
『チェンジリング』(2008)は、行方不明になった息子を警察が連れてきたら全くの別人だったという実話をもとにしたヒューマンドラマ映画です。
監督はクリント・イーストウッド、主演はアンジェリーナ・ジョリー。
本作はカンヌ国際映画祭に出品されました。
息子を探し続ける母の気持ちと警察の権力に屈しない姿勢に胸を打つ『チェンジリング』(2008)について、感想・考察、結末や元ネタを解説していきます!
項目 | 評価 | 点数 |
知名度 | ★★★★☆ | 75点 |
配役/キャスト | ★★★★☆ | 75点 |
ストーリー | ★★★★☆ | 85点 |
物語の抑揚 | ★★★★☆ | 85点 |
ヒューマンドラマ | ★★★★☆ | 85点 |
心の揺さぶり度 | ★★★★★ | 90点 |
目次
『チェンジリング』(2008)の作品情報
製作年 | 2008年 |
原題 | Changeling |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 142分 |
ジャンル | ヒューマンドラマ |
監督 | クリント・イーストウッド |
脚本 | J・マイケル・ストラジンスキー |
主要キャスト | アンジェリーナ・ジョリー(クリスティン・コリンズ)/ 日本語吹替:湯屋敦子
ジョン・マルコヴィッチ(グスタヴ・ブリーグレブ牧師)/ 日本語吹替:壤晴彦 ジェフリー・ドノヴァン(J.J.ジョーンズ警部)/ 日本語吹替:内田直哉 ジェイソン・バトラー・ハーナー(ゴードン・ノースコット)/日本語吹替:平田広明 |
『チェンジリング』(2008)の概要

写真を撮るクリスティン・コリンズ:ⓒUniversal City Studios LLC
1928年のロサンゼルス。
電話会社で働くクリスティン・コリンズは、シングルマザーとして一人息子のウォルターを育てていた。
ある日、クリスティンは急に仕事が入ってしまったため、ウォルターを家に残して仕事に出かけたが、帰宅すると息子の姿がないことに気づく。
クリスティンは警察に捜査の電話をしたが、「24時間は何もできない」と断られてしまう。
5ヶ月後、警察からウォルターを発見したとの報告を受け、駅に迎えにいくクリスティン。
しかし、そこに現れたのは息子のウォルターではない全くの別人だった。
『チェンジリング』(2008)の感想と考察

クリスティンとブリーグレブ牧師:ⓒUniversal City Studios LLC
『チェンジリング』(2008)の感想
『チェンジリング』(2008)は、息子を想う母親の強い気持ちと警察の権力に屈しない姿勢に心揺さぶられる映画です。
実話をもとに力強くエモーショナルな作品を生み出すうまさは、クリント・イーストウッド監督ならでは。
特に権力を振りかざす腐敗した警察に抗議するクリスティンには勇気をもらえますし、間違っている(不正をしている)ことに声を上げることは大事なのではないでしょうか。
警察に抗議したことでクリスティンは警察から大きな仕打ちを受けてしまいますが、結果的にクリスティンには味方をしてくれる人が出てきます。
例え相手が大きくても逃げずに立ち向かう必要性を本作は教えてくれます。
また、本作では事件の真相が気になるストーリーも魅力的。
息子ウォルターの失踪の裏には何があるのか。
クリスティンとウォルターは無事再会することができるのか。
最後まで飽きさせない骨太なヒューマンドラマになっています。
『チェンジリング』(2008)の考察
なぜ『チェンジリング』(2008)はこれほど心揺さぶられるのか。
その要因の一つに、アンジェリーナ・ジョリーの演技が大きく関係しているのではないかと思います。
実際、アンジェリーナ・ジョリーはアカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。
彼女の演技の何が素晴らしかったのかというと、息子を想う気持ちや過酷な状況に耐えようとする静かな情熱がひしひしと伝わってくるのです。
行方の分からない息子に涙を流して感情を露わにする姿は、特に印象に残ります。
強い女性が似合うアンジェリーナ・ジョリーは、まさに適役だったと言えるでしょう。
もし他の女優であったならここまで心が揺さぶられることはなかったかもしれません。
映画の内容と女優がうまくハマった成功例と言えるのではないでしょうか。
『チェンジリング』(2008)は怖い?元ネタや原作で現実と映画の違いを解説!

ゴードン・ノースコット:ⓒUniversal City Studios LLC
『チェンジリング』(2008)の原作と元ネタ
『チェンジリング』(2008)の元ネタは、「ゴードン・ノースコット事件」というアメリカで起きた事件です。
ゴードン・ノースコット事件は、1920年代後半に起きた連続少年誘拐殺人事件であり、犯人のゴードンは養鶏場に誘拐した少年を監禁し、猥褻行為をした挙句に殺害した後、遺体を埋めていたことも判明。
ゴードンは映画と同じく、サン・クウェンティン刑務所で絞首刑の死刑となり、23歳で死去しました。
【どこまで実話?】現実の事件と映画の違いを解説!
現実の事件と映画の違いはそれほどありませんが、いくつかの違いがあります。
まず、映画ではゴードンの母親は登場しませんでしたが、現実の事件ではゴードンの母親、サラ・ルイーズも殺人事件に関与していました。
他には、映画では少年を誘拐して監禁、殺害し、土の中に埋めただけが判明するのですが、現実の事件はもっと陰惨な事件だったようで、ゴードンは誘拐した少年を性的欲求の標的にし、時には金銭目当てに同様の性的嗜好を持つ男に貸し出していたそうです。
さらに、殺害した少年らは生石灰で肉を溶かし、埋めていたとのこと。
首のない少年の死体が発見されたこともあり、現実の事件は映画よりもショッキングであったことが分かります。
『チェンジリング』(2008)の伏線と疑問の解説

ジョーンズ警部とクリスティン:ⓒUniversal City Studios LLC
ウォルターは生きているのか?
『チェンジリング』(2008)の終盤でウォルターは、監禁されていた養鶏場から逃げたことが明らかになるのですが、生きているのか、捕まえられて殺されたのかまでは明らかにされていません。
なお、現実の事件では、ウォルターが逃げたという事実はなく、発見された骨がウォルターのものかどうか判らなかったため、クリスティンは生涯、ウォルターの生存を信じていたそうです。
『チェンジリング』(2008)の意味とは?言葉の意味と映画の意味を解説

ジョーンズ警部:ⓒUniversal City Studios LLC
チェンジリングという言葉の意味
「チェンジリング」という言葉には、「取り替え子」という意味があります。
これは、自分の子供が醜い子供に取り替えられるというヨーロッパの伝承で、時には連れ去られた子供も指します。
1800年代には、実の子をチェンジリングされたと信じ込んだ親が、子を虐待・殺害したという事件もありました。
誘拐されたウォルターが全くの別人になって帰って来たことから(取り替えられた)、「チェンジリング」というタイトルをつけたのでしょう。
『チェンジリング』(2008)の映画としての意味・主題や伝えたいこと
感想でもふれましたが、例え相手が大きくても逃げずに立ち向かう必要性を『チェンジリング』(2008)では伝えたのではないでしょうか。
警察に抗議したことでクリスティンは警察から大きな仕打ちを受けてしまいます。
しかし、孤立無援な彼女には見方も現れ、結果として、腐敗した警察は糾弾されジョーンズ警部は無期限の停職処分、デーヴィスは本部長を更迭されます。
諦めず、勇気を持って立ち向かえば「何かが変わる」ことを主題とし、伝えたかったのではないかと思います。
『チェンジリング』(2008)の最後は? ラストシーンや結末を解説

クリスティン・コリンズ:ⓒUniversal City Studios LLC
『チェンジリング』(2008)の結末・ラストシーン
本作の結末は、事件から7年後。
クリスティンと同じ事件の被害者から「息子が見つかった」という連絡が入ります。
クリスティンが警察に行くと、取調室のような部屋で被害者の息子が刑事に事件の真相を告白。
少年は両親との再会を喜びました。
しかし、ウォルターの行方は分からず、逃げ切れたのか殺されたのか不明のまま。
クリスティンはウォルターがどこかで生きていると信じ、警察を後にするというラストになりました。
『チェンジリング』(2008)の最後の解釈と考察
ウォルターと再会できなかったのは残念ではありますが、クリスティンが最後で希望を見つけられたのは大きな救いだったのではないかと思います。
また、クリスティンの闘いが無駄にはならなかったことも救いだったのではないでしょうか。
というのも、最後の字幕で語られるのですが、警察の不正や汚職が追及され、街が生まれ変わったからです。
もしかしたらこの事件が起きなければ、腐敗した警察はそのままであったかもしれません。
息子を想う母の愛が街を社会を変えたのです。
【レビュー】『チェンジリング』(2008)の評価・評判

クリスティンとブリーグレブ牧師:ⓒUniversal City Studios LLC
【つまらない?】低評価のレビュー
『チェンジリング』(2008)の低評価はどのようになっているのでしょうか。
映画のレビューサイトをまとめてみると、
という低評価レビューがありました。
ほとんど低評価が見られず、「暗い映画、辛い映画」というレビューがちらほらあるくらいです。
確かに本作は観ていて辛い描写のある映画ではありますが、その反面、骨太で観る人を惹きつける映画になっていると思います。
【面白い?】高評価のレビュー
『チェンジリング』(2008)の高評価はどのようになっているのでしょうか。
映画のレビューサイトをまとめてみると、
という高評価レビューがありました。
全体的に「悲しい、残酷だけど良い映画」というレビューが多いです。
また、アンジェリーナ・ジョリーの熱演やクリントイースト・ウッド監督の仕事ぶりの高評価も多数!
これほど心を揺さぶられたのは、アンジェリーナ・ジョリーの素晴らしい演技があったからでしょうし、クリントイースト・ウッド監督の才能が光ったからでしょう。
日本の映画レビューサイト映画.comの点数は5点満点中3.8という高評価に。
低評価がほとんど見られない結果となりました。
『チェンジリング』(2008)の総合評価:母の愛が胸を打つ!

クリスティン・コリンズ:ⓒUniversal City Studios LLC
母の愛と権力に屈しない強い姿勢が胸を打つ『チェンジリング』(2008)。
最後まで飽きさせない展開になっていますし、アンジェリーナ・ジョリーの熱演が素晴らしかったです。
本作は辛いシーンが多い映画ではありますが、希望も感じられる作品でもあるので、ぜひ観ていただきたいです。
きっと心揺さぶられることでしょう。
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