120fps)で観ることが可能です。
実はジェミニマン120fpsで観ることが可能なのですが、残念ながら日本には120fpsで作品を観られる上映技術はありません。
ですが60fpsだけでも映像技術としては世界初となります。
電気屋さんなどでテレビをみたときに「すごい綺麗な映像だな」と感じたことはないでしょうか。
本作品はそのような感覚の綺麗さ、ヌルヌルさがまさにずっと続いているような感じです。
バイクアクションがアツい
今回はこの映像技術が活かせるアクション映画というのもあり、見応えのあるシーンは多かったです。
ストーリの中盤ヘンリーとジュニアが戦闘するシーンがあり、非常に見応えがあります。
やはり60fpsは素早い動きがより滑らかになるのが売りですから、アクションは非常に期待値が上がるシーンでした。
おそらく映像技術を活かすために車などの戦闘は避けたのでしょう、バイクを使っての戦闘を行なっていました。
このバイクの戦闘シーン。
映像技術を見せびらかしたいのかスナイパーから逃げる演出なのかわかりませんが、狭い路地をぐねぐね走り、ぬるぬるとした映像伝わる迫力満点のシーンでした。
途中ジュニアがバイクを使ってヘンリーを殴るシーンがあるのですが、今まで見たことない戦闘シーンで非常にカッコ良かったです。
ただ残念だったのが、明らかに映像のヌルヌル感を出したいあまり、追いかける側のジュニアがなぜか真っ直ぐな道でもバイクをウネウネさせていて、大袈裟になりすぎていたのも気になりました。
クローンストーリー
主人公の元に30年ほど若返った主人公が刺客として来る物語ですが、クローンが1つのテーマになります。
クローン製造は倫理的な価値観から現代社会では禁止されていることの一つです。
もしクローン製造がされたらどうなるのかという作品。
過去に何回も描かれている議題なため、今監督のアン・リーはどのような展開をしていくのがが見どころでした。
しかし、もう1人のウィル・スミスであるジュニアには、クローンとしての葛藤や成長が少しばかり見られました。
その葛藤については「自分が何のために生まれてきたのか、本物がいるのに自分は一体何者なのだ」。
という今までよくあるクローンストーリーが描かれてしまってます。
このように深堀が浅かったり、クローンを見た際のヘンリーの気持ちや思いに具体性がなかったのが非常に残念でした。
大きなテーマゆえにわざわざそれで映画の価値を下げるようだったらクローン出さなくてもいい気もしました。
ウィル・スミス対ウィル・スミスというインパクトが大きすぎたことは事実。
その他にも伝説の凄腕スナイパーなのに殺しに違和感がありつつ何十年も仕事をしていた。
ヘンリーの気持ちが芽生えたきっかけが描かれていないためストーリーが薄いと思います。
そう考えるとどうしてもアクション技術を漬け込むがあまりストーリに掘り下げがなく、CGを使いたいがため作られた映像構成だと感じてしまいました。
『ジェミニマン』(2019)の考察
オリジナルのヘンリーがクローンのヘンリーに向けて正しい道に向かせようと説得をするシーンが作中描かれます。
これはいわゆる過去の過ちを正すのと同じ行為だと思いました。
あるシーンで殺しの仕事しかやったことがない若いジュニアに対してヘンリーは「まだ若いからこれからいろんなことができる」と違う道を指します。
これを観たとき「ヘンリーにとって殺しの仕事は後悔でしかなかったんだな」と感じました。
そして最後にジュニアが殺しを辞めて大学に通うシーンでは、ある意味ヘンリーは自分の過去を変えられんだなという描写でもあり嬉しかったです。
アクションに関しては、せっかく51歳と23歳の歳の違いがある人物同士が戦っているので、戦い方も経験の違いなどがわかる戦い方であればもっと深みが出たでしょう。
というのも最終的には51歳のヘンリーが追い詰めるシーンがあるものの、戦い方や戦闘に関してはほぼ互角の戦いを行なっていて、そういった意味でもキャラクターの深堀があまりできなかったと感じました。
【ネタバレあり】『ジェミニマン』(2019)の撮影方法を解説

ジュニアとの対峙:© 2019 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
見どころでもあるウィル・スミス対ウィル・スミス実は革新的な映像技術が使われているのです。
基本的にこういった若い時代の登場人物を出演させるには二つのやり方があります。
1つは別の俳優を用意する。
もう1つは今の演者の顔立ちをもとにCG映像を作るやり方です。
ですが今回のジェミニマンではこの両方とも使われていません。
なんともう一人のウィル・スミスであるジュニアは1からCGで顔を作っています。
イメージでいうとプレステなどのゲームのキャラクターと同じことですね。
演技自体はウィル・スミスが行なっているので表情や動きはウィル・スミスと同じになります。
ちなみにもう一人のウィル・スミスを作るために使われた技術の費用はウィル・スミスのギャラが2倍以上らしいです。
たしかに、この映像技術物凄いのですが作中二人のウィル・スミスがこれでもかというほどドアップで何度も出てきます。
映像技術に自信があり、出したいのも伝わりますが少しくどすぎた気もしました。
【ネタバレあり】『ジェミニマン』(2019)のラストシーンと結末を解説

敵キャラクレイラストシーン:© 2019 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
ジェミニマンのラストシーンにヘンリーとジュニアの前に現れた最後の刺客は何とジュニアよりも少し若いヘンリーのクローンでした。
何とウィル・スミス対ウィル・スミスを謳っていたこの映画ですが、最終的にはウィル・スミス対ウィル・スミス対ウィル・スミスになります。
この最後のウィルスミスは、痛覚も感情も全て取られた最強の刺客です。
作中でもやっとのことで何とか倒すことができました。
その後敵のボスであるクレイが現れクローンを作った真の理由を話します。
どうやらクレイは戦争などでPTSDになったり負傷で帰ってこれない兵隊がいることに対し、それならクローンで強い兵隊を作ればいい、そうすれば戦地に行っているような若い兵士は死ななくてすむと考えたそうです。
倒されてしまった最後の刺客のことを考えながらも、敵でありながらクレイにはクレイなりの信念や正義があったのだと感じました。
倫理観には背くものの戦争にいき、クレイなりによりよい方に発展できないかと考えた結果のことだったのです。
完全な悪者ではないものの最終的には感情も痛覚もない完全な生物兵器を作ってしまったシーンを思い返すと考えさせられます。
『ジェミニマン』(2019)は赤字?作品の評価を興行成績とともに解説

アンリー監督とウィルスミス:© 2019 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
ジェミニマンの興行収入は1億8千万ドル。
そして何と80億円ほどの赤字があったそうです。
理由はハイコストな技術を使いすぎてしまったことでしょう。
上記に挙げている通り今回のジェミニマン映像技術としては革新的な試みをしているためその費用だけでも40億円は超えてるそうです。
しかし今回ストーリーはといえば正直平凡に終わってしまった。
口コミにも、ウィル・スミス対ウィルスミスで面白そうだったけど薄い内容で終わってしまったというコメントも多かったです。
映画を映像作品としてではなく、ストーリーとして見に来た人にとっては平々凡々の映画として終わってしまったのが今回の敗因でしょう。
『ジェミニマン』(2019)のまとめ

ウィルスミス公演:© 2019 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
『ジェミニマン』(2019)は観終わった後「なんとなく面白かったんだけど結局どんな話だったっけ」となるような作品でした。
特に深く心に残ったシーンや深いストーリーを堪能できたわけでもありません。
やはりアクションなのか映像なのかストーリーなのか、何を見せたいかという決め手にどうしてもかけてしまうのです。
いずれも今回の作品であとひと工夫踏ん張れれば一つ抜け出すことができたと思います。
しかしそんなことは良くてとにか「ウィル・スミス対ウィル・スミスの戦いが見たいんだ」ということであればそういった気持ちで見た方が面白く観られるかもしれないですね。
映像とか見たり、技術とかを見るのが面白くてみてるんだという人に取ってはいいかもしれません。
ストーリメインで二人のウィル・スミスが戦うことにわくわくして、映像とかとか別にこだわりないよって人に取っては薄いということで終わってしまうようです。
気になった方はぜひ観てみてください。
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